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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2024年5月16日 (木)

「ボブ・マーリー: ONE LOVE」

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実在のミュージシャンの

人間ドラマ映画
 
音楽ムービーとしても爽快
 
 
5月17日のフライデーから、東和ピクチャーズの配給により、全国ロードショー。

本作は2024年製作のアメリカ映画108分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2024 PARAMOUNT PICTURES

★本作は東和ピクチャーズ主催の試写会に招待されて鑑賞した。

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実在したミュージシャンの

人間ドラマ映画。その種の映画は

これまでに多数の映画が

作られてきたが、本作は

ミュージシャンとしての生き方を

メインにした作品で、加えて

妻や子供たちとの関係性が

描かれる映画となった。また、

レゲエ・アーティストの

ジミー・クリフが主演した

ドラマ音楽青春映画

「ハーダー・ゼイ・カム」(1973年・

ジャマイカ)などがあったけど、

本作はジャンル音楽としての

レゲエ・アーティストを取り上げた

最初の作品にもなった。

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ボブ・マーリーの祖国ジャマイカ

の政治的・社会的問題も絡めながら、

ミュージシャンとして

絶頂期にあった、

1976年から1978年までを

クローズアップしている。

1976年。

政治的闘争に巻き込まれて

ボブ・マーリーと妻の

コーラス担当リタも銃撃された。

衝撃の事件から始まり、

やがてボブは国を脱出して、

アルバム『エクソダス』を

レコーディング。

神を意識した歌詞とか、

ポール・ニューマンが主演した

長尺大作映画「栄光への脱出」

(1960年・アメリカ)のサントラを

参考にしたなどの

エピソードが披露される。

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1977年のヨーロッパ・ツアーの

模様など、臨場感ある

コンサート・シーンが撮られ、

ボブ・マーリーと妻がいた

バック・バンド、ウェイラーズの

若き頃の過去シーンも

時おり挿入されて、

成功への途上も描かれていく。

大人しい曲を演奏して、いきなり

パーティー・ソングへと

切り替えて、スカウト側を唸らせる

シーンなどが印象的だ。

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ボブと妻との関係性では、

妻の方が強気。

パリでのパーティーでは、

ボブを平手打ちして自身の考えを

納得させるシーンがある。実際、

本作のプロデュースには

妻のリタに、2人の子供たち、

ジギー・マーリーと

セテラ・マーリーが参加している。

1978年。

そんな子供たちとの再会シーン

を含む、祖国への凱旋シーンと

コンサート・シーンは感動的だ。


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