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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2020年2月20日 (木)

「名もなき生涯」⇒テレンス・マリック監督作品

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テレンス・マリック監督の新作
 
第二次世界大戦秘話
 


2月21日のフライデーから、全国ロードショー。

本作は、2019年製作の、アメリカ・ドイツ合作の2時間55分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

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テレンス・マリック監督らしい、

静謐さのマジックに、

魅せられた会心作だ。

戦争映画「シン・レッド・ライン」

(1998年製作・アメリカ映画)でさえ、

静かな展開に、

酔って痺れたあの感覚は、

今作も健在だった。

本作は、第二次世界大戦の、

名もなき1個人に関わる、

秘話めいた実話仕様ながら、

監督の名声を高めた第2作

「天国の日々」

(1978年・アメリカ・弊ブログ分析済み)

に見られた、農業映画のノリもあった。
 

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だから、美しい自然描写が、

メッチャ際立っていた。

オーストリアの小さな村。

自然に囲まれ、農耕に精を出す毎日。

ワイドに撮れる、

撮影機を使っているのだろう、

広がりある3Dっぽい映像感が、

まずは目に付く。

夫婦とコドモ3人の女の子たち。

農作業シーンが何度も出てくる。

しかし、第二次世界大戦中の背景において、

主人公に召集令状がきて、

出兵しなければならなくなる。

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それ以前に、

ナチス・ヒトラーに支配された、

オーストリアにおいて、

主人公は頑なに

兵役を拒否する発言をして、

村八分のような状況に陥っていた。

沈黙シーンが頻出する。

主人公や妻の静かなカットの連続は、

彼らのキモチを代弁する

効果あるカットとなっている。

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いちおう兵役に行って、

ヒトラーへの忠誠を拒否して、

主人公は収監されてしまう。

家を守る妻の様子と、

監獄映画のノリの夫・主人公の姿が

交互に映され、

そして、裁判へ。

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第二次大戦もの・

反ナチスものとしての、

新たな局面をとらえた作品である。

迫害されたユダヤ人以外の、

個人的視点とゆうのも、

新しいかもしれない。

「シンドラーのリスト」

(1993年・アメリカ)のシンドラーとは、

真逆の全くの無名だけど、

悲劇的なとこはあるとはいえ、

同じような感触を得た

感動ある作品だった。
 

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