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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年12月11日 (水)

「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」

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1人だけで作った手作りの宮殿

途方もない現実の物語

12月13日のフライデーから、KADOKAWAの配給により、YEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町、

シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸ほかで全国順次の公開。

本作は、2018年製作のフランス映画105分。

ⓒ2017 Fechner Films-Fechner BE-SND-Groupe M6-FINACCURATE-Auvergne-Rhone-Alpes Cinema

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1873年から1916年までの実話物語。

1人のしがない郵便局員が、

1人だけで手作りの宮殿を作ろうとして、

苦節何十年、それを実現させたお話の映画化だ。

本作を見る前にはボクは、

アマゾンのジャングルに、オペラの上演ホールを造ろうとした男の話

「フィツカラルド」(1982年製作・西ドイツ映画)的な映画なのかと思ったけど、

見るとかなりと違っていた。

「フィツカラルド」の男は、孤独でジコチューにしてエキセントリックだったけど、

本作の主人公(ジャック・ガンブラン)は、とことん職人肌のナイーブでおとなしい男で、熱血肌じゃない。

さらに、彼には家族がいる。

深きキズナがある。

死ぬ最期まで、彼を見守りサポートする妻(レティシア・カスタ)との出会いこそ、

彼が手作りの宮殿を、完成できたゆえんである。

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結婚、出産といった、女にとっても重要なポイントが、

男の人生を大きく輝かせてゆくのだ。

ソクラテスの妻も悪くはないけど、妻がもしそんな妻だったら、

この主人公はライフワークを、完璧なカタチで達成できなかっただろう。

まずは、妻との出会いと生活模様が、淡々と描かれていく。

そして、2人の間に女の子が誕生する。

最初は主人公は、赤ん坊の守りに戸惑いを覚える。

でも、やがてはうまくやるようになり…、

そんな描写も、ほほえましく見られるようになっている。

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やがて女の子は成長し、主人公の宮殿作りに、ずっと立ち会ってるような状態へ。

主人公は、娘のために宮殿を建てる方向へといくのだ。

妻子だけじゃない。父娘の絆も紡がれていく。

しかし…。

人生のターニングポイントは、ある日突然のようにやってきて…。

主人公が失意を超えて、それでも宮殿を完成させる流れは、

本作を大いなる感動篇にしているのだ。

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目に優しくココロを癒やす、美しい自然風景が何度も映されていく。

19世紀なら、そんな自然美はいっぱいあっただろうが、

映画が撮られているのは21世紀の今である。

CGを駆使せずとも、今でもそんな風景があるのだ。

本作は久々に、ドラマ映画の中にある自然美に酔った。

単なる自然美じゃなく、ドラマとリンクしてるカンジも良かったと思う。

鑑賞後、心地よくなる映画として、おすすめしたい。


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