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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年10月11日 (金)

野村周平主演「WALKING MAN」

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日本のヒップホップ映画の在り方とは?

アナーキーなアウトサイダー野村周平が魅せる!


10月11日の金曜日から、avex picturesの配給により、全国ロードショー。

文=映画・音楽分析評論家・宮城正樹

ⓒ2019 映画「WALKING MAN」製作委員会

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ヒップホップ・ミュージシャンのANARCHYが、初監督した作品。

ラップが主のヒップホップは、基本は黒人の音楽、ブラック・ミュージックだ。

日本人がヒップホップをヤルだなんて…、そんなセリフが本作には出てくる。

1980年代にアメリカで生まれたヒップホップだけど、

1990年代には日本の音楽界にも浸透し始め、

今やヒット・ジャンルの1ジャンルにもなったし、ヒップホップ映画も輩出されている。

ラッパー・エミネムの生き方を描いた「8 Mile」(2002年製作・アメリカ映画)など、ヒット作品も生まれた。

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ラップ・ヒップホップは音楽性よりも、ポエトリー・リーディングのように、自らを主張するところにキモがある。

主張は誰にでもある。だから、誰にでも、自らのオリジナルを歌える音楽なのだ。

で、ANARCHY監督は、主人公に、ヒップホップに似合う、低所得層の若者を設定し、

しかも、吃音とゆうハンデを課すのである。ヒップホップをやるのに、吃音はどう考えてもまずいでしょ。

果たして、主人公はそれを克服できるのか。

本作の大いなる見どころがココにある。

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主人公役には、野村周平が起用された。

野村周平は「ちはやふる」など、広瀬すずとの共演による、さわやか青春系が似合う役者のようだが、

本作では、監督のアーティスト名とシンクロするけど、アナーキーな、はみ出しアウトサイダー系の演技でいってみたぞ。

母(冨樫真)と妹(優希美青)の3人暮らし。不用品回収会社で働き、母が病で入院し、高校生の妹は万引きしたり、風俗で働いたり…。

入院費やらで「自己責任」なるものが、当たり前のように言われる。

そこんところは少し誇張して、描かれているように思ったけど、主人公へのハードル設定としては、これでいいのかな。

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主人公が勤める、会社の先輩役になった柏原収史。

久々に見たけど、主人公を励ます、好感度の高い演技を披露していた。

大げさかもしれないけど、名作「グッド・ウィル・ハンティング」(1997年・アメリカ)の、

ベン・アフレックがマット・デイモンを、励ますようなノリがあった。

おそらくANARCHY監督も、この映画を意識していたと思うよ。

そして、そのANARCHYがラストロールで披露する、ヒップホップナンバーは、メッチャ力強かった。

ココロに残る映画へと誘導する、勇気リンリンになれる歌だった。

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