「ミス・フランスになりたい!」
ジェンダー映画の
画期的な1作
ユーロ映画らしいユーモアも
2月26日の金曜日から、彩プロの配給により、シネスイッチ銀座ほか、全国順次のロードショー。
本作は、2020年製作の、フランス映画107分。
文=映画分析研究所 所長 宮城正樹
Ⓒ2020 ZAZI FILMS - CHAPKA FILMS - FRANCE 2 CINEMA - MARVELOUS PRODUCTIONS
ゲイやドラッグクイーンや
性同一性障害や
ジェンダー映画など、
その種の映画は
1ジャンルと思えるくらい、
かなりのタイトル数が
これまでに輩出されている。
「ボーイズ・ドント・クライ」
(1999年製作・アメリカ映画)
のように、それによって
虐待される悩み深いものから、
同時期に製作された
「オール・アバウト・マイ・マザー」
(1999年・スペイン)のように、
ジェンダーな母を探してな、
芸術的に昇華する映画もある。
そんな中で本作は、
「Mr.レディ Mr.マダム」
(1978年・フランス&イタリア)
のように、コミカルで飄々と
安心して、見られるような
ジェンダー映画となった。
軽みのカルチャーだと言えるけど、
その種の映画をあまり重々しい
感じで見たくない人には、
ピッタリフィットな映画になった。
何しろ誰にでも分かりやすくて
普遍的な、夢を追いかけることの
素晴らしさを伝える映画なのだから。
ジェンダーものとは違うけど、
男の子がバレエを目指す
「リトル・ダンサー」
(2000年・イギリス)にも似た、
キャラ的に応援したく好感を
覚えるような作りになった映画だ。
主人公の男の子が、
ミスコンで優勝したい、
なんてゆう将来の夢を話す
シーンからこの映画は始まる。
一方で主人公は
ボクサーになるための
練習もしていた。同じくボクサーとして
有名になった同期の男とのやり取り。
ボクサーとミス・フランスとゆう、
極端だけど、この段差によって、
物語はすごく弾む感じに
なってゆくのだ。そして、
女として挑んだ
ミス・ユニバース・フランスの
地区大会・前哨戦で1位となり、
最終選考の権利を得た主人公。
ジェンダーを明かさないけど、
女性としてのプライドを
随所で示すシーンが胸にクル。
そして、ミスコン決勝大会に
堂々進出した主人公は…。
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