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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2020年11月19日 (木)

「滑走路」

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21世紀の今しか描けない

ラブストーリーだ
 
水川あさみの

最高傑作が誕生した
 
 
11月20日の金曜日から、KADOKAWAの配給により、ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2020「滑走路」製作委員会

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個人的なところから始めます。

水川あさみ。

今までどんな映画に出てたかなあ、

なんてふと思うくらい、

ボク的には、代表傑作が

見当たらない女優だった。

でも、本作で突き抜けた。

見る人によっては、

そんなにスゴイかなあと、

思う演技かもしれない。

自然体の演技性がいいと

言われる風潮の中で、

まさにそんな自然体なんだけど、

その自然体の中に、

ドラマに合わせた、

ビミョーさを表現するのは、

ひと筋縄ではないと思う。

そこんところを彼女は、

観客に気づかれないような感じで

演技してみせた。

ひょっとして本人も、

気づいてないかもしれないけど、

いや、何はともあれ

スゴイことはスゴイんだよな~、

コレが。じっくり見て、

そのあたりをぜひ

感得してもらいたい。

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映画は時代を行き来する、

3つの話が展開する。

過去の高校生たちのエピソード。

現代の水川あさみの

仕事ぶりと夫との暮らしぶり。

人をリストラする

働き方改革やらで悩む

厚労省の役人(浅香航大)。

過去と現在を

くっきり分けたような、

カットバックではない撮り方。

3話は現在進行形の3話のように、

交互に描かれる。

こおゆう描き方はかつてない。

つまり、現在と過去は、

同時代性の中でつながり、

登場人物たちのココロに、

突き刺さっているとゆうことだ。

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当然高校時代の3人が、

21世紀の今において、

どう撮られ

どう描かれているかだが、

その3人の1人は今は死んでいて、

大人になって生きているのは、

死んだ男子学生に当時

恋ゴコロを抱いていた水川あさみ。

死んだ生徒と同じく、

いじめに遭ってた浅香航大。

そんなビミョーにズレてる

人たちのドラマが、最終的には、

変型かもしれないけど

ラブストーリー・ドラマとして、

でもってヒューマン・ドラマ

としても立ち上がり、

みんなに感動を与える

仕上がりになっているのだ。

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ボク的には

いじめにまつわる話で、

いじめにセンチメンタリズムが、

駆使されたような映画は、

今まで見たことがないし、

フツーのように見える

水川あさみと、

浅香航大の悩み深き

演技の対比性も、

ドラマの奥行きを深くしていた。

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過去の淡いラブが

現代の水川あさみの姿に

つながる結末部には、

膝を叩いて唸った。

歌集原作・新人監督、

そんなことは関係なく、

今年を代表する、

ベストテン級映画の登場だ。
 

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