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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年11月 8日 (金)

貫地谷しほり主演「夕陽のあと」

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貫地谷しほり・山田真歩の母なる対決だ
 
地方ロケ映画の熟成ぶりを示す快作
 
 
11月8日の金曜日から、新宿シネマカリテ、ほか全国順次のロードショー。

本作は2019年製作の日本映画133分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2019 長島大陸映画実行委員会

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母は強しなんて映画は、「母」(1926年製作・ソ連映画)「大地」(1937年・アメリカ)などの戦前から、

母映画とゆうくらい、洋画・邦画関わらず綿々と作られ続けている。

そんな中で、産みの母役(貫地谷しほり)と、育ての母役(山田真歩)の、母なる対決がストレートに、描かれるのが本作である。

この種の映画は、よくありそうでなさそうな映画設定だと思う。
 

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その場合、重要になってくるのは、2人の母の演技だけではなく、

子役(松原豊和)の演技ぶりに加え、義父役(永井大)義祖母役(木内みどり)らの、サポート演技だと思う。

越川道夫監督はスキだけども、役者陣の演技ぶりが、映画の出来を左右する作品であろうか。

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冒頭から、貫地谷しほりの黙々の横顔アップが披露される。

子役がジャカジャカやったあとのこの沈黙演技は、作品的にも意味深だ。

そこんところを淡々と演じたあと、実の母はゆっくりと、実の母の本性を露わにしてゆく。

そのあたりの演技ぶりは、監督の演出によるものか、役者の演技作りによるものかは定かではないが、

作品性において、見事な演技ぶりであった。

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本当の母になる申請をしてる、山田真歩の複雑な演技ぶりも、ドラマの行方を左右する重要な演技だ。

貫地谷しほりよりも、よりハードルの高い演技ではなかろうか。

そこんとこを気負いなく、感情を爆発させそうになるとこもあるけど、

抑制の効かせた演技ぶりで、ウーンと渋くうならせてくれた。今年の邦画の演技賞ものかもしれない。

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鹿児島ロケ映画である。

地方ロケ映画は20世紀にも、いっぱいあったんだけど、地方ロケーション・システムが整った21世紀以降は、

邦画の一ジャンルを形成するものとして、大衆から歓迎されたかと思う。

しかし、むしろ整いました以降の方が、逆にプレッシャーとなったのか、地方ロケ映画は多作されつつも、傑作はあまり出ず、

完成したけど公開することなく、お蔵入りする映画も、かなり出てきていた。

地方らしい風景描写がいいとか、本作のように頻出する、夕景シーンとかは、もはや形骸化もしくは、そんなんフツーやんとゆう風に思われている。

そおゆうところには、もはや観客の目はゆかない。

但し、本作はそおゆう地方映画色を取り込みつつも、よくありそうであまりなさそうな新世界へと、踏み込んだ作品なのである。そこんところは間違いない。

とゆうことで、地方映画の熟成を示す快作だ。

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