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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年10月18日 (金)

「愛の小さな歴史」誰でもない恋人たちの風景vol.1

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三角関係ラブストーリー
 
略奪愛も、ヒロインのキモチに沿った作り
10月19日の土曜日から、コピアポア・フィルムの配給・スローラーナーの制作により、新宿K's cinemaほか、全国順次のロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2019 キングレコード株式会社

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ピンク映画は別にして、ATG映画以来、日本映画のインディーズ映画は、巧拙あれど、質度の高い映画を輩出し続けてきた。

最新では「カメラを止めるな!」(2018年製作)のヒットも出た。

そして、ボクの大好きな映画製作会社「スローラーナー」の社長にして監督の、越川道夫が最近、次から次へと、ラブストーリーを撮っている。

ATG映画に魅せられて、日本映画に目覚めたボクは、インディーズ映画の活性化を常に望んでいる。

「ATG映画」や「スローラーナー」で検索すれば、どんな名作があるのかは出てくるので、ここでは省略する。

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でもって、越川監督は、おそらく「カメラを止めるな!」級のヒットを出すべく、映画戦線に挑んでいるとボクは思う。

いや、無論、ヒットすりゃいいというものではないし、映画評論家筋をうならせる、映画作家性も当然示さなければならない。

本作は、三角関係ラブストーリーだ。

でも、そんなのを大マジに撮っても、手垢の付いた素材なだけに、とんでもないオリジナルと評価、そしてヒットまでは至難のワザだろう。

しかし、それでも、本作は妙味のある恋愛映画だった。
 

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ピンクやポルノでは、ヒロインはエゴイズムな男に、もてあそばれたりするけど、濡れ場は3シーンほどあるが、本作にはそんなところは、皆無だと言っていい。

しかも、三角関係にありがちな、ドロドロや男同士の戦いなどはほとんどない。

2人の男は、ヒロインのキモチを最優先させるのだ。

前妻が死亡し、その幻影を引きずったままの男(宇野祥平)は、若妻(瀬戸かほ)と再婚して、2人で古書店をやってる。

そこへ、父を突然死で亡くした、夫の幼なじみの男(深水元基)が現れる。

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ゲーテのエピソードをベースにした、オリジナル・ストーリーだ。

ヒロイン瀬戸かほの、本人視点・客観視点のナレーションを採り入れて、彼女のアップをタイトに映しつつ、ヒロインのキモチに則した作りが施された。

でも、2人の男もムズムズするし、感情もあらわにする。

但し、沈黙や間(ま)の使い方のうまさで、ドロドロの泥沼感は全くなし。

後半に多投される、2分以上の長回し撮影も、3人それぞれの心理を反映した作り方をしていた。

ヒットするかどうかは別にして、あと味のいい三角ラブだった。

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