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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年11月29日 (金)

台湾アニメ「幸福路のチー」

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台湾から登場したヒロイン・アニメだ

スタジオジブリ・アニメの影響は?

11月29日の金曜日から、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、京都シネマほか、全国順次のロードショー。

本作は、2017年製作の台湾映画111分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒHappiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

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スタジオジブリを始めとしたジャパニメーションや、

大昔からのディズニー・アニメや、ハリウッド産のアニメ以外に、

みなさん、見てハッとしてグーだった、アニメ作品なんてあるだろうか。

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2009年年末から始めたこのブログでは、

日本・アメリカ以外にはこれまでに、韓国、フランス、フィンランド、イギリスなど、

アジアや欧州のアニメを紹介分析してきたけど、

台湾アニメは初めてとなる。

とゆうか、日米作品以外は、日本で公開されるアニメは、その機会も少なく、

必然的にその他の国の隠れた傑作を、なかなか紹介できないでいるのが現状だ。

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ちなみにボクは、本作で台湾アニメ映画を初めて見た。

少女を描いている点から、宮崎駿アニメの影響があるのかなと思ったが、

大人になったヒロインが、少女時代以降の過去を、

カットバック的に振り返るとゆう構成は、ジブリにもあまりないスタイルだ。

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ヒロインが生きる、1975年から現代までの長い半生の中で、

台湾の国情やらをバックにしながら、彼女の生き方や家族とのキズナが、深々と描かれていく。

今年公開されたイギリス・アニメの「エセルとアーネスト」(2018年)もまた、

国情が主人公たち夫婦の生き方に反映された、いわゆる大河系のノリがあった。

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冒頭のヒロインの少女時代の描写。

運河と夕日に魅かれゆく少女の姿には、

高度経済成長を目前に控えた「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)が見せてくれたような、

ワクワクするような郷愁感があった。

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子供時代の風景も、ボクの時代とオーバーラップしていった。

金髪の少女との付き合い。大人になっての再会など、

ドラマティックを視野に入れた作品作りもいい。

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でもって、特注は家族とのキズナ部だ。

ヒロインはアメリカで結婚していたのだが、祖母の死で祖国・台湾に帰るのだが、

そんな祖母の幻がヒロインの前に現れて、いろいろと指南するのだ。

こういうノリはよくあるけど、決してわざとらしいカンジはしない。

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ジブリやディズニーとは違って、ノスタルジックを表出するためだろうか、

薄イロ配色で終始統一され、目に優しく淡くにじむような色使いになっている。

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グイ・ルンメイが、大人のヒロインの声を吹き込んだ。

グイ・ルンメイ作品は「GF・BF」(2012年)や「薄氷の殺人」(2014年)などを、弊ブログで紹介したけど、

実写で見えるところと、イメージの違うところがないのは、良い点だと思った。

ラストロールで流れる、台湾の人気歌手ジョリン・ツァイが歌う、ギター・スロー・ナンバー「幸福路上/On Happiness Road」は、

しっとりうっとりとして、映画の余韻を深めていた。

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今年の洋画のベストテン級と、いってもいいような仕上がり具合だ。

既に見ただろう、ジブリアニメや「天気の子」なんかと、比較しもって見てみてくだされ。

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