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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2020年1月の記事

2020年1月31日 (金)

「テルアビブ・オン・ファイア」⇒これぞブラック・ユーモアだ

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テレビドラマが変転してゆく
 
イスラエルからユニークな作品が登場
 
 
1月31日の金曜日から、シネ・リーブル梅田ほか、全国順次のロードショー。

本作は、2018年製作の、ルクセンブルク&フランス&イスラエル&ベルギー合作の、イスラエル映画97分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⒸSamsa Film - TS Productions - Lama Films From There - Artemis Productions C623

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みんな、イスラエル映画なんて、

これまでに見たことがあるかな? 

本作は、従来のイスラエル映画の、

イメージを覆した作品だ。

イスラエル映画を意識せずに、

見るべき作品だろう。

戦争とか内戦とか貧しさとかが、

クローズアップされがちな、

中東の映画において、

テレビ局を主舞台に、

テレビドラマの中味が、

変転してゆくとゆう、

ユニークな作品になった。

コロコロ変わってゆく、

ラジオドラマの「ラヂオの時間」(1997年製作・日本)とか、

テレビ局ドラマに加え、

映画メイキング映画など
の、

面白さがある映画になった。

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イントロから、ドラマ撮影シーンから始まる。

女スパイと、女スパイのターゲットとなる軍人の、

いわゆるスリリングな、駆け引きのある、

高視聴率の連続ドラマなのだが、

そのドラマの脚本家が、主人公になる映画。

ドラマ脚本家の降板で、

セリフ・アドバイザーの
主人公に、

脚本書きが回ってきた。

しかし、主人公がテレビ局へ行く間にある、

検問所の軍人責任者が、

脅しめいたものもある、検問にかこつけて、

脚本に口をはさんでくるような、

展開になっていくのだ。

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つまりは、検問責任者の言う通りに、

話を主人公は変えていくのだ。

しかし、結末部には、

さすがに納得できないところがあった。

女スパイと軍人の行方は?

シニカルでブラック・ユーモアな、

結末が待っているのだが、

もっとのサプライズは、その先にある。

中東映画には全く似つかわしくない、

皮肉な映画に、驚かされること間違いなしだ。

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本作は東京では昨年に公開されており、

大阪は今年公開だけど、

2019年の各種のベストテンに、

入ってもおかしくないような、

仕上がりぶりを見せている。

ベストテン予想応募には、

もはや間に合わないかもしれないけど、

もし入れば、こおゆう作品にも要チェックとゆうわけだ。

今年のベストテン予想の、

1参照として見に行ってもいいけど、

面白いものは面白い。

ボク的には、イスラエル映画の最高傑作です。
 

2020年1月29日 (水)

「母との約束、250通の手紙」⇒感動のフランス映画

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「ガープの世界」のような母子のキズナ
 
かつてない小説家の、ヒューマン・ドラマでも
 
 
1月31日のフライデーから、松竹の配給で、全国ロードショー。

本作は、2017年製作の、ベルギーとの合作による、フランス映画131分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2017-JERICO-PATHE PRODUCTION-TFI FILMS PRODUCTION-NEXUS FACTORY-UMEDIA

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特異な親子の関係性・キズナを描いた、

壮絶極まりない作品。

ミステリーとしての変局もあったけど、

ストレートだった父子の

「砂の器」(1974年製作・日本)などとは違い、

母子としては、刹那的に儲けた息子と、

母のキズナをとらえた

「ガープの世界」(1982年・アメリカ)と、

同じような、テイストのある作品だ。

どちらも母は脇役で、息子が主人公だ。

2作の大きな違いは、

「ガープ…」は放任主義だったけど、

本作の母(シャルロット・ゲンズブール)は、

息子(ピエール・ニネ)に人生で、

達成すべきところを強いてみせる。

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その最初にあったのが、小説家になることだった。

大ベストセラーになる小説を書くことを、

親がコドモに希望するなんてノリは、かつてない。

むしろそんなのになるなと、

反対する側に回ることが多かった。

親が小説家でもないし、

カエルの子はカエルでもない。

それでも、息子は母の希望に沿うべく、

邁進するのであった。

小説家のヒューマン・ドラマとしての、

凄みもかつてなくあった。

小説家映画なんて、

ある種のパターン化にはまっていたけど、

本作では、世界大戦の兵役に

赴いた主人公が、

戦闘機で突攻作戦する前夜に、

夜明けまで手書きで

小説を書いていた。

その姿には、

見ていて鬼気迫る凄みがあった。

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作家ロマン・ガリが、

母との実話を基に、

書き上げた小説が原作。

実話ベースだけど、

考えられないようなところが、

いくつかあって驚かさせる。

その驚きを演技してくれるのは、

シャルロット・ゲンズブールとピエール・ニネ。

すでに世界の映画祭で、

主演女優賞を得ているゲンズブールは、

ホンポーなオカンぶりを披露。

映画監督もしたピエール・ニネは、

ナレーションを皮切りに、

冷静かつ沈着な演技ぶりでも、

最後のドラマティックと、

サプライズを誘発する。

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色褪せたカンジの、過去の描写。

戦争シーンの臨場感。

1950年代を現代として、

過去とカットバックさせる構成ぶり。

映画でしか味わえないような、

映画的な作りが随所に施された。

早い話だけど、

今年のマイ・ベストテン級の映画です
 

2020年1月28日 (火)

「漫画誕生」⇒イッセー尾形主演

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日本の漫画家のルーツを描いた作品
 
抑制を利かせた、イッセー尾形の演技が渋い
 
 
2月1日の土曜日より、大阪・第七藝術劇場ほかにて、全国順次のロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ漫画誕生製作委員会

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赤塚不二夫、藤子不二夫、水木しげるなど、

実在の漫画家を描いた作品がある中で、

本作は日本の漫画家の、ルーツを描いた1作。

イッセー尾形演じる北沢楽天。

楽天は知ってるけど、姓名となると、

ほとんどの人は知らない無名の人だろう。

本作で、それを知ることは面白い。

日本漫画の粋(すい)や粋(いき)とは、

もともとは何なのかが、学習できる。

人間ドラマである。

当然、漫画がなんぼのもんやとゆう、

明治・大正の時代、

そして戦前・戦中の話だけに、

時代の波にもまれながら、

主人公はどう生きたのかを描く映画である。

彼が描いたのは、

ストーリーのある漫画ではない。

時事漫画、風刺漫画、

時に婦人漫画・児童漫画など、

極みのシーンを漫画化したうえで、

いろいろコマ作りしていくスタイル。

四コマ漫画の世界に近いが、

それでも、昭和天皇の太平洋戦争時代には、

当たり前のように検閲が入る。

そんな検閲シーンと、

カットバックさせながら、

主人公の過去が描かれてゆく。

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学生時代の主人公と、

万札の肖像画になってる福沢諭吉

(モロ師岡)とのエピソードなど、

興味深いとこや、

漫画家たちとの話し合いや集いなど、

落ち着いた平常心のココロでゆく、

イッセー尾形の演技ぶりは、
渋すぎる。

イッセー尾形の演技は、

誰にでもできるようでいて、実は違う。

付け焼き刃じゃない、滋味があるのである。

彼のマイ・ベスト・スリーは、

昭和天皇に扮した「天皇」(2005年)、

フツーの人に扮した「トニー滝谷」(2004年)、

そして本作だ。

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イッセー尾形の演技ぶりは特筆ものだけど、

ほかの役者陣にも注目されたし。

ボク的には、かつてはブイブイかましていた、

シノラーこと篠原ともえが、

尾形の妻役になり、

おっとりしっとりの役柄を演じたことに、

グッときたね。

彼女の本質は、

癒やしにあったことを、改めて認識できた。

そして、本作を撮り上げた女性監督の大木萠。

「花火思想」(2012年・弊ブログ分析済み)の、

男の監督には出せないような、優しい柔和な感覚が、

本作にも活かされていたと思う。

とゆうことで、

漫画家ヒューマン・ドラマの、

最高傑作と言ってもいい作品だ。
 

2020年1月24日 (金)

「ロマンスドール」⇒高橋一生・蒼井優共演

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21世紀の夫妻映画の傑作だ
 
どちらかがビョーキで描く夫婦愛
 
 
1月24日の金曜日から、KADOKAWAの配給により、全国ロードショー。

本作は、2019年製作の、日本映画123分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019「ロマンスドール」製作委員会

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日本の夫妻映画・夫婦映画は、

20世紀から、

時に、家族映画と共鳴しながら、

傑作が作られ続けてきている。

そして、21世紀の夫妻映画だが、

今回は、夫妻のどちらかが、

ビョーキの設定で、

描かれた夫婦愛映画の、

マイ・ベスト・ファイブを、

順位通りに披露してみよう。

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①ぐるりのこと。(2007年製作)

②阿弥陀堂だより(2002年)

③湯を沸かすほどの熱い愛(2016年)

④本作

⑤明日の記憶(2006年)

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●ビョーキの種類はいろいろだ。

トラウマによる神経衰弱の①②や、

記憶喪失系の⑤などは、

夫妻のどちらかが、

死ねような深刻度はない。

しかし③④は、

どちらかが死んでしまうのである。

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オカンの強さを描いた③は、

妻役・宮沢りえの、

毅然たる演技に感動したけど、

本作④は、

夫妻映画の夫妻映画たる、

モロに夫婦愛に、

アプローチした作品である。

その描き方も、

死んでも伴侶を愛するとゆう、

感動系の方向性で、描かれていくのだ。

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高橋一生は、

ラブドールの工場の、

職人として就職する。

ラブドールとは、

大人のおもちゃ

ナンチューとこで売ってる、

女の裸体を、

等身大の人形にしたものだ。

どのような用途で使われるのか、

子供たちには決して話せない。

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そんなラブドールのモデルとして、

ある日、蒼井優が工場へやって来る。

製作するのは、高橋一生。

型どりだけ終えたけど、

蒼井優は、マットーなマネキンだと思ってる。

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高橋一生アニキはホントのことが、

言えずじまいだったが、

それでも蒼井優ちゃんに、

一目惚れしてしまうのだ。

そして、思い切って告白して付き合い、

結婚へと到るのであった。

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夫が職業の中味を隠したままで、

夫妻の生活がつづられてゆく。

やがて、妻が三日三晩家を空ける、

とゆう事態が起こる。

それについて、

夫は妻に詰問する。

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2人が向かい合って話し合う、

ロングショットによる、

1分強の長回し撮影シーンなど、

映画的にドラマを深め、

謎めかせる効果があった。

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ロングショットに加え、

夫妻2人のアップのやり取りなど、

多彩な撮り方を、

バランスよく配した。

2人の演技以外に、

ピエール瀧、きたろう、渡辺えりらが、

名脇役ぶりで魅せる。

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タナダユキ監督の新作。

ヒロイン映画やラブストーリーや家族映画やらに、

今までのテイストとはチョイ違う、

タナダユキ・ブランドを持ち込んで、

撮り上げる映画作家ぶりは、

今回も健在だった。

とゆうことで、

夫妻映画の新たな傑作の誕生だ。
 
 

2020年1月23日 (木)

「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」

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苦節30年を経た、ライフワーク的傑作
 
ドンキのアンチ・ヒロイズムがよみがえる
 
 
1月24日のフライデーから、ショウゲートの配給により、全国ロードショー。

本作は、2018年製作の、スペイン&ベルギー&フランス&イギリス&ポルトガル合作による、本編133分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2017 Tornasal Films, Carisco Productions AIE, Kinology, Entre Chien et Loup, Ukbar Films, EIHombre Que Mat o a Don Quijote A.I.E., Tornasol SLU

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構想より苦節30年

映画の頓挫9回を経た、

テリー・ギリアム監督作品。

「ドン・キホーテ」映画は、

監督が構想を始めた30年前には、

何作かが作られていた。

しかし、決定的なドンキものはなく、

監督はそれらを遥かに凌駕する、

ドンキ映画を目指したのである。

ジョニー・デップや

ユアン・マクレガーが、

製作途中で降板したりと、

9度の頓挫には、

映画ファンを驚かせる、

強烈なものがあるし、

その頓挫メイキングのドキュメンタリー

「ロスト・イン・ラマンチャ」

(2001年)まで作られた。

しかも、この30年の間には、

誰もドンキ映画を、ギリアム監督以外は、

作ろうとはしなかった。

何が問題だったのか。

それこそをミステリーにして、

映画にしたら、

オモロイんとちゃうかってくらい、

この間の経緯は、

ある種奇々怪々の、

魑魅魍魎だったのである。

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さて、ここでテリー・ギリアム監督の、

マイ・ベスト&カルト・スリーを、

各順不同で披露してみよう。

●ベスト⇒①未来世紀ブラジル(1985年)

②12モンキーズ(1995年)

③フィッシャー・キング(1991年)

●カルト⇒①本作

②バンデットQ(1981年)

③ブラザーズ・グリム(2005年)

●男の悲喜劇とゆう、通底テーマが、

すべての作品にあるように、

ボクには思われる。

男の友情ベスト③や、

兄弟のファンタジーカルト③でさえ、

男の哀愁と滑稽さが、

そこはかとなく漂うし、

いわば言い古された、

男のロマンチシズムへの、

アイロニカルな視点、

つまり、

アンチ・ヒロイズムな視点が、

強烈極まりないのだ。

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セルバンテスの原作通りには、

モチ当然描かれない。

21世紀のドンキを、構築してみせる。

CMディレクターの主人公が、

かつて映画をロケした村へ行き、

そこで、ドンキになりきり型の老人に再会し、

老人の指名で、お供のパンサになって、

いざ戦いなきロードへと、旅立つのであった。

このあたりのチェンジぶりが、

キモになるとは思うのだが、

ある意味では、

主人公の行動には説得力はない。

しかし、そこはそこ。

映画製作で仲良しになった田舎娘が、

女優目指して村を出たけど、

鳴かず飛ばずだったりとゆう、

エピソードもあって、ドンキ物語は進む。

ドンキ役ジョナサン・プライスと、

パンチョ役のアダム・ドライバーの、

へんてこ相棒ぶりも、

シニシズムが妙に漂って、オモロかった。

オルガ・キュリレンコや、

ジョアナ・リベイロの、エロさもいいね~。

苦節30年を感じさせない、

軽やかな作りが心地よかった。
 

2020年1月22日 (水)

「サヨナラまでの30分」⇒水曜邦画劇場

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青春音楽映画の、ニュー・スタイル
 
入れ替わりシチュエーションが、ドラマティック
 
 
1月24日の金曜日から、アスミック・エースの配給で、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹
 
Ⓒ2020『サヨナラまでの30分』製作委員会

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日本の青春音楽映画は、

これまでに多数のタイトル数がある。

弊ブログでは、その種の映画の、

マイ・ベスト&カルトなどを、

数度にわたり披露してきた。

そんな中でも、ボクが好きなのは、

男闘呼組主演の友情もの

「ロックよ、静かに流れよ」(1988年製作)だったり、

ストレートにエレキを奏する

「青春デンデケデケデケ」(1992年)、

文化祭で女子バンドが演奏する

「リンダ リンダ リンダ」(2005年)だったりした。

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その3作は、青春映画としても、

素晴らしい仕上がりぶりだった。

でもって、本作は、

みんなでやろうぜ!な青春ものの、

さわやかさに加え、

死んだ者と生きてる者の、

入れ替わりとゆう、

ユニークな
シチュエーションを、

取り入れてみせた。

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「ロックよ、静かに流れよ」は、

死んだ者は生き返ることはなかった。

しかし、本作は、死んで生霊となってる、

バンドのリード・ボーカリスト(新田真剣佑)が、

デモ・テープを媒介にして、

デモテーを拾った、

見知らぬ大学生(北村匠海)に、

取りつくとゆうか、彼と入れ替わりで、

バンド活動を続けていくとゆう、

これまでにない、新たな設定を設けた。

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体・精神の入れ替わりとゆうのは、

大林信彦監督の、

男女の入れ替わり「転校生」(1982年)を始め、

前例はある。

本作は、死んだ者と生きてる者の入れ替わりだが、

これはケッコー前例があるけれど、

但し、二人が協調して、やっていくとゆうのは、

あんましないと思う。

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まずは、高校時代のバンド作りの話が、

ダイジェスト・シーンで描かれ、

キーボード担当の女子(久保田紗友)と新田クンが、

恋してるカンジも紡がれ、

そして、新田クンの死へと繋がれて、

バンドは解散する。

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死んだ新田クンが残したテープを、

北村クンが見つけて、

北村クンにしか見えない、

新田クンと出会うのだ。

そのテープを流すと、

新田クンと北村クンが、

入れ替わるシチュエーションとなっている。

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新田クンはバンドを、

再生すべく動き出すのだが、

姿はあくまで北村クンである。

だから、バンド仲間たちとのコミュニケートには、

かなりの労苦を強いられることに。

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ましてや、今や音楽を断念した、

紗友ちゃんとの復縁は、

主人公にとっては、

最大の難関である。

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死んだ新田クンを、思い続ける紗友ちゃんの、

健気な姿には、時に胸にクルところがある。

精神は新田クンの北村クンが、

さてはて、紗友ちゃんを説得して、

バンドに復帰してもらえるのか。

その感情的方法論には、

緊張感と共に、

本作の大いなる見どころであった。

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クライマックスは、

フェスティバルでの、

5人の渾身の演奏ぶりである。

さらに、演奏し歌うだけじゃない。

ヒューマニズムある、

感動的なシーンが用意されている。

音楽青春映画の、

新たな地平を切り開いた快作だ。
 

2020年1月21日 (火)

ミュージカル「キャッツ」⇒大ヒットを期待!

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あの「キャッツ」が、遂に映画化だ
 
ジェリクル・ダンスのオリジンに浸ろう!

 
 
1月24日のフライデーから、東宝東和の配給により、全国ロードショー。

本作は、2019年製作のアメリカ・イギリス合作の110分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2019 Universal Pictures. All Rights Reserved.

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1980年代に、日本で劇団四季の

「キャッツ」が大ブレイク。

その原作となる、

ブロードウェイ・ミュージカルが、

初めて映画化された。

ボクは劇団四季版を、

プレスの一員として、

かつて観劇させてもらったことがある。

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従来のミュージカル・スタイルとは違う、

硬軟両様・徐々にテンポ・アップしていく、

チームワーク・ダンスの巧みさにうなったけど、

そのテイストが映画では、

モチ継承されていたし、

捨て猫ヒロイン(ジェームズ・コーデン)の

魅力に迫った、映画としてのオリジンが、

とても素敵に映った。

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とゆうことで、見どころを先に、書いたけど、

ここで、強力作品の多い、

20世紀ミュージカル作品は、別格として、

かつてもやったけど、

21世紀のミュージカルの、

マイ・ベスト5(全てアメリカ映画)を、

順位通りに披露してみよう。

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①シカゴ(2005年製作)

②本作

③ラ・ラ・ランド(2018年)

④ムーラン・ルージュ(2001年)

⑤マンマ・ミーア(2008年)
 
●20世紀でも、1970年代以降、

本格派のミュージカル映画は、

終わったと言われていたけど、

しかし、時おり

「ジーザス・クライスト・スーパースター」(1973年)や

「コーラスライン」(1986年)など、

ブロードウェイ・ミュージカルの、

映画化作品ではあるが、

輩出され評価を得、評判を呼んだ。

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21世紀になると、

さすがに厳しい状況下にはあったけど、

ロックを取り入れた、時代もの④やら、

ブロードウェイもの①⑤がヒット。

①や③は、アカデミー賞作品賞まで、

獲ったり迫ったりした。

さらに、定番のブロードウェイ原作ものとはいえ、

本作が輩出されてきたのである。

長らく映画化が望まれていた作品だ。

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冒頭から、捨て猫を受け入れる、

野良猫仲間たちによる、

オリジナルある

ジェリクル・ダンスをはじめ、

ゆっくり盛り上がっていく、

スローダンス・シークエンスの妙味。

鉄道ダンスや、
歌披露で披露される、

タップ・ステップの、

軽やかさとリズミカル。

ハリウッド・ミュージカルで久々に、

タップ・ダンスを見たような気がした。

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大御所猫で、ジュディ・デンチと

イアン・マッケランが、

滋味あふれる演技を披露する。

本人が歌っているかどうかは別にして、

感動的なエピソードを奏でてくれる。

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「キャッツ」で有名な名曲は、

ドラマティック・スロー・ナンバー

「メモリー」だけど、

今回、
映画化に当たって、

映画オリジナル・ナンバーが、

出演もしているテイラー・スウィフトと、

アンドリュー・ロイド=ウェバーの間で作られた。

その壮大なヒューマン・ナンバーは、

劇中でも披露されるが、

ラストロールを感動的に締める。

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いろんな多彩な役者が歌って踊るけど、

表情、そして、ダンスや挙動をメインに示す、

ヒロインの好感度は、メッチャ高い。

そのさわやかさが、映画のすべてを、

担っていると言っても、過言ではない。


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きらめきのミュージカルの、

楽しさや恍惚を、

ボクチンに、再び思い出させてくれた本作。

老若男女関わらず、

必見の1作です。


2020年1月18日 (土)

福山雅治・広瀬すず初共演「ラストレター」

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岩井俊二監督「Love Letter」の進化型映画
 
広瀬すずのセリフに、福山雅治が泣く!
 
 
1月17日の金曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2020「ラストレター」製作委員会

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岩井俊二監督の「Love Letter」

(1995年製作)を、みんな知ってるかい。

その第2弾にして、進化型映画が本作となる。

Eメールでのやりとりが、

当たり前になった現代だからこそ、

ラブレターなど、自筆で書く手紙をポイントにして、

人間関係の綾や機微を、描いていくことの意味を、

ドラマティックに問いかけてくるのだ。
 

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「Love Letter」では、

本作でもチョイ出演してる、

豊川悦司と中山美穂が主演で、

手紙のやりとりは、ワンルートだったが、

今回はそこに2世代にわたる勘違いと、

妙味と感動を加えた作りになった。

高校時代に恋した娘(広瀬すず)と、

同窓会で再会した男(福山雅治)。

でも、同窓会に来たのは、

死んだ娘の妹(松たか子)だった。

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その後、福山クンは、

メールでのやり取りをしようとしたけど、

松たか子の方に不具合が生じ、

松さんは住所を書かずに、手紙を書いて送った。

住所が分からないので、福山クンは、

娘の実家の方に手紙を送った。

すると、実家には、

高校生になる娘の娘(広瀬すず)がいて、

それに対し、オカンになって、返信するのである。

つまり、2重の勘違いによる手紙の、

一方的だったり、世代の違いによる、

齟齬あるやり取りだったりがあって、

物語は転がっていくのだ。

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不審を覚えて行動を起こすのは、

当然ながら福山クンの方だ。

前作はラブレターだったけど、

今回は大人になって、

過去を振り返ったり、近況報告したりする、

手紙のやり取りが主眼だ。

しかし、そこには、三角関係の恋愛模様があったり、

娘はんが死んだオカンの代わりに、

キモチを代弁したりと、

輻輳系の恋愛模様が、展開するのである。

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福山クン、松さん、広瀬すずチャン。

3人共初共演となるけど、

全員、これまでの演技と変わることのない、

好感ある演技で応えている。

高校時代の福山クンと松さんの役になった、

神木隆之介と森七菜も共に、

高校生らしいさわやか演技で魅せる。

勘違いがあるから、もちろんハラハラはあるけど、

最後の最後まで気分爽快で、

気持ちのいい仕上がり具合になっていた。

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元旦にも書いたけど、

今年の日本映画のベストテン級とゆうか、

えらい早い話だけど、

ナンバーワンと言ってもいい、

仕上がりになっている。

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岩井俊二監督のベスト的集大成的作品であり、

「Love Letter」を超えて、

最高傑作となったと言っても、

過言ではない傑作だ。

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とゆうことで、ネタバレであってもいい。書く!

広瀬すずの「お母さんはあなたを待っていた」というセリフに、

涙する福山クンに、ボクは泣いた。


 

2020年1月17日 (金)

山田涼介主演「記憶屋 あなたを忘れない」

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山田涼介主演の謎解きミステリー
 
芳根京子・佐々木蔵之介と共に謎に挑む
 
1月17日の金曜日から、松竹の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2020「記憶屋」製作委員会

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特殊な才能を持った人間を、

主人公・ヒロインにした映画。

この種の映画は、

洋画・邦画に関わらず、

モノゴッツー多数のタイトルがある。

どんな特殊人間を配するのかが、大いなる焦点。

そして、本作では、人の記憶を消せる、

ナンチュー人間を作り上げた。

記憶喪失人間ドラマへの、

アプローチとゆうか、

そんなドラマを作るなら、

記憶を消せる人間が、

いてもいいだろうとゆうノリで、

リアリティーは横において、

作られた映画であろうか。

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「Hey! Say! Jamp」の山田涼介が主演。

彼の主演映画で個人的に好きなのは、

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(2018年・弊ブログ分析済み)みたいな、

従来の謎解きミステリーとは、

ちょっと違うタイプの、ミステリーである。

本作も、それに見合った1作となった。
 

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巷では、都市伝説として、

悪い記憶・思い出したくない記憶を、

消してくれる「記憶屋」がいるらしい。

そんなところが最初に、

意味深に綴られて、物語は始まる。

山田涼介には恋人(蓮佛美沙子)がいたけど、

ある日を境に、恋人は山田クンを、

見覚えのない人として、話すのも拒否する。

なんでやねん。

記憶屋に消されてしもたのか。

とゆうことで、そんなことになってしもた、

原因を究明すべく、

山田クンは、幼なじみの芳根京子や、

弁護士の佐々木蔵之介と共に、

調査に乗り出すのだが…。

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幼少期に誘拐事件に遭った少女(芳根の幼い頃)を、

救えなかった山田涼介の想いが、

過去の追想として描かれ、

それが現在に尾を引いてることが、

やがて分かってきて、シンプルだけど、

意外な真相が明らかになる。

サプライズ好きの方には、

メッチャ面白い着地が待っとります。

記憶屋は誰かがメイン・ポイントなんだけど、

但し、本編を見ていけば、

なんとなく記憶屋はこの人が、

怪しいんじゃないかとゆうとこは、

分かるかもしれない。

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しかし、それだけじゃない、

恋愛映画としてのナイーブが、本作にはあった。

山田涼介カッコイイけど、

芳根京子ちゃんも、かよわくかわいくてよかった。

佐々木蔵之介の好感ある父親演技も光る。

中島みゆきの「時代」が、ラストロールで流れる。

イイカンジだ。

感動的を紡ぐミステリー映画として、

みなさんに、おすすめしたい。
 

2020年1月16日 (木)

「ジョジョ・ラビット」⇒アカデミー賞有力かも

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ナチ・ヒトラーものにユニークな1作が…
 
「アベンジャーズ」スカーレット・ヨハンソンも参戦
 
 
1月17日のフライデーから、全国ロードショー。

本作は、2019年製作の、アメリカ映画109分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

Ⓒ2019 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC 

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2020年アカデミー賞で、作品賞にノミネートされた作品だ。

映画にヒトラーが出てくる映画だったり、

主にコドモたちが主人公・ヒロインになって、

第二次大戦のナチズムへのアンチや、アイロニカルを示したりする映画。

第二次大戦もの映画は、多岐にわたりあるし、

かつて弊ブログでは、手を変え品を変え、マイ・ベスト・カルトを示してきたけど、

中でもこの種の映画に限定して、

マイ・ベスト&カルト・スリーを、各順不同で披露してみようか。

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●ベスト⇒①ライフ・イズ・ビューティフル(1998年・イタリア)

②チャップリンの独裁者(1940年・アメリカ・モノクロ)

③ヒトラー最期の7日間(2004年・ドイツ)

●カルト⇒①本作

②ブリキの太鼓(1978年・西ドイツ&ポーランド&フランス)

③白いリボン(2009年・ドイツ&オーストリア&フランス&イタリア)

●ナチ台頭前の状況を描いたカルト③や、

太鼓叩く少年の視点による②などの、ユニーク視点やら、

逆にストレートに涙腺を刺激するベスト①に加え、

ヒトラーをストレートにとらえたベスト③など、

ユーロ映画には、多彩なものがあるが、

一方、アメリカでは、

ヒトラーをパロディー化した、歴史的大傑作ベスト②があったり、

そして、本作のように、

ベスト②を踏まえた上で、少年視点や少女視点から、

ナチやヒトラーを、カリカチュアしてゆく映画があったりと、

シリアスなんだけど、どこか滑稽であるがゆえに、

より深くその反戦ぶりが、浮き彫りになっていく。

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ナチ・ヒトラーに対しては、遊びゴコロは通用しない。

しかし、本作では、少年と少年の幻想で同居するヒトラーを設定し、

しかも、ユダヤ人少女との交流を描くとゆう、

二律背反を、ものの見事に調和させているのだ。

ブラック・ユーモアなところも当然ある。

驚きだったし、衝撃的でもあった。

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主人公少年のオカン役「アベンジャーズ」の、

今アカデミーで本作で、演技賞にノミニーされた、

スカーレット・ヨハンソンが、
メッチャいい。

ヒロイズムなとこも見せる、毅然たる演技ぶり。

サム・ロックウェルの、少年少女たちを兵士として教育する、

ナチのとんでも大尉ぶりは、さてはてブラックだった。

でも、最後にはエエとこも、見せてくれるので、好感はある。

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そして、最も見どころとなるのは、ドイツ少年とユダヤ少女の交流である。

ここは、いろんなアイロニカルがあるとはいえ、黙って見守りたいところだ。

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ベルリンの戦場シーンの臨場感、

過去のモノクロカットやら、スローモーションの使い方に加え、

ラブ&ピースなビートルズ・ナンバーから、

デヴィッド・ボウイのダンス・ナンバーまで、

明るくノリノリの、サントラをフィーチャーし、

暗い素材やテーマを、明るく楽しく見せていこうとするところが、メッチャいい。

女の子が年下の男の子を、ダンスに誘う、

最後の一言には、グッときた。

メッチャかなりいいね~。

 

2020年1月15日 (水)

「リチャード・ジュエル」

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90歳クリント・イーストウッド監督の新作第40弾
 
実話ものにアプローチした、ヒューマン映画の傑作
 
 
1月17日の金曜日から、ワーナー・ブラザース映画の配給により、全国ロードショー。

本作は、2019年製作の、アメリカ映画131分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Ⓒ2019 VILLAGE ROADSHOW FILMS(BVI)LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND PATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

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元旦付けの弊ブログでも書いたけど、

2020年の洋画のベストテン級映画にして、

マイ・アカデミー賞最有力作品だ。

けれど、昨日発表された、アカデミー賞ノミネートでは、

残念ながら、作品賞にはノミニーされず、

助演女優のキャシー・ベイツが、候補に選ばれるにとどまった。

同じくクリント・イーストウッド監督作品で、

評論家筋で高評価を得た「グラントリノ」(2008年)や、

「運び屋」(2018年・弊ブログ分析済み)も、

アカデミーでは、全くノミニーされなかった。

いろんな大人の事情があるみたいだが、

奇妙ではあるが、ゆえに、本作は年間ベストテン級とゆうか、

ベスト・スリー級の映画になったのだと、ボクは確信する。

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クリント・イーストウッド監督の監督作品は、

総じて評論家筋の評価が高く、

一般映画ファンのブログでは、それを一つの不思議になぞらえている。

しかし、彼の作品を、今一度よーくじっくり見てほしい。

なぜ評価が高いのか、分かるはずだ。

でもって、監督は実話基の映画を、このところ立て続けに撮り上げている。

「ハドソン川の奇跡」(2016年・ブログ分析済み)、「15時17分、パリ行き」(2017年・ブログ分析済み)、「運び屋」(2018年)に続き、

本作は、4作連続での実話をベースにした作品だ。

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実話を基にした映画は、

今や映画の1ジャンルと言っていいくらい、膨大なタイトル数がある。

但し、映画的設計の基に構築し、

さらに、極上のヒューマン・ドラマに創り上げた作品は、ごくわずかである。

そして、本作は、そんな稀少な1作となった。

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人々を救出して、ヒーローになった主人公(ポール・ウォルター・ハウザー)が、

ある新聞記事をきっかけに
急転して、悪者になる展開。

彼と親交の深い弁護士(サム・ロックウェル)が、彼のSOSを受けて乗り出し、

警察やマスコミやらと対決する。

彼と2人暮らしのオカン(キャシー・ベイツ)も、時に渋く、時に感動的に、息子をサポートする。

主人公役のポールは、全くフツーの自然体で演技しているが、

サム・ロックウェルは知恵者の曲者ぶりを発揮、

「スリー・ビルボード」(2018年・ブログ分析済み)で見せた、

エキセントリック刑事ぶりとは、
また違った演技派ぶりを披露する。

キャシー・ベイツの演技も、滋味あふれる演技ぶりだった。

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実話をなぞっているようでいて、実はそうではない。

男の友情節も、これまでのそれとは違っていた。

弁護士と告発人「フィラデルフィア」(1993年)とか、

医者と患者「レナードの朝」(1990年)などで見られた、男同士の関係性が、

一つの目的に向かってタッグを組み、

それぞれのヒューマンが、にじみ出てくるような映画は、

友情やキズナを超えた、シブミが間違いなくある。

ボクは、そんな映画が、ダイスキだ。

2020年1月10日 (金)

「カイジ ファイナルゲーム」⇒週末日本映画劇場

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シリーズ第3弾にして完結編
 
カイジ藤原竜也が正攻法で挑む
 
 
1月10日の金曜日から、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ福本伸行 講談社/2020映画「カイジ ファイナルゲーム」製作委員会

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藤原竜也主演映画の最新作。

彼の演技には、追いつめられた者の逼迫系がメッチャ感じられる。

そして、それを跳ね返す粘っこい力強さ。

9年ぶりの第3弾にして、完結となる本作シリーズは、

逼迫演技性の彼の、代表傑作だと言えるだろう。

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ここで、藤原竜也映画のマイ・ベスト&カルト・スリーを、

各順不同で披露してみよう。

●ベスト⇒①バトル・ロワイアル(2000年製作)

②パレード(2010年・弊ブログ分析済み)

③藁の楯(2013年・ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作シリーズ(2009年・2011年・2020年)

②デスノート・シリーズ(2006年・2008年・2016年)

③僕だけがいない街(2016年・ブログ分析済み)

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本作はカルトにしたけど、彼の場合は、カルトの方がより逼迫度が増すようだし、

逆風に挑む姿が映えるようだ。

映画としての彼の出世作で、シリーズ化もされたベスト①のノリが、

彼のその後を予感していたと言えるのではないか。

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さらに、ベスト①にあったゲーム感覚のノリの映画に、

妙に彼の演技は、マッチするみたいだ。

本作もそうだけど、「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」(2010年・ブログ分析済み)なんてのもあった。

加えて、ミステリー・タッチのベスト②③カルト③などでも、

犯人側であれ、調査側であれ、抑揚を効かせた逼迫演技で魅せるのだ。

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2020年東京オリンピック後に、大不景気の時代が到来するとゆう、近未来設定で物語は展開する。

派遣の仕事で7割をピンハネされてるカイジは、大金賞金のゲームに参加して勝つ。

そのまま賞金を得るか、それともさらなる高額賞金を得る賭けギャンブルに、参加するかの二者択一があり、

カイジはドラマをより面白くすべく(!?)、賭けを選択。

賭け対決の中へと、入っていくのであった。

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バックに政府側の人間(福士蒼汰)がいる派遣王(吉田鋼太郎)VS、

カイジが付く不動産王(伊武雅刀)。

この2者の賭け対決が、スリリングなタッチで展開する、

カイジ・シリーズのシメに、ふさわしい設定になっている。

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カイジには2人(新田真剣佑・関水渚)が付くけど、裏切りなどもあって、劣勢に。

人間秤なんてゆうのも、けったいでオモロイし、

結末部で機能する、自殺バンジー・ジャンプなんて、ハットトリッキーやし…。

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カイジと対決する福士蒼汰のクールイズムや、

第2弾でカイジがカモられた天海祐希の、クライマックスでの出現など、

随所に見どころが仕掛けられた。

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シリーズのフックにもなっていた、スラム街の描写は、今回も良かったな。

350mlの缶ビールが1000円だなんて、どんなインフレ状況だい。

しかし、カイジはその1杯を、ホンマにおいしそうに飲むんだよな~、これが~。いいね~。

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命がけのゲーム感覚は、第1弾より薄れたかもしれないけど、

より謎解き系のミステリー・ノリが増した最終作。

シメにふさわしい作品だ。

2020年1月 9日 (木)

「気候戦士~クライメート・ウォーリアーズ~」⇒専門家ドキュ②

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シュワちゃんも語る地球の危機
気候変動を改革する戦士たちを描く
 
 
1月10日のフライデーから、シネ・リーブル梅田ほか全国順次のロードショー。

本作は2018年製作のドイツ映画86分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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有名人やセレブを採り上げる人間ドキュメンタリーが、

その知名度の高低やらによって、ケッコー人気だけど、

本作は、あまり知られざる専門家たちを、捉えたドキュメンタリー。

むしろこういった作品の方が、

映画を見ていわゆる学習・勉強できるタイプのもので、

見方によっては、奥の深さを感じ取れるような映画になっている。

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温暖化による地球の気候変動は、

21世紀以降大きな人類の問題になっているが、

それを阻止すべく、さまざまな主張と知恵と工夫を、凝らす人たちがいる。

本作はそんな気候変革を意図する、気候戦士たちの物語である。

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映画ファンのみなさんが、本編に入りやすいように、

まずはカリフォルニア州知事だった時の、

シュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーの、エピソードから始まる。

スロー・モーションでの、自転車に乗っての登場で意表をつき、

環境問題に対する、トランプ大統領との、意見の対立ぶりなどを語っていく。

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そして、いろんな気候戦士たちの姿が撮られてゆく。

トランプと対立してたあの少女も登場。

主張以外に、どうすればいいのかとゆう、方法論と実践までも描かれるのだ。

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アメリカ・ピッツバーグの大気浄化法、

ドイツ・ハイデルブルグの省エネ住宅、

バングラデシュの太陽光パネル、福島やイギリスの例。

さらに、落ち葉や藁の再利用やバイオ炭など、

気候変動に対抗し自らを守る方法論が、多彩に具体的に綴られてゆくのだ。

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ゆえに、見終わったあとには、ボクたちも何とかしなきゃ、なんて思いに捉われ、

映画を見て良かったとゆうキモチになれるわけだよ。

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ドキュとはいえ、こんな現代的な新しいタイプの映画が、

ドイツから出てきたのには、ボク的には、ちょっととした驚きだった。

しかし、今後は、アメリカや日本でも、

こんなカンジの映画は、ドキュに限らずに作られていくような気がする。

本作は、そんな想いに捉われるような、ある種画期的な映画だった。

「つつんで、ひらいて」⇒専門家ドキュ①

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専門家人間ドキュメンタリー
 
本の装幀者なんて映画史初やろ
 
 
1月11日の土曜日から、第七藝術劇場、神戸アートビレッジセンターほか、全国順次のロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2019「つつんで、ひらいて」製作委員会

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「万引き家族」(2018年製作)でキャリアのピークを迎えた是枝裕和監督ファミリーから、

西川美和監督に続いて、ドラマ映画「夜明け」(2019年)で、映画監督デビューした広瀬奈々子。

その監督第2弾作品が、デビュー年に作られ公開される。

しかも、本作は初期の是枝監督のおハコであった、ドキュメンタリーにチャレンジング。

「万引き家族」と同様に、「夜明け」が家族ドラマの変形型であったところを見るにつけ、

是枝流が染みついているかと思ったら、今回は大きく違っていた。

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出版業界の人を捉えた映画である。

見出しにも書いたけど、
本の装幀者・菊地信義の人間ドキュメンタリーである。

おそらく映画史上初めて、撮られたところの専門家である。

一般的には、ほとんどの人が知らない、いわゆる下積み系の人である。

しかし、この人の広瀬監督の捉え方は、自然体のフツーでありながら、絶妙なのである。

その作りは、仕事の細部を見せる点。

さらに、人間ドラマとしての主人公の暮らしぶり。

加えて、編集者やアシスタントとの付き合いぶり。

日常生活的に、どこにもサプライズがない、

ありきたりの描写スタイルを、あえて採りながらも、

見たあとココロに、永く残るような映画になった。

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主人公が紙を、クシャクシャにしているところから始まるのだが、

そのメイキング描写からして、フツーで静かなイントロながら、ココロをくすぐってくる。

なんでこんなことやってんのとゆう、ナゾめきと共に、

主人公の仕事の実態にさりげなく導く、素晴らしい導入部。

そして、ゆっくりと彼の仕事の詳細が、描かれてゆくのである。

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彼が作った本の装幀を、パーカッション・サントラに乗せて、見せてゆくシーンだったりとか、

印刷所の製本までのプロセスを見せたりと、

せ方もフツーのようでいて、工夫が施された。

主人公の私的な描写もさりげなく取り入れられ、専門家ドキュとはいえ、人間ドキュの人間ドキュらしさも、過不足なく撮られた。

是枝監督の撮った人間ドキュを、凌駕した傑作である。
 

2020年1月 8日 (水)

「フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて」⇒音楽ムービー②

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全英で大ヒットした漁歌を歌う漁師たち
 
実話エピソードの映画化だ
 
 
1月10日のフライデーから、テアトル梅田、なんばパークスシネマほか、全国順次のロードショー。

本作は、2019年製作のイギリス映画112分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒFISHMANSFILMS LIMITED 2019

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洋楽について。

アメリカとイギリス。

どちらが優勢でどちらが世界に、影響をもたらしヒットしているか。

いやはや、ロック創生期の1950年代からあった、テーゼや命題だけど、

ボク的には、アメリカはボブ・ディランらがいるけれど、

しかし、ビートルズ、ローリングストーンズ、エリック・クラプトンらを輩出したイギリスでしょとなる。

21世紀の今では、アメリカはリズムや歌詞がベースの、ヒップホップが全盛だけど、

日本でもそうだけど、イギリスでは歌うことが主眼の歌が、ベースとなっている。

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そして、そんなイギリスから、実話となるユニークなヒットが生まれた。

若者も1人くらいはいるけど、何と老いた漁師を含む、高年齢層の漁師たちが歌う、

昔から歌い継がれてきた歌が、大ヒットするとゆう事件が起こった。

その起承転結・顛末を、ドラマティックに描いたのが本作である。

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イギリスのコーンウォール州の漁業町が舞台。

ある日、そこへレコード会社のグループが旅行に来て、漁師たちが歌う歌を耳にする。

それにココロ打たれた男は、それをレコード化すべく、現地にとどまって漁師の一団にアプローチする。

さらに、漁師の1人の娘シングルマザーに恋をし、ラブストーリーとしての側面も見せてゆく。

レコード会社の人間がスカウトし、その歌がレコーディングされて、発売されヒットするとゆう、よくある話でありながら、

本作には、実在のミュージシャンを撮り上げた映画以上に、

イキとスイ(漢字にすれば同じ粋)を感じさせてくれた。

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レコード会社の目の付けどころの面白さもあるけど、

各漁師たちの想いや生活ぶりを伝えつつ、

群像ドラマや恋愛ドラマの着地点と共に、

音楽映画の新たな地平を見せてくれた映画だった。

「フル・モンティ」(1997年)やら、「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2017年)など、

フツーの人たちの生き方を、チョイひねって描いて秀逸作を作り出す、

イギリス映画界からの、新たな快作の登場だ。
 

2020年1月 7日 (火)

「ティーンスピリット」⇒音楽ムービー①

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ストレートな音楽コンテスト映画の快作
 
音楽ムービーとしてのノリもOK
 
1月10日のフライデーから、KADOKAWAの配給により、シネ・リーブル梅田ほかで、全国ロードショー。

本作は2018年製作の、イギリス&アメリカ合作の94分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2018 VIOLET DREAMS LIMITED.

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青春音楽ムービーにして、コンテスト映画の快作。

新人を発掘するようなところを、見せるスタイルとしては、

青春映画のノリよりも、発掘のシビアな部分を見せる、ユニークなカタチを採っている。

演劇の「コーラスライン」(1985年製作・アメリカ)や、

ダンスの「フラッシュダンス」(1983年・アメリカ)の、

オーディション映画のノリノリを、

あくまで歌唱力の巧拙という才能で示し、

しかも、音楽コンテスト映画としては、

最新傑作「蜜蜂と遠雷」(2019年・日本・弊ブログ分析済み)の、

シビアとリアルに、勝るとも劣らない作りを示す。

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エル・ファニング主演。

ダコタ・ファニングの妹で、子役デビューした女優。

お姉さんの方は、随分ご無沙汰だけど、妹は快調。

子役時代のイメージはほとんどなく、

歌手志望の高校生を、アイドルノリではなく、

リアリティーに満ちた感覚で演技していく。

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そして、彼女のマネージャーとして、登場するしがないおっさん(ズラッコ・ブリッチ)。

飲んだくれだけど、元オペラ歌手で、

ヒロインのボイス・トレーニングを始め、本気で指導していくのだ。

指導者演技としては、これまでにもよくあったタイプかもしれないけど、

ググッとくる、シブミなとこが何度もあった。

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歌われるシーンはもちろん、

サントラ使いのカッコヨサは、この種の映画のトレンドたるところだ。

アリアナ・グランデ、ケイティ・ペリーなど、全米・全英で大ヒットしたナンバーを流して、

しかも、コンテストでは、バンド・サウンド、スロー・バラードなど、多彩に展開。

ヒロインが歌う、ソウル・バラードは特筆ものだ。

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レコード会社の動きも、なるほどなとゆうカンジで、メッチャなリアル感があった。

ボクの昨年のベストワン「イエスタデイ」(2019年・イギリス・ブログ分析済み)や、

このあと紹介する「フィッシャーマンズ・ソング」などにも通じるリアリティー。

でもって、ヒロインを描くヒューマン映画としての作りも、キチッとしていた。

エル・ファニングの最高傑作と言ってもいいだろう。

とゆうことで、音楽映画でノリたい人に、おすすめの1作だ。

2020年1月 5日 (日)

「フォードVSフェラーリ」⇒年間ベストテン級映画

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実話カーレース映画の新たな金字塔
 
マット・デイモンとクリスチャン・ベイルの男の友情
 
 
1月10日のフライデーから、ディズニーの配給により、全国ロードショー。

本作は、2019年製作のアメリカ映画2時間33分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

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カーアクション、カーレース映画は、これまでにケッコーのタイトル数がある。

弊ブログでは、これまでにもその種の映画の、ベストやカルトのマイ・ランキングを、何度も披露してきたけど、

今回はカーレースに絞って、最新のマイ・ベスト・ファイブを、順位通りに披露してみよう。

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●ベスト⇒①本作

②グラン・プリ(1967年)

③ラッシュ/プライドと友情(2014年)

④ワイルド・スピード(2001年)

⑤栄光のル・マン(1971年)

●公式じゃない街中レースの④以外は、全て実話のカーレース映画となった。

とゆうか、実話や真実でなければ、カーレース映画には、

説得力がないとゆうのが、ボクの持論である。

もちろん、フィクションで作ったっていい。

シルベスター・スタローンが主演の「ドリヴン」(2001年)とか、

トム・クルーズの「デイズ・オブ・サンダー」(1990年)とかがあるけど、

スター映画としてのカーレース映画には、

映画的ダイナミズムが少ないように思う。

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スタントマンやCGを駆使したにしても、本作には真実にしかない、リアリティーの絶対値と、

それに完璧に見合った役者陣の演技がある。

スター映画のもろさやヤワさとは、対極の骨太にして強靭な本物がある。

元カーレーサーで、車のデザイナー役のマット・デイモン。

車修理工場をやっている、カーレーサーのクリスチャン・ベイル。

この二人の友情とゆうか、男っぽい荒っぽいキズナとゆうか、そんなとこに魅せられ続けた。

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クリスチャン・ベイルの妻と息子のキズナもある。

しかし、そちらの方もちょいと異彩を放つような、キズナになっとります。

アメリカのフォードからの、

「ル・マン/24時間耐久レース」に勝ち続ける、イタリアのフェラーリに、

勝ちたいとゆう要望に、この2人が応えるわけだが、

そのプロセスやら、細部の描写に、のめりこんで見て、

そして、クライマックスは、そのルマンのレースだ。

真実の話に、正統系ストレート系の、真っ向勝負で挑んだ作品だ。

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熱くて熱くて熱い。

時に熱苦しいと感じるくらいに、
熱くて熱すぎる。

しかし、2人の豪放磊落にして冷静沈着、

そしてゆるぎない自信に満ちた演技は、最後の最後まで間断するところがない。

見出しにも書いたけど、

実話カーレース映画の新たな金字塔の誕生だ。

そうとしか言えない傑作だ。


2020年1月 4日 (土)

インド映画「マニカルニカ ジャーンシーの女王」

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「バーフバリ」の女版大作が本邦上陸
 
「ジャンヌ・ダルク」チックなヒロイン・アクションが爽快
 
 
1月3日のフライデーから、ツインの配給により、なんばパークスシネマほかで、全国順次の上映。

本作は2019年製作の、インド映画148分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒEsselvisionproduction(p)(LTD)
 

女ヒロインが戦士としてアクションする映画は、

これまでに多数のタイトル数があった。

但し、実話ベースものに限定すると、

その数は激減し、貴重でプレミアなカンジになる。

思い返してみたら、大方は歴史の実話ものとなるが、

その種の映画では、ボク的にはミラ・ジョヴォヴィッチ主演

「ジャンヌ・ダルク」(1999年製作・アメリカ&フランス合作)がベストだった。

イングリッド・バーグマンがジャンヌ役になった、「ジャンヌ・ダーク」(1948年・アメリカ)なんてのもあった。

しかし、ジャンヌ・ダルクは庶民を煽動した、革命側の一般市民だったけど、

本作のヒロインは王妃である。

いやはやこんなのが、実話で映画化されたなんて、あんまし聞いたことがない。

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歴史的に見ても、日本なら岩下志麻が演じた「卑弥呼」(1974年・日本)とか、

エリザベス・テイラーが演じた「クレオパトラ」(1963年・アメリカ)とかだろうけど、

敵と戦うアクションを、見せるようなことはなかった。

インドはイギリスに支配されていた過去がある。

しかし、1857年に、イギリスからの独立を目指して、「インド大反乱」が起こる。

これを煽動したのが、本作のヒロインのマニカルニカ王妃である。

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そんな王妃の1828年の、ヤンチャぶりから本作は始まる。

ワイヤー・アクションを取り入れた、女剣士ぶりの披露など、

彼女の兵士としての才能を見せていく。

しかし、それだけではない。

王の死後、国会を召集し、みんなに独立の意味や、民のためにこそを主張、

1855年にカルカッタの王宮に、イギリス軍が無血で押し入ってきた時も、

そのまま城を明け渡すけど、国民は全員王妃につくのだ。

そしてその後、子連れ王妃として、イギリスとのインド独立戦争に挑んでゆくのだ。

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ハリウッド映画ばりの、正義のヒーローが活躍する

「バーフバリ」(2016年・2017年・全2作・インド)の、女版大作の登場だ。

独立戦争とは、言うまでもなく正義の戦いだ。

残1時間で、その正義ぶりが遺憾なく展開していく。

従来のインド・ミュージカルのように踊ることはなく、

あくまで歌ものを中心にサントラを流し、

女戦士たちの訓練などの、ダイジェスト・シーンなどでも機能する。

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1858年。

圧倒的な数の英軍との戦いに、先陣を切って砲弾をかいくぐり、

騎馬戦・剣戟戦に挑む王妃の姿には、胸が打たれるはずだ。

歴史を見れば、戦いの結果は歴然としているのだけれど、

それでも、本作は悲劇的哀愁よりも、ヒロイズムな爽快さにあふれている。

「バーフバリ」に、勝るとも劣らない快作だ。

2020年1月 1日 (水)

2020年年間マイベストテン級作品



●あけましておめでとうございます。

今年も弊ブログを、よろしくお願いいたします。

●さて、2019年年末からこれまでに、マスコミ試写室で見た作品で、

2020年年間ベストテン級と見た作品を、

邦画と洋画に分けて、チラシ付きで提示いたします。

●日本映画

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●「ロマンスドール」(蒼井優・高橋一生共演/タナダユキ監督/1月24日公開)

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●「ラストレター」(広瀬すず・福山雅治ほか出演/岩井俊二監督/1月17日公開)


●外国映画

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●「リチャード・ジュエル」(クリント・イーストウッド監督/1月17日公開)

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●「キャッツ」(1月24日公開)

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●「ロングデイズ・ジャーニー この世の涯てへ」(関西は2月28日公開)

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●「フォードVSフェラーリ」(マット・デイモン、クリスチャン・ベイル共演/1月10日公開)

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●「母との約束、250通の手紙」(シャルロット・ゲンズブール、ピエール・ニネほか出演/1月31日公開)


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●「ハスラーズ」(ジェニファー・ロペス、コンスタンス・ウー共演/2月7日公開)

 

 

●全ての作品は後日分析いたしますが、


各作品につき、ちょいと一言見どころを申しますと…。

邦画はまずは、「ロマンスドール」。


「宮本から君へ」とは違う、蒼井優のさわやか(!?)系の演技に魅せられる。


「ラストレター」は、岩井俊二監督自身の傑作「ラブレター」の進化型。


メッチャ面白いぞ。


続いては洋画。


「リチャード・ジュエル」は、クリント・イーストウッドの新作。


もはや信頼の映画ブランドと言ってもいい、素晴らしい出来上がりだ。


中国映画の「ロングデイズ・ジャーニー」は、


フランスの映画史的に歴史的なヌーベルバーグを意図した、中国映画らしからぬ挑戦的な映画。


「母との約束、250通の手紙」には、サプライズを含めて、驚きのある映画だった。

 

劇団四季の作品も観劇した「キャッツ」は、


映画的には全てのミソを揃えたうえで、ヒロインの魅力にフォーカスした素敵なミュージカル。


「フォードVSフェラーリ」は、その種のカー・レース映画の、最上級を示した傑作。


アカデミー賞の前哨戦やらで、アメリカ・ハリウッドが、映画業界的にはあわただしい中、登場した「ハスラーズ」。


女たちの強烈な「オーシャンズ11」ぶりに、大いに魅せられた。


アカデミー賞で有力な作品もあるし、ここに書いてない何作かも見せてもらった。


対象作を全部見ては、もちろんいないんだけど、


ボクはイーストウッドの「リチャード・ジュエル」が、


作品賞ラインにかなう映画ではないかと、ジャッジいたします。



(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

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