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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2024年11月11日 (月)

「オアシス」⇒ヒリヒリのバイオレンス

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清水尋也と高杉真宙がW主演
 
伊藤万理華も加わって
 
逃亡の青春バイオレンスだ
 
 
11月15日の金曜日から、SPOTTED PRODUCTIONSの配給により、新宿武蔵野館、池袋HUMAXシネマズ、テアトル梅田、なんばパークスシネマほか、全国ロードショー。

本作は2024年製作の日本映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2024『オアシス』製作委員会

★本作はSPOTTED PRODUCTIONS主催の試写会に招待されて鑑賞した。

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男2人が敵対しながらも、やがて

事件が発生して共に逃亡

しなければならなくなり、ある種の

相棒節を発揮しながら、

追いかける敵に向かっていく。

普通の友情ではなく、

訳アリの2人だけに、

ドラマティック度合いは高い。

アメリカン・ニューシネマ的を

ヤクザ映画に持ち込んで、さらに

青春のやるせなさへと

向かいつつも、2人それぞれの

矜持を示すといった作品だ。

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そんな2人に、

「東京リベンジャーズ 2

血のハロウィン編

-運命-/-決戦-」

などのヒット作で共演してきた、

清水尋也と高杉真宙がW主演した。

片や持ち前のワイルド感を

遺憾なく発揮したヤクザ役の

清水尋也。片やクールそうに見えて

逼迫した演技が巧みな
犯罪組織の

メンバー役の高杉真宙。

しかも幼なじみの設定で

2人はプライベートでも親友だが、

その絆ぶりが敵対関係を演技

していてもそこはかとなく

にじみ出るような映画になった。

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そんな2人の男と同じく

幼なじみの、これまた問題アリな

翳りのヒロイン・紅花役を、

最近では「チャチャ」(2024年)
 


で異能の演技を見せた

伊藤万理華が、演技派らしい

負のヒロイン演技を披露する。

2人と逃亡する原因となった

事件を起こすのは彼女だが、

その逃亡先で、3人が一緒に

遊んでいた幼い頃の無邪気な

シーンが垣間見えるのだ。

この一瞬の安らぎのシーンと

クライマックスのバイオレンス・

シーンが対比されて

劇的効果を呼んでいた。

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ヤクザ組の兄貴分役・窪塚俊介、

幹部役・津田寛治、

組長役・小木茂光、

組長の息子役・青柳翔ら、

裏社会らしいクセのある

バイプレーヤーぶりが心憎い。

三宅唱、藤井道人、岸善幸などの

監督作品で助監督を務めた

岩尾拓郎の監督デビュー作。

監督の出身地・愛知ロケを敢行した

オリジナル脚本による映画。

監督が言う通りの

傷だらけの青春映画だ。


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