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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2021年1月26日 (火)

パレスチナ映画「天国にちがいない」

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サイレント映画のオマージュある
 
映画監督役主人公の試行錯誤
 
 
1月19日より、アルバトロス・フィルムとクロックワークスの配給により、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか、全国順次のロードショー。

本作は2019年製作の、フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ合作の、
本編102分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019 RECTANGLE PRODUCTIONS-PALLAS FILM-POSSIBLES MEDIA II-ZEYNO FILM-ZDF-TURKISH RADIO TELEVISION CORPORATION

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パレスチナ系イスラエル人の

映画監督、

エリア・スレイマン監督の、

10年ぶりの新作。

自ら映画監督役となり、

自身の企画を売り込んでゆくが、

うまくはいかない、映画監督の

苦悩ぶりを描く映画。

メイキングを含む、

映画監督・主人公の話といえば、

ボク的には、

イの一番に思い出すのは、

フェデリコ・フェリーニ監督の

「8/1/2」(はっかにぶんのいち・

1963年・イタリア)だが、

本作は、それに近いニュアンスを

持った作品となった。

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製作中の現場での悩みではない。

企画段階で、自らが映画化を目指し、

パリやニューヨークへと赴き

売り込みをする。でもしか、

主人公・監督の設定は、

言葉なきプレゼンテーションを

する人なのだ。主人公を

セリフなしのサイレントにし、

何やら傍観者めいた作りに

するとなれば、間違いなく、

チャップリン作品ら、

サイレント映画への意識と、

さりげない主張があり、いわゆる

無声映画へのオマージュ

であると取れる。

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サイレント映画へと

オマージュした映画は数多い。

中でも、主人公をその設定にした

映画となれば、フランスの

ジャック・タチ監督が、

自ら主演し監督した、

1950年代の一連の作品が

思い出される。但し、本作の

監督主人公は、タチ監督ほど

行動的じゃなく、もっとずっと

傍観者の立場を堅持する。

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タチ監督のコミカルなタッチは、

それなりにあるものの、

もっとかなりクールイズムだ。

ニューヨーク編では、

ガエル・ガルシア・ベルナルが、

実名で登場し、

監督主人公とやり取りする。

いわゆる、ドキュ・タッチも

取り入れながら、物語は

進行していくのだ。

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映画監督の売り込みの実際を

見せながら、何やら哀愁ある

映画だとゆう印象があった。

アート映画のノリはあるけど、

あくまでサイレント映画への

オマージュ映画である点が

際立っていたように思う。

ディスコティークな

ダンサブルなナンバーから、

フィメール・ポップスまで、

サイレント映画にはなかった、

歌ものサントラの

使い方も印象的だった。
 
 

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