「43年後のアイ・ラヴ・ユー」
記憶喪失アルツハイマー系の
ラブストーリーだ
シニア映画ラブの代表的快作
1月15日のフライデーから、松竹の配給により、新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマほか、全国ロードショー。
本作は、2019年製作の、スペイン・アメリカ・フランス合作の本編89分。
文=映画分析評論家・宮城正樹
Ⓒ2019 CREATE ENTERTAINMENT, LAZONA, KAMEL FILMS, TORNADO FILMS AIE. FCOMME FILM. All rights reserved.
アルツハイマー系の映画は、
これまでに多数のタイトル数がある。
また、記憶喪失イコール
アルツハイマーとするならば、
こちらは「心の旅路」
(1942年製作・アメリカ・モノクロ)、
「かくも長き不在」
(1960年・フランス・モノクロ)
などの名作がある。また、
シニアがアルツ系の映画ならば、
パターン化するけどイロイロある。
しかし、シニア・アルツなのに、
ラブストーリーに特化する映画は、
さほどない。シニア映画で
恋愛ものはあるけれど、そこに
アルツを加えた映画は
稀少だと言える。
記者と女優の関係で、
若い頃に恋愛関係に落ちた男女。
ロサンゼルス郊外で
1人住む年老いた男は、
女が施設に入りアルツで
記憶をなくしたことを知り、
アルツを装って施設に入り、
彼女の記憶を取り戻そうとする。
いわゆる、記憶喪失系にある
ラブの在り方を、アルツに
持ち込んだタイプの映画である。
男には近くに住む友人に加え、
別居になるが娘夫妻に
孫娘もいるという設定。
自分1人でやるのではなく、
友人、孫娘らの協力を得て、
彼女への愛へと突き進むのだ。
主演はブルース・ダーン。
ボク的想い出としては、
何回も見た「帰郷」
(1978年・アメリカ)での、
ベトナム戦争のトラウマに悩み、
海へ泳ぎ出でて自殺する、
あのストイックな演技性が、
脳裏にこびりついているけど、
本作ではメッチャ丸くなって、
好々爺にして、でも、
一途に彼女を想う姿に、
グッとくる演技で魅せた。
年齢を重ねたシブミは、
クリント・イーストウッドとも
カブる演技ぶりだった。
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