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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年11月 5日 (火)

「マイ・フーリッシュ・ハート」⇒音楽ミステリー

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実在のミュージシャンの謎に挑む

ジャズトランぺッター、チェット・ベイカーの死

11月8日のフライデーから、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、テアトル梅田ほかで、全国順次のロードショー。

本作は、2018年製作のオランダ映画87分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2018 (PUPKIN)-VPRO

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実在のミュージシャン、ジャズトランぺッター、チェット・ベイカーの、自殺の謎に迫ったドラマ映画。

実在のミュージシャン・ドラマは、ケッコータイトル数がある。

最近では、エルトン・ジョンの「ロケットマン」(弊ブログ8月21日付けで分析)などが公開された。

ビートルズの曲の素晴らしさと、ラブ・コメディを合体させた「イエスタデイ」(10月10日付け)など、進化型の音楽映画もある。

ドキュメンタリーを含むと毎年、ミュージシャン映画は10本近く公開される。

そんな1本が本作である。

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ミュージシャンのキャリアや人生を、描く映画ではない。

自殺したらしいチャット・ベイカーの死の謎に、刑事が挑むとゆうミステリー・タッチで、映画は進行していく。

チェットの近過去と刑事の捜査が、カットバック的に織り込まれていく。

刑事映画やミステリー映画に特有の、謎解きの面白さやサスペンスある映画となった。

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チェットのライヴやレコーディング・シーンなど、音楽映画に欠かせないシーンを取り込みつつ、チェットの人間性に食い入っていく。

特に、負の部分の描写が圧巻だ。

総じてダークな撮り方を、意識的にしていて、主人公の孤独やネクラぶりが、胸にクルような作りになっている。

薬物の過剰摂取やら、借金がかさんで取り立て屋に追われたり、彼女との仲が破局へと進んだりと、問題が山積。

身につまされるようなシーンが続く。

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チェット役になったスティーヴ・ウォール。

アイルランドのロックバンド「The Walls」のリードボーカルだ。

ロッカーでもある彼の、その暗みある演技性は、特筆すべきものを示している。

チェットと同化して、刑事が真相に到達するシーンは、ある種のサプライズがあった。

ミステリーとしての粋を見せていくのだ。

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とはいえ、音楽映画としての側面もある。

ジャズ・トランペットの哀愁、チェットの若い頃の演奏ぶり、歌もののトランペット・ナンバー、

トランペットが流れる中での、彼女とのキス・シーンなど、

トランペットをメインにしたサントラ使いが、ドラマの陰影と深みを創り出していた。

久々に見たオランダ映画のシブミに、ボクは酔った。

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