「滑走路」
21世紀の今しか描けない
ラブストーリーだ
水川あさみの
最高傑作が誕生した
11月20日の金曜日から、KADOKAWAの配給により、ロードショー。
文=映画分析研究所 所長 宮城正樹
Ⓒ2020「滑走路」製作委員会
個人的なところから始めます。
水川あさみ。
今までどんな映画に出てたかなあ、
なんてふと思うくらい、
ボク的には、代表傑作が
見当たらない女優だった。
でも、本作で突き抜けた。
見る人によっては、
そんなにスゴイかなあと、
思う演技かもしれない。
自然体の演技性がいいと
言われる風潮の中で、
まさにそんな自然体なんだけど、
その自然体の中に、
ドラマに合わせた、
ビミョーさを表現するのは、
ひと筋縄ではないと思う。
そこんところを彼女は、
観客に気づかれないような感じで
演技してみせた。
ひょっとして本人も、
気づいてないかもしれないけど、
いや、何はともあれ
スゴイことはスゴイんだよな~、
コレが。じっくり見て、
そのあたりをぜひ
感得してもらいたい。
映画は時代を行き来する、
3つの話が展開する。
過去の高校生たちのエピソード。
現代の水川あさみの
仕事ぶりと夫との暮らしぶり。
人をリストラする
働き方改革やらで悩む
厚労省の役人(浅香航大)。
過去と現在を
くっきり分けたような、
カットバックではない撮り方。
3話は現在進行形の3話のように、
交互に描かれる。
こおゆう描き方はかつてない。
つまり、現在と過去は、
同時代性の中でつながり、
登場人物たちのココロに、
突き刺さっているとゆうことだ。
当然高校時代の3人が、
21世紀の今において、
どう撮られ
どう描かれているかだが、
その3人の1人は今は死んでいて、
大人になって生きているのは、
死んだ男子学生に当時
恋ゴコロを抱いていた水川あさみ。
死んだ生徒と同じく、
いじめに遭ってた浅香航大。
そんなビミョーにズレてる
人たちのドラマが、最終的には、
変型かもしれないけど
ラブストーリー・ドラマとして、
でもってヒューマン・ドラマ
としても立ち上がり、
みんなに感動を与える
仕上がりになっているのだ。
« フランス映画「家なき子 希望の歌声」 | トップページ | 「フード・ラック!食運」⇒日曜邦画劇場 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 「花束みたいな恋をした」有村架純・菅田将暉共演(2021.01.21)
- 実録映画「陶王子 2万年の旅」(2021.01.20)
- 「越年 Lovers」⇒台湾・日本合作(2021.01.14)
- 「43年後のアイ・ラヴ・ユー」(2021.01.13)
- 「パリの調香師 しあわせの香りを探して」(2021.01.12)
コメント