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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2020年11月の記事

2020年11月26日 (木)

「アーニャは、きっと来る ユダヤ人を救った少年の物語」

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「シンドラーのリスト」の

シンドラーだけじゃないぞ

ユダヤ人迫害に抵抗した

少年の物語だ

11月27日のフライデーから、ショウゲートの配給により、新宿ピカデリーほか、全国ロードショー。

本作は、2019年製作の、イギリス&ベルギー合作の本編109分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸGoldfinch Family Films Limited 2019

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第二次世界大戦の、

ナチスによるユダヤ人迫害もの

映画の最新版だ。

その種の映画はこれまでに

多数のタイトル数がある。

第二次大戦の戦争映画と

同じくらいに多いのだが、

そのほとんどが

悲惨な結末を迎えている。

中でも

「ライフ・イズ・ビューティフル」

(1998年製作・イタリア映画)

などは、涙なしでは

見られない映画であった。

救いは本当にあるのか。

過去の話なのに、

思わず思ってしまう。

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でも、救いはあったんだよ。

迫害されるユダヤ人たちを、

密かに助ける映画としては、

スピルバーグの実話ベースの

「シンドラーのリスト」

(1993年・アメリカ)が、

あまりにも有名だが、

本作もまた、

そんな数少ない救いのある、

感動的な映画になった。

実話じゃない。けれど、

意味なく迫害され

いじめられる弱い人たちを、

守ってあげるとゆう、

正義のヒロイズムは、

今も昔も変わらない共感を呼ぶ。

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本作は、ナチのフランス統治下の、

ユダヤ人迫害を取り上げている。

その種の映画も

何作かボクは見たし、

弊ブログでも取り上げた。但し、

本作の違いは、

パリを中心としたフランス北部が、

ナチに完全占領された中で、

まだゆるかった南仏

ピレネーの山合いの場合を、

描いている点である。

ナチにとっては、いわゆる

重大エリアではなかったのだ。

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事件といえば、

クマの出現にクマを撃つくらいで、

牧羊やらでゆったりとした

生活空間と時間が流れている。

そこへ、ユダヤ人の

コドモたちが逃げてきて、

ゴリゴリというよりは

チョイゆるめのナチがやって来て、

それなりに支配しようとするわけ。

そして、コドモたちと

仲良くなった主人公の少年が、

何とか彼らを救おうとするのだ。

少年の祖父役のジャン・レノ。

コドモたちをかくまう、

祖父の友人役の

アンジェリカ・ヒューストン。

この2人のベテラン俳優が、

ホンマ、エエ感じの

ヒロイズムを示してくれている。

メッチャ好感度合い高いですわ。

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「アーニャ」が来るのを待って、

みんなはスイスへ逃亡しようと

していたんだけど、しかし、

アーニャはなかなか来ない。

アーニャはホンマに来るのか。

実は、そこんとこが、

本作の感動のキモになっています。

ちょっと変わった描き方だけど、

そこに妙味と深い

余韻のあった作品だった。
 

2020年11月25日 (水)

「STAND BY MEドラえもん2」

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タイムトラベル・

シリーズの第2弾
 
のび太の過去と

未来にフォーカス
 
 
11月20日から全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2020「STAND BY MEドラえもん2」製作委員会

「ドラえもん」の映評や

レヴューなんて、みんな、

読んだことがあるかい?

ボクはないね。とゆうか、

映画評論が

なされないんだよな、コレが。

考えてもみてよ。日本のアニメ・

プログラム・ピクチャーでも、

長寿シリーズなんだけど、

そもそもコドモ向きが定着してて、

そういう作品のシリーズ新作を

評論する場合、

やはりウウーンと足踏みし、

躊躇することに

なってまうんだよな、コレが。

でも、本作は正統の

シリーズとは違う、

「ドラえもん」だ。

壮大な宇宙ものも含めて、

SF系のタイムトラベルものも

確かに、シリーズの中にはあった。

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だが本作で2作目となる、

この「ドラえもん」ものは、

タイムトラベルをポイントに、

のび太の過去と未来に

フォーカスする作り。

「スターウォーズ」のような

遡り系もあるけど、

未来もあるとゆう、

大げさかもしれないけど、

ドラえもん版

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

なのだ。しかも、

主役のドラえもんではなく、

脇役ののび太にこだわった点が

ユニークだ。コドモたちが

感情移入するには、

ドラえもんじゃなく人間なので、

非常に入りやすい

とゆうことだろう。

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人間性いわゆる

ヒューマニズムだけじゃなく、

愛や友情などキズナ部に、

深く入り込んだ作品だけに、

映画的にも感動がある

作りになっている。

のび太と死んだ

おばあちゃんとのキズナが、

第2弾の大きなポイントであり、

第1弾のしずかちゃんとの愛に続き、

コドモだけじゃなく、

大人にも響く仕上がりだ。

「ALWAYS三丁目の夕日」

(2005年製作)の

山崎貴監督作品だけに、

過去の時代を描く才は絶品。

アニメでも同じだ。

おばあちゃんの声を宮本信子が、

大人ののび太の声を

妻夫木聡が担当し、

声でいつもながらの演技を響かせる。

菅田将暉が歌う主題歌「虹」も、

アニメアニメソングしていず、

ポップで軽やかで良かった。
 

「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」

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「カポーティ」以上の衝撃が…

アメリカン・

セレブリティ文化の嚆矢
 
 
11月20日からテアトル梅田ほか、全国順次のロードショー。

本作は、2019年製作のアメリカ&イギリス合作の、ドキュメンタリー映画98分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019,Hatch House Media Ltd.

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トルーマン・カポーティ。

みんな、知ってるかな?

オードリー・ヘプバーン主演の

「ティファニーで朝食を」(1961年製作・

アメリカ映画・弊ブログ分析済み)の

原作小説や、同じくテレビドラマ化・

映画化された「冷血」の

ノンフィクション・ノベルなど、

小説家として傑作を

発表したわけだけど、

ハリウッド映画界でも有名であった。

アカデミー賞作品賞に

ノミネートされた「カポーティ」では、

本人のことがクローズアップされた。

では、実際のカポーティとは一体、

どんな人間だったのか。

未公開のテープを基に、

彼の人間性を浮き彫りにした、

セレブ・ヒューマン・

ドキュメンタリー。

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養女や有名女優などの談話を

加えながら、自殺した母のことや、

ゴシップ通でゲイだったこと

などが語られ、そして、アメリカン・

セレブリティ文化を作った

とこが示される。1966年。

ニューヨークのプラザホテルで、

仮面を付けた仮装パーティー

「黒と白の舞踏会」主催が、

まずは衝撃を呼んだ。

それまでに、マリリン・モンローと

踊るモノクロ写真など、

彼がいかにセレブと、

交流していたかが描かれる。

実態が映画化もされた、

1970年代のNYの、

セレブ御用達のナイトクラブ

「スタジオ54」にも関わった。

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3章までしか発表されず、

完結しなかった遺作

「叶えられた祈り」(1075年)

の謎にも迫った。

テレビのトークショー番組での発言や、

「名探偵登場」(1976年・

アメリカ)に出演したり、

特異なキャラクターぶりが

随所で披露される。

しかし、晩年は…。

ラストロールでは、

ピアノ・ジャズ・ナンバーが

渋く流れる。

カポーティの一時期の事件を

抉った「カポーティ」も

強烈だったけど、その生涯を

初めて取り上げた本作ドキュは、

「カポーティ」以上の衝撃があった。

セレブの絶頂期と黄昏、

陽と陰をコントラストに描く、

興味深い作品だった。
 
 

2020年11月22日 (日)

「フード・ラック!食運」⇒日曜邦画劇場

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EXILE NAOTO&

土屋太鳳の食共演
 
おいしいお肉を食べて

ウレシー役ドクやん
 
 
11月20日の金曜日から、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2020 松竹

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食べログに対抗し、

隠れた焼き肉店ブログを、

作ろうと奮闘

努力する映画である。

食関連の映画とゆうのは、

食対決ものだったり、

食道を極めるものだったり、

食にまつわる

人間のキズナだったり、

ドキュでは

三ツ星ものだったりと、

イロイロだが、ここで、

日本映画でその種の映画の、

マイ・ベスト・ファイブを、

順不同で披露してみよう。

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①本作

②かもめ食堂(2005年製作)

③タンポポ(1985年)

④THE焼肉MOVIEプルコギ(2007年)

⑤洋菓子店コアンドル(2011年)

●ラーメンの③やケーキの⑤など、

食ジャンルによって違うが、

本作は焼肉だから、

④とはリンクするだろう。

④は食対決がメインにあったが、

本作は食する側からの

星ポイントが重要なので、

料理人側と食べる側との

違いはある。しかし、

食への熱意とゆう意味では、

同一ラインにある。

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いろんな焼き肉店に潜入するのは、

EXILEのNAOTOと土屋太鳳。

NAOTOは食通のライターで、

土屋太鳳は編集者。

NAOTOの絶妙な舌と、

太鳳のいつも通りのさわやかな、

フツーの一般人感が見事な

コンビネーションぶりを

見せてくれる。お互い、

いろんな焼き肉が食べれるとゆう

メッチャな役ドクもありで、

ホンマよろしおまんな~

ちゅうカンジなのだけど、

いずれにしても、焼肉が

食べたーいとなる映画

であることは間違いない。

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焼肉シーンの多さ、

肉を焼くシーンの

アップの多さには、

食べたい感をいや増す

のでありました。

お笑いトリオ

「ダチョウ倶楽部」の一員で、

食通の寺門ジモンが

本作を監督し、

焼肉への愛を込めた、

オリジナル・ストーリーだ。

その熱気がストレートに

伝わる作品となった。

NAOTOの母親役「りょう」との、

今につながるコドモ時代の

エピソードなど、

ベタだけど好感がある。

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ラストロールで流れる、

ケツメイシのキャッチーな

ヒップホップ「ヨクワラエ」も、

本作のさわやかで

楽しい作りに貢献していた。

お笑い系の監督だからといって、

コメディじゃない。

大マジのリアルな食映画である。

とゆうことで、ひと言で言ってしまおう。

コロナ禍をブッ飛ばす映画だ。
 

2020年11月19日 (木)

「滑走路」

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21世紀の今しか描けない

ラブストーリーだ
 
水川あさみの

最高傑作が誕生した
 
 
11月20日の金曜日から、KADOKAWAの配給により、ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2020「滑走路」製作委員会

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個人的なところから始めます。

水川あさみ。

今までどんな映画に出てたかなあ、

なんてふと思うくらい、

ボク的には、代表傑作が

見当たらない女優だった。

でも、本作で突き抜けた。

見る人によっては、

そんなにスゴイかなあと、

思う演技かもしれない。

自然体の演技性がいいと

言われる風潮の中で、

まさにそんな自然体なんだけど、

その自然体の中に、

ドラマに合わせた、

ビミョーさを表現するのは、

ひと筋縄ではないと思う。

そこんところを彼女は、

観客に気づかれないような感じで

演技してみせた。

ひょっとして本人も、

気づいてないかもしれないけど、

いや、何はともあれ

スゴイことはスゴイんだよな~、

コレが。じっくり見て、

そのあたりをぜひ

感得してもらいたい。

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映画は時代を行き来する、

3つの話が展開する。

過去の高校生たちのエピソード。

現代の水川あさみの

仕事ぶりと夫との暮らしぶり。

人をリストラする

働き方改革やらで悩む

厚労省の役人(浅香航大)。

過去と現在を

くっきり分けたような、

カットバックではない撮り方。

3話は現在進行形の3話のように、

交互に描かれる。

こおゆう描き方はかつてない。

つまり、現在と過去は、

同時代性の中でつながり、

登場人物たちのココロに、

突き刺さっているとゆうことだ。

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当然高校時代の3人が、

21世紀の今において、

どう撮られ

どう描かれているかだが、

その3人の1人は今は死んでいて、

大人になって生きているのは、

死んだ男子学生に当時

恋ゴコロを抱いていた水川あさみ。

死んだ生徒と同じく、

いじめに遭ってた浅香航大。

そんなビミョーにズレてる

人たちのドラマが、最終的には、

変型かもしれないけど

ラブストーリー・ドラマとして、

でもってヒューマン・ドラマ

としても立ち上がり、

みんなに感動を与える

仕上がりになっているのだ。

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ボク的には

いじめにまつわる話で、

いじめにセンチメンタリズムが、

駆使されたような映画は、

今まで見たことがないし、

フツーのように見える

水川あさみと、

浅香航大の悩み深き

演技の対比性も、

ドラマの奥行きを深くしていた。

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過去の淡いラブが

現代の水川あさみの姿に

つながる結末部には、

膝を叩いて唸った。

歌集原作・新人監督、

そんなことは関係なく、

今年を代表する、

ベストテン級映画の登場だ。
 

フランス映画「家なき子 希望の歌声」

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コレがフランス発

本家本元の「家なき子」だ
 
旅芸人のロードムービー・スタイル
 
 
11月20日のフライデーから、東北新社 STAR CHANNEL MOVIESの配給により、シネ・リーブル梅田ほか、全国ロードショー。

本作は、2018年製作の、
フランス映画109分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2018 JERICO-TF1 DROITS AUDIOVISUELS-TF1 FILMS PRODUCTIONS-NEXUS FACTORY-UMEDIA

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「家なき子」といえば、

人によって、いろんな

イメージがあるかと思う。

同じタイトルなら、

高視聴率のテレビドラマ

でもあったし、アニメでもあった。

本作は、フランスの作家、

エクトール・アンリ・マロが、

1878年に発表した、

児童文学小説に基づいて描かれた、

いわゆる最もオリジナルに

近い作品である。

捨て子を育てた育ての親が、

生活が逼迫したために、

その少年を動物(サルとイヌ)使いの

旅芸人の男

(ダニエル・オートゥイユ)

に売ってしまう。これが序盤。

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そして、2人と2匹の

ロードムービーが始まるのだ。

本作の一番の見どころは、

着地部を除いて、ココにある。

旅芸人の話とゆうのは、

男女2人の「道」

(1954年製作・イタリア映画

・モノクロ)だったり、

4時間近くもえいえいと描かれる

「旅芸人の記録」(1975年・

ギリシャ)だったりがある。

どちらもヨーロッパの話だけど、

ユーロには旅芸人が古来より、

定着している風潮があるのだろうか。

というか、本作の原作などによって、

作られた下地があるのかもしれない。

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犬の芸とかをまず見せるけど、

元有能なバイオリニストだった

旅芸人は、少年の歌を

聴かせることを、芸のメインに

しようとしていた。

少年と旅芸人のやりとりや

練習が行われ、

深く紡がれる2人のキズナ部こそが、

本作のデッカイキモである。

少年役のマロム・パキンもいいけど、

ダニエル・オートゥイユが、

渋くてコクの深い、

滋味演技を見せてくれている。

そういえば、彼が

カンヌ国際映画祭で

主演男優賞を受賞した「八日目」

(1996年・ベルギー&フランス)も、

ロードムービー・

スタイルの映画であった。

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ほかには、子供たちに

自分の昔の話をする、

少年の壮年役をやった

ジャック・ペランだったり、

育ての母役の優しい

リュディヴィーヌ・サニエなど、

名優たちが、琴線に触れる

サポート演技を見せている。

最後の方では、

少年の実の両親が見つかるのだが、

それも、いろんな思惑があって、

一筋縄ではいかない、

ようになっている。

ホンマの「家なき子」とは何だ。

「同情するなら金をくれ」

を名言にした、

あの「家なき子」以上の、

感動がある本家本元であった。
 

2020年11月17日 (火)

中国映画「THE CROSSING~香港と大陸をまたぐ少女~」

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中国の女性監督描く少女ヒロイン
 
香港と中国の

ビミョーな違いを見せる
 
 
11月20日のフライデーから、チームジョイの配給により、TOHOシネマズシャンテほか、全国順次の公開。

本作は、2018年製作の中国映画99分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸWanda Media Co., Ltd

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少女ヒロイン(ホアン・ヤオ)が、

小遣い稼ぎのために、

密売犯罪に関わる話。

犯罪とは無縁の青少年少女が、

犯罪に関わるとゆう話は、

これまでにいっぱいあり、

巧拙評価のイロイロがあるけど、

ポイントとしては、

犯罪に関わった

ヒロイン・主人公の、

人間ドラマ性がいかに描かれ、

いかに人々の共鳴や反感を呼ぶかに、

かかっているかとボクは思う。

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ヒロインの両親は離婚して、

香港の父と中国の母とに分かれ、

彼女は母のとこから

香港の高校に通っている。

そんなヒロインが、

友達の彼氏が関わる、

スマホ密輸をバイト感覚で

やり始めるとゆうのが、

冒頭の流れだが、

ヒロインが犯罪に関わる

イントロとしては、

スムーズでゆったりとした、

フツーのものになっている。

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まさにフツーの流れで、

逼迫感があまりないのだ。

麻薬とかではなく、

スマホの密輸とゆうのも、

21世紀的ではあるものの、

そんなに犯罪めいて

いるかなと思うけど、しかし、

映画そのものは、

犯罪集団のリーダー的

おばはんをはじめ、いかにも

犯罪者らしいメンツを揃えた。

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一方で、ヒロインは

友人の彼氏と親交を深め、

友人との間にも亀裂が生じる。

いわゆる、ラブストーリーな

三角関係構図だが、

香港の夜景を、山の手の方から、

ヒロインと彼氏が眺めるシーンなど、

ある種ロマンティックな

シーンもあり、犯罪ドラマに

一種の癒やしを付加している。

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犯罪の描き方は、

チョイゆるいけど、

ヒロインの演技具合が、

全くの自然体で、

これが感情移入度合いを、

高める効果をもたらしている。

女性監督バイ・シュエの

演出のうまさだろう。

無表情を中心とした

ヒロインの挙動が、

巻き込まれ型犯罪の

緊張感を緩和させて、いかにもな

あり得る感を撮り上げた。

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現代の香港と中国を行き来して、

2界の違いをそれとなく、

浮き彫りにしてゆく。いわば、

香港映画と中国映画の、

ビミョーな違いを、

映画の中で示しているような、

そんな映画だった。

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中国では稀少な女性監督が描く、

中国映画のニューウェイブ

だと言えるだろう。

新機軸のヒロイン映画を

お楽しみください。
 

2020年11月12日 (木)

家族映画の問題作「さくら」

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悲劇後の家族ドラマの問題作
 
1匹の犬が家族をつなぐ
 
 
11月13日の金曜日から、松竹の配給で全国ロードショー。

本作は、2020年製作の日本映画119分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ西加奈子/小学館Ⓒ2020「さくら」製作委員会

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良質の家族映画の宝庫・

松竹からの家族ドラマ映画。

かつてあったテレビドラマの

「5人と1匹」的家族の話なんだけど、

家族の1人が死んでしまったとゆう、

悲劇的設定のドラマである。

松竹系の家族ドラマには、

時にキズナではなく、

亀裂をポイントにして、

それを乗り越える感動に、

シフトしていく映画もある。

小津安二郎監督の、

日本映画史に残る傑作

「東京物語」(1953年製作)さえも、

老夫婦はコドモたちの間をさまよう。

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父母(永瀬正敏・寺島しのぶ)と

コドモたち(長兄=吉沢亮・

次男=北村匠海、末妹=小松菜奈)。

そして、ペット犬のサクラ。

家を出てる大学生の次男の、

ナレーションにより

物語は進行する。

父が2年ぶりに家に帰って来る。

「父帰る」のノリじゃないよ。

父はなんで家出したのか。

次男も帰り、久々に家族団らん

らしきシーンが紡がれるが、

そこには長男の姿はない。

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長男の死が

どんなものだったのかは、

徐々に明らかになっていくが、

それによって、家族みんなが

ビミョーに変わっていったわけだが、

本作の素晴らしさは、

それらの変わり様を、

ストレートには描かずに、

演技者の緻密な演技性で

演出・表現している点だ。

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北村匠海は主人公の位置づけで、

最も冷静な視線で

家族を見つめている。

死んだ兄と妹を

見る視線は印象深い。

兄役・吉沢亮の

ココロ壊れゆく心理演技、

そして、妹役小松菜奈の、

兄・吉沢を思う想いを、

屈折ぎみを入れつつ

絶妙に演技したりと、

3人の兄妹たちの演技・

あるいは矢崎仁司監督の演出が、

見事に渋く

光りまくる作品であった。

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もちろん、

「と1匹」の犬のサクラ。

この犬が、家族みんなを癒やし、

ある意味ドラマの狂言回しになり、

ドラマの行方を握る

大きなポイントになる。

「ハチ公物語」(1987年)など、

ペットが主人公になる映画は

いっぱいあるけど、本作は、

家族ドラマの中で

犬が機能するとゆう、

これまでにない

画期的なところを示していた。

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家族の誰かが死ぬ、

アカデミー賞作品賞受賞作の

家族ドラマ「普通の人々」

(1980年・アメリカ)、

「アメリカン・ビューティー」

(1999年・アメリカ)、

昨年の韓国映画「パラサイト」

(2019年)まで、

名作イロイロだけど、

本作もそんなドラマ映画の

系譜に入れたい傑作だった。
 

音楽スタジオドキュ「音響ハウス Melody-Go-Round」

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スタジオ・レコーディング

音楽ドキュメンタリー
 
一体誰が歌うのか

ギリギリまで明かされない
 
 
11月14日の土曜日から、渋谷ユーロスペースほか、11月20日からシネ・リーブル梅田など、全国順次のロードショー。

本作は2019年製作の日本映画99分。

文=映画・音楽分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019 株式会社 音響ハウス

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レコーディング・スタジオ

「音響ハウス」を、

取り上げた音楽ドキュメンタリー。

一方で、そのスタジオで

レコーディングされる

楽曲の工程を、各担当者の話を

織り交ぜながら展開する。

さらに、かつてレコーディングした

アーティストの談話も

随時挿入するとゆう、

ライヴやアーティストに、

アプローチする

音楽ドキュメンタリーが、

多数を占める中でも、

かつてない作りとテーマの

音楽ドキュになっている。

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このスタジオでレコした、

有名アーティストの、

スタジオへの称賛の言葉が

述べられる。

坂本龍一、

その嫁さん矢野顕子、

「奇跡がいっぱい」と語る、

松任谷正隆・松任谷由実夫妻、

佐野元春、綾戸智恵などが語る。

また、ここで録音した

彼らの代表曲を流しながら、

レコーディング秘話も披露される。

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映画の冒頭シーンを流す、

坂本龍一の

「戦場のメリークリスマス」

のメイン・テーマやら、

大手化粧品会社のCMになった、

坂本龍一・忌野清志郎の

「い・け・な・いルージュマジック」とか、

ユーミンこと松任谷由実の

「埠頭を渡る風」とかが

ドキュに映える。個人的には、

コドモ(坂本美雨)を連れての

矢野顕子のレコーディング

・エピソードなんか、

ほのぼのとした話も披露される。

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さて、冒頭からオケ作りの

実際が映される。

高橋幸宏のドラム、

佐橋佳幸のギターらの

音合わせ・調整があり、

その後、トランペット・サックスなど

東京スカパラダイスオーケストラ

のメンバーや、

バイオリンを奏する

葉加瀬太郎などが、

ブースに登場。

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さらに、歌の作詞を担当する、

大貫妙子が登場して、

録音曲が歌ものであることが分かる。

でもって、一体誰が歌うのか。

大貫妙子パートになって

遂に判明するのだ。

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歌うのは、

13歳の女性シンガーHANAだ。

「HANA with 銀音堂」

とゆうアーティスト名で、

「Melody-Go-Round」

とゆうこの曲は、

本作の主題歌である。そして、

完成したその歌が、

最後の最後にキャッチーに、

感動的に流れるのだ。

スタジオ・ドキュにふさわしい

ドラマティックな着地だった。
 

2020年11月11日 (水)

韓国映画「詩人の恋」

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三角関係ドラマの新たなカタチ
 
夫妻の間に青年が絡む
 
 
11月13日のフライデーから、新宿武蔵野館、シネマート心斎橋、京都シネマほかで、全国順次のロードショー。

本作は2017年製作の韓国映画110分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2017 CJ CGV Co, Ltd., JIN PICTURES, MIIN PICTURES All Rights Reserved
 

ヤン・イクチュン主演映画。

評論家受けの高かった、

韓国のインディーズ映画

「息もできない」(2009年製作・

韓国映画・弊ブログ分析済み)

を監督・主演。

ワイルド感ある演技に

魅せられたが、その後も、

菅田将暉と共演した

「ああ、荒野」(2017年・日本)

でも、荒々しさを披露。

だが、本作では、

真逆とも取れる

ナイーブな詩人役を披露。

しかも、初めての

恋愛映画(!?)への出演だ。

本来なら、とっておきの

美人女優との共演を、

したかったところだろうけど、

なななんと…。

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三角関係ドラマである。

舞台が済州島ということで、

あれあれ「冬のソナタ」と

おんなじやんと思ってまうんやけど、

マットーな恋愛を期待すると、

大きく裏切られる。最初は

コドモを授かれない夫妻

(ヤン・イクチュン、チョン・ヘジン)の、

子作りドラマのような体裁だが、

夫がドーナツ店の青年

(チョン・ガラム)を詩作りの、

観察対象にしたところから、

話は違う方向へと進み出す。

つまり、夫は青年に

恋しちゃったわけなんだけど、

でも、それは徐々に

分かってゆく流れになっている。

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ゲイ・ドラマはこれまでにも、

ケッコーあるけど、

本作のように、

もどかしさだったり、

愛してるかどうか、

分からないような設定は珍しい。

とゆうのは、夫役主人公イクチュンは

結婚していて、コドモが欲しい

とゆう妻がいるからだろう。

結局は三角関係ドラマ

というカタチなんだけど、

泥沼とかにはならない。

いたって平穏にして

静かな展開なのだ。

イクチュンの愛を知った青年が、

金を請求したりするくらいで、

また、ケンカもあるけど、

イクチュンのストイックな

演技が渋く光っている。

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イクチュンが書いたり

読んだりする自らの詩は、

イメージチックに描かれたりして、

ハッとさせる映像があったりする。

アップとロングショットの

バランス感も、素晴らしく、

ラストの方で、主人公が涙を流す、

アップとロングショットは

ココロに残るカットになった。

アカデミー賞作品賞にまで届いた

メジャー系だけじゃない。

韓国インディーズ映画界の雄として、

キム・ギドク監督と共に、

ヤン・イクチュンに、

ボクは今後も熱視線を送りたい。
 

2020年11月10日 (火)

「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」

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演劇メイキング映画の

画期的な1作だ
 
「天井桟敷の人々」への

オマージュもあり
 
 
11月13日のフライデーから、キノフィルムズと東京テアトルの配給により、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、テアトル梅田ほか、全国順次のロードショー。

本作は2018年製作のフランス映画112分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸLEGENDE FILMS-EZRA-GAUMONT-FRANCE 2 CINEMA-NEXUS FACTORY-UMEDIA, ROSEMONDE FILMS-C2M PRODUCTIONS

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本作は、演劇関連の映画である。

ブロードウェイなどの演劇、

そのものの映画化を除き、

メイキングを含む、

演劇を映画内に入れて、

映画的にドラマを展開する映画の、

マイ・ベスト・ファイブを、

順位通りに、独断と偏見覚悟で

披露してみよう。

①天井桟敷の人々(1945年製作・フランス)

②ブロードウェイと銃弾(1994年・アメリカ)

③オール・ザット・ジャズ(1979年・アメリカ)

④本作

⑤ライムライト(1952年・アメリカ)

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●①と⑤などラブストーリーと

演劇を絡めた作品や、

②や「ブラックスワン」

(2011年・アメリカ)など、

サスペンスなハラドキを

加えた作品ほか、

エンタとしても

メッチャ面白いが、

③や本作みたいに、

演劇メイキング映画に

アプローチした作品も、

映画メイキング映画と同様の

見ごたえがある。特に本作は、

演劇の名作のメイキングを、

完全無敵なくらいに

主軸に据えており、

メイキング映画の雛型とも

取れる作品になっている。

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フランス演劇の名作

「シラノ・ド・ベルジュラック」が、

いかにして作られ

大好評の初演を行なったかを、

1895年年末から、

初演が公演された、

1897年12月27日の、

2年間を追った作り。

時間軸通りに話は進むが、

これがなかなか見ごたえ充分。

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不評の詩劇で悩ましい

新人クラスの劇作家主人公のとこへ、

斬新な劇を作ってほしいと、

パリでセレブな役者から

依頼があり、主人公は

この作品作りに必死の思いで

取り組むのであった。

その過程で、女優への

アプローチで妻から疑われたりの、

ラブストーリー的

三角なとこもあるけど、あくまで、

作品作りの実際に傾注している。

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「天井桟敷の人々」的なラブも、

そこそこあっても

いいんじゃないかと思われる方も

いるかもしれないが、本作は

あくまで作品作りの、

イロイロが骨子となっている。

主人公の創作過程に感情移入すると、

最後の公演シーンが見事に映える。

まさに、メイキング映画の

王道的お手本的映画だ。

演劇作品をそのまま、

映画化した方が、

ええんとちゃうのん、

ちゅう人もいるだろう。確かに

「シラノ…」の映画化は

何度もされている。しかし、

映画的に演劇を見せるよりも、

その演劇の創作過程を

映画的に魅せる方が、

映画の巧拙は別にして、

映画作家的には

上手(うわて)だと思う。

賛否両論あるかもしれないけど、

ボクは本作は今年の洋画の

ベストテン級だと評価する。

みなさん、ぜひ

映画館でご確認ご鑑賞ください。
 

2020年11月 5日 (木)

「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来」

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「鬼滅の刃」的

中国産ヒロイズム・アニメだ
 
主人公は猫少女と共に

正義の道をゆく
 
 
11月7日の金曜日から、アニプレックスとチームジョイの配給により、全国ロードショー。

本作は、2019年製作の中国映画101分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⒸBeijing HMCH Anime Co., Ltd

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歴代アニメ映画のベスト

なんかをやっちゃうと、

どっかに偏ったものになりそうやん。

そこで、ディズニーやジブリや

「君の名は」や「鬼滅の刃」やらの

ジャパニメーションを除いた

アニメ映画の、

マイ・ベスト・ファイブを、

順不同で披露する。

いわば隠れ名作と言えるアニメだ。

①本作

②ウルフウォーカー

(2020年・アイルランド・

10月29日付けで分析済み)

③ベルヴィル・ランデブー

(2002年・フランス&カナダ&ベルギー)

④戦場でワルツを

(2008年・イスラエル&ドイツ

&フランス&アメリカ)

⑤チェブラーシカ(1969~1974年・ソ連)

⑤チキンラン(2000年・イギリス)
 

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●パペット・アニメや

クレイ・アニメを

5位の同率としたが、

手書きやCGじゃない

アニメの在り方は、古典的ながら

懐かし感もあって胸にクル。

反戦アニメ④や

競輪スポ根もの③など、

異質でマニアックながら、

衝撃を伝えるアニメもある。

但し、基本ラインはやはり、

擬人化動物系のディズニー系や、

少女ヒロイン系メインの

ジブリに影響を受けた、

原色系の色遣いで魅せる

アニメ映画が多いように思う。

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本作の中国アニメも確かに、

影響は受けているかもしれないが、

しかし、いろんなシーンで

独自性を誇示している。

森林の伐採で行き場をなくした、

子猫黒猫に仮装する

少女フェアリーとゆうイントロから、

単なる少女ヒロインや

擬人化動物じゃない

ところが示される。

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少女を守ろうとする

フェアリー・グループと、

少女を居場所を設定した城へ

連れていこうとする

人間の司法官主人公。

鬼や狼などはあったけど、

人間対フェアリーの構図となれば、

これまでにはあまりない。

でもって、彼女と共にゆく

主人公の海路ロードは、

本作前半のハイライト。

ロードムービー・スタイルは、

「アナと雪の女王」(2015年・

アメリカ・ブログ分析済み)

などにあるが、嫌がる彼女を抑えて

マイペースで進む

主人公のシークエンスは、

メッチャユニークで面白かった。

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クライマックスとなる、

自分だけが有利になる

自分の霊界に入っての闘いなど、

オリジナリティーある設定も

随所に見られた。

フェアリー妖精と鬼は

正反対のようだけど、

「鬼滅の刃」的中国産

ヒロイズム・アニメだと言える。

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主人公が猫少女と共に、

正義の道をゆくような

このスタイル。

間違いなく、

アニメ・ヒロイズムの王道だ。

シリーズ化されそうなので、

次作にも期待したいところ。
 

2020年11月 4日 (水)

「ジオラマボーイ・パノラマガール」

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コミック原作

学園ラブストーリーの

ニュー・タイプの登場だ
 
恋する気持ちは

フワフワ浮遊する
 
 
11月6日の金曜日から、新宿ピカデリーほか、全国順次のロードショー。

本作は、2020年製作の日本映画105分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2020 岡崎京子/「ジオラマボーイ・パノラマガール」製作委員会

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コミック原作による、

学園ラブストーリーな日本映画。

その種のジャンル映画については、

「思い、思われ、ふり、ふられ」

(2020年製作・弊ブログ

8月11日付けで分析)のところで、

21世紀のマイ・ベストを

披露したけど、今作の出現で、

改めて21世紀に限らず、

これまでの日本映画で、

順位通りに

マイ・ベスト・ファイブを

披露します。

①翔んだカップル(1980年)

②天然コケッコー(2007年)

③町田くんの世界

(2019年・弊ブログ分析済み)

④本作

⑤バタアシ金魚(1990年)

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●21世紀ベストに入れた

「思い、思われ…」が、

本作によって、

これまでベストでは

外れることになった。

コミック原作映画の

学園ラブストーリーは、

主に少女マンガを原作に、

多数の映画が作られてきたけど、

ボク的には、ほとんど全てが

お約束通りの、マニュアル的な

作りであったように思う。

三角関係があったとしても、

2人はハッピー・エンドに

結ばれる帰結が多く、

見たあと不満足じゃないけど、

ココロに残るもんがないんだよな。

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選んだ5作は、

古い言い回しになるけど、

いわゆる金太郎飴を外した、

新味あるラブストーリーだ。

2組の恋を描いた①、

田舎の素朴系を描いた②、

最後に男の方が

恋にハッと目覚める③、

男の失恋系も今までと違う⑤。

そして、本作はどうか…。

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上から1枚目の写真を見てもらおう。

2人(山田杏奈・鈴木仁)の出会いは

すれ違いであった。しかし、

彼が道端でケガをして、

彼女がチョイ助けたことから、

2人につながりができた。

これが導入部。

その時、彼の学生証を拾い、

それを彼の家に届け、

彼の姉さん(成海璃子)とも会って、

なんかいい感じになりそうになる。

友達たちのプッシュもあり、

彼が好きなのかなあーと

彼女は思い、その気に

なるんだけど、これが

大きな勘違いになる

ような展開に…。

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そんなんよくあるやん

と思われそうだが、実は

ありそでなさそなシーンが、

後半で待ち受けている。

学園ラブに限らず、

恋愛とか愛する恋するとかは、

実のところ曖昧で

確固たるものなんかない。

フワフワ浮遊してるようなもんだ。

恋する切なさ。確かにあるけど、

そこには論理的で

絶対的なものなんかない。

そんなところを、本作は

描いているんだとボクは思った。

学園ラブではかつてない

奥深いところに

み込んだんじゃないだろうか。

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渋谷系と言われた、

オザケンこと小沢健二のナンバーや、

村上春樹の「羊をめぐる冒険」

「世界の終わりと

ハードボイルド・ワンダーランド」など、

引用されるものは

作品性に妙にマッチしてたな。

主人公の部屋に飾ってある

「2001年宇宙の旅」

(1968年・アメリカ)のポスターなんか、

これって監督の趣味か!? 

監督は瀬田なつき。

前作「PARKS パークス」

(2017年・ブログ分析済み)は

年間マイ・ベスト・スリーにしたけど、

そこからは朝ドラの永野芽郁や

演技派の石橋静河らを輩出させ、

先見性のある監督であると、

作品の素晴らしさ以外に

大いに印象付けられた。

とゆうことで、

本作の主演の若い2人にも、

注目しといてくだされ。
 

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