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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2020年11月19日 (木)

フランス映画「家なき子 希望の歌声」

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コレがフランス発

本家本元の「家なき子」だ
 
旅芸人のロードムービー・スタイル
 
 
11月20日のフライデーから、東北新社 STAR CHANNEL MOVIESの配給により、シネ・リーブル梅田ほか、全国ロードショー。

本作は、2018年製作の、
フランス映画109分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2018 JERICO-TF1 DROITS AUDIOVISUELS-TF1 FILMS PRODUCTIONS-NEXUS FACTORY-UMEDIA

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「家なき子」といえば、

人によって、いろんな

イメージがあるかと思う。

同じタイトルなら、

高視聴率のテレビドラマ

でもあったし、アニメでもあった。

本作は、フランスの作家、

エクトール・アンリ・マロが、

1878年に発表した、

児童文学小説に基づいて描かれた、

いわゆる最もオリジナルに

近い作品である。

捨て子を育てた育ての親が、

生活が逼迫したために、

その少年を動物(サルとイヌ)使いの

旅芸人の男

(ダニエル・オートゥイユ)

に売ってしまう。これが序盤。

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そして、2人と2匹の

ロードムービーが始まるのだ。

本作の一番の見どころは、

着地部を除いて、ココにある。

旅芸人の話とゆうのは、

男女2人の「道」

(1954年製作・イタリア映画

・モノクロ)だったり、

4時間近くもえいえいと描かれる

「旅芸人の記録」(1975年・

ギリシャ)だったりがある。

どちらもヨーロッパの話だけど、

ユーロには旅芸人が古来より、

定着している風潮があるのだろうか。

というか、本作の原作などによって、

作られた下地があるのかもしれない。

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犬の芸とかをまず見せるけど、

元有能なバイオリニストだった

旅芸人は、少年の歌を

聴かせることを、芸のメインに

しようとしていた。

少年と旅芸人のやりとりや

練習が行われ、

深く紡がれる2人のキズナ部こそが、

本作のデッカイキモである。

少年役のマロム・パキンもいいけど、

ダニエル・オートゥイユが、

渋くてコクの深い、

滋味演技を見せてくれている。

そういえば、彼が

カンヌ国際映画祭で

主演男優賞を受賞した「八日目」

(1996年・ベルギー&フランス)も、

ロードムービー・

スタイルの映画であった。

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ほかには、子供たちに

自分の昔の話をする、

少年の壮年役をやった

ジャック・ペランだったり、

育ての母役の優しい

リュディヴィーヌ・サニエなど、

名優たちが、琴線に触れる

サポート演技を見せている。

最後の方では、

少年の実の両親が見つかるのだが、

それも、いろんな思惑があって、

一筋縄ではいかない、

ようになっている。

ホンマの「家なき子」とは何だ。

「同情するなら金をくれ」

を名言にした、

あの「家なき子」以上の、

感動がある本家本元であった。
 

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