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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2021年2月27日 (土)

「街の上で」⇒今泉力哉監督の新作

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彼女と別れた男が
 
ヨリを戻すまでの
 
フツーのお話だけど
 
年間ベストテン級の作品だ
 
 
「第16回大阪アジアン映画祭」(3月5日~3月14日)で上映(3月13日午後1時/ABCホール)後、4月9日の金曜日から、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほか、全国順次のロードショー。

本作は、2019年製作の日本映画130分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ「街の上で」フィルムパートナーズ

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彼女(穂志もえか)と

別れた主人公(若葉竜也)が、

3人の女たち

(古川琴音・萩原みのり・中田青渚)と、

会話だけの関係ながら、

濃厚接触をしてのちに、

彼女とヨリを戻すまでのお話。

女遍歴な主人公の話ではなく、

女に淡白な主人公が、

下北沢を背景に、

日々の暮らしを営んでゆく。

主人公の性格に合わせて、

まさに淡々と、

長回し撮影を多投して

スローリーなユルユル展開で

物語は進む。

下北沢ロケ映画は

ケッコーあるけど、

例えば、故市川準監督が撮った

群像劇「ざわざわ下北沢」

(2000年製作)のノリと、

何となく似ているかもしれない。

そこが下北沢らしい

人のあったかさなのだろうか。

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とはいえ、主人公を含めて、

個性的な女たちが登場する。

古書店に勤める古川琴音は

ナイーブながらクセのある役だし、

学生映画監督役の萩原みのりは

ちょっと今どき風にトンがってるし、

中田青渚は関西弁のおっとりながら

なんや知らんムムムとくるし、

穂志もえかは、悩んでいるようで

そんなに深くは悩んでないキャラで、

主人公の若葉竜也は、

流れのままにホワーンと漂流中。

今泉力哉監督の

アドリブっぽい演出ぶりは、

登場人物たちがキレず熱くならずに、

女からの一方的片思いを描いた

「愛がなんだ」(2019年・弊ブログ分析済み)

を踏襲しているようだ。

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さらりとした恋愛群像劇

「サッドティー」

(2011年・弊ブログ分析済み)も良かったけど、

特殊な恋愛系の「愛がなんだ」もいいし、

本作のような、なんやかんやあって、

結局元のサヤに収まる

タイプの恋愛映画も、

映画的に粋なんやあーりませんか!

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そんな中で、「愛がなんだ」の

クセ者演技派俳優、成田凌が、

サプライズに関わる

演技を披露している。

今泉監督の最高傑作だった

「愛がなんだ」を、

本作は超えたと、

私見では言いたい。

いろいろ意見はあるだろうけど、

本作には、優しさとかゆとりや

和みがあった点において、

今の時代に見るに、

ふさわしい作品だと見た。
 
そして、今年のベストテン級の

作品だ。

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