「モルエラニの霧の中」⇒今年のマイ・ナンバーワン級
北海道地方ロケ映画の最高傑作だ
今年のナンバーワン級映画の
登場だ(今のところですが…)
2月6日の金曜日より、岩波ホールほか、全国順次のロードショー。
本作は、2020年製作の、カラー&モノクロによる、日本映画214分。
文=映画分析評論家・宮城正樹
Ⓒ室蘭映画製作応援団2020
5年の製作期間を経て、
昨年公開されることに
なっていたんだけど、
コロナ禍の非常事態宣言下で、
今年に公開が延びていた作品。
芸術映画の殿堂として栄えある、
リフォーム新生・岩波ホールでの
上映となる。それだけに、
地方ロケ映画ながら、
アート映画としての粋を
取り込んだ傑作となった。
本作は、北海道・
室蘭の地方ロケ映画である。
北海道ロケの日本映画については、
これまでに多数あり、
北海道新聞社が1冊にまとめた、
ガイド本もあるし、
「幸福の黄色いハンカチ」
(1977年製作)など、
名作の宝庫なのだが、
21世紀にもさらなる
名作が作られ続けている。
函館でロケした、「海炭市叙景」
(2010年)「そこのみにて光輝く」
(2014年)「オーバーフェンス」
(2016年)の、
作家・佐藤泰志原作の3作が、
圧倒的な傑作として公開されたが、
本作は映画の仕上がり具合としては、
それらの諸作と甲乙付けがたい
快作となっている。
とゆうか、ボク的には、
北海道ロケ映画の最高傑作であり、
まだ今年は始まったばかりだけど、
マイ評価はもちろん、
今年のナンバーワン級映画の
登場となったのではないかと
思えるくらいの作品だ。
無論、昨年公開されていたなら、
ベストスリーには間違いなく
入っていたであろう。
7話オムニバスである。しかし、
7話を単に披露するだけじゃない。
計算されたオムニバスであり、
最後には、見事なしみじみとした
感動を伝える映画だ。
モノクロ・シーンがかなり、
取り込まれてはいるものの、
モノクロとカラーの
織り成す妙味とゆうか、
後半にはずっと続くモノクロが、
妙に映えているような映画だった。
第1話の「冬の章」で登場する、
男の子のお母さん役の大塚寧々。
第2話で主演で登場する
街の写真館店主役の故・大杉漣。
ボクはどちらも、大好きな
役者さんだった。その2人の
自然体と言っていいのかどうか、
いつもながらの演技に、
まずは魅せられた。
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