フランス映画「家なき子 希望の歌声」
コレがフランス発
本家本元の「家なき子」だ
旅芸人のロードムービー・スタイル
11月20日のフライデーから、東北新社 STAR CHANNEL MOVIESの配給により、シネ・リーブル梅田ほか、全国ロードショー。
本作は、2018年製作の、フランス映画109分。
文=映画分析評論家・宮城正樹
Ⓒ2018 JERICO-TF1 DROITS AUDIOVISUELS-TF1 FILMS PRODUCTIONS-NEXUS FACTORY-UMEDIA
「家なき子」といえば、
人によって、いろんな
イメージがあるかと思う。
同じタイトルなら、
高視聴率のテレビドラマ
でもあったし、アニメでもあった。
本作は、フランスの作家、
エクトール・アンリ・マロが、
1878年に発表した、
児童文学小説に基づいて描かれた、
いわゆる最もオリジナルに
近い作品である。
捨て子を育てた育ての親が、
生活が逼迫したために、
その少年を動物(サルとイヌ)使いの
旅芸人の男
(ダニエル・オートゥイユ)
に売ってしまう。これが序盤。
そして、2人と2匹の
ロードムービーが始まるのだ。
本作の一番の見どころは、
着地部を除いて、ココにある。
旅芸人の話とゆうのは、
男女2人の「道」
(1954年製作・イタリア映画
・モノクロ)だったり、
4時間近くもえいえいと描かれる
「旅芸人の記録」(1975年・
ギリシャ)だったりがある。
どちらもヨーロッパの話だけど、
ユーロには旅芸人が古来より、
定着している風潮があるのだろうか。
というか、本作の原作などによって、
作られた下地があるのかもしれない。
犬の芸とかをまず見せるけど、
元有能なバイオリニストだった
旅芸人は、少年の歌を
聴かせることを、芸のメインに
しようとしていた。
少年と旅芸人のやりとりや
練習が行われ、
深く紡がれる2人のキズナ部こそが、
本作のデッカイキモである。
少年役のマロム・パキンもいいけど、
ダニエル・オートゥイユが、
渋くてコクの深い、
滋味演技を見せてくれている。
そういえば、彼が
カンヌ国際映画祭で
主演男優賞を受賞した「八日目」
(1996年・ベルギー&フランス)も、
ロードムービー・
スタイルの映画であった。
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