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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2020年5月18日 (月)

「精神0」

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シブミある

ヒューマン・ドキュメンタリー
 
恬淡とした

シニア夫婦映画

http://www.seishin0.com

5月23日の土曜日から、第七藝術劇場ほかで、全国順次の公開。
 
「仮設の映画館」でも配信中。

本作は、2020年製作の日本・アメリカ合作の128分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2020 Laboratory X,Inc.

想田和弘(そうだ・かずひろ)

監督流儀の

「観察映画」なる

ドキュメンタリーの第9弾。

その手法は、

アメリカのドキュメンタリーの

巨匠フレデリック・ワイズマン監督の

スタイルと似ている。

つまり、編集やモンタージュはするけど、

撮ったままそのままを

映すというタッチだ。

だから説明するナレーションもなく、

ドラマ効果を高めるサントラもない。

そもそも台本さえない。

ドキュだから、

計算された台本がないのは、

当たり前といえば当たり前だろう。

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ドキュのドキュらしさを

備えた映画で、

本作で部門賞ながら、

ベルリン国際映画祭で

初めて受賞した。

高齢の精神科医・山本昌知らを、

モノクロで描いた

ヒューマン・ドキュメンタリー

「精神」(2008年)の続編だ。

82歳で引退を決めた山本が、

患者たちと対面する前半。

そして、後半は、

引退した山本と認知症の妻との、

岡山での日々の生活が、

淡々と撮られてゆく。

撮ってる側の想田監督も、

夫妻とのやり取りで、

声だけの出演もしているが、

社会ドキュのようなシビアさはなく、

あくまでゆったりしていて、

観察者の立場を堅持している。
 

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上の画像のように、

猫をよく撮るところなど、

監督らしい余裕なとこも取り入れて、

流れによって

ずっと撮るべきところは、

長回し撮影を施す。

また、「精神」のモノクロ・カットも

時おり挿入し、

今と10年前を対比させる。

長回しや淡々とした撮影に加え、

言葉が聞こえにくかったりすると、

ドラマ映画でもドキュでも、

時に退屈さや眠気を

催させるものだが、

私見かもしれないが、

本作では意外にも、

そこんところは緩和されていた。

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入り込めるか入り込めないかは、

観察するとゆう流れや見方に、

乗れるかどうかに

かかっているのかもしれない。

ゼエゼエ息をつきながら、

墓参り作業をする山本の姿など、

近接撮影やアップの、

効果的な配置も

リアル感があって、

よかったと思う。
 

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