無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

  • ">

« 「王様になれ」 | トップページ | 「記憶にございません!」⇒日曜邦画劇場 »

2019年9月13日 (金)

「人間失格 太宰治と3人の女たち」

8_20190911234801
太宰治役小栗旬が、3人の女優と絡む
宮沢りえ・沢尻エリカ・二階堂ふみ
あなたのベスト見どころは、3人の誰?
9月13日の金曜日から、全国ロードショー。
文=映画分析研究所 所長 宮城正樹
ⓒ2019「人間失格」製作委員会

1_20190911235401

ボクが見た3作目となる、太宰治原作「人間失格」映画。
最初は、河村隆一主演「ピカレスク・人間失格」(2002年)。
2作目は、生田斗真主演「人間失格」(2009年・弊ブログ分析済み)。
そして、3度目が、小栗旬主演の本作。
主人公に焦点を当てた前2作に対し、本作は、女3人たちとの絡みや人間関係を、詳細に描いた映画になった。
しかも、前2作とは微妙に違うところがある。

2_20190912000001

太宰治役を演じた3人だが、モチ全員イケメンだけど、
前2作の2人が意識的に、自ら太宰が堕落系に意図された演出ぶりだったのに対し、本作は全く違っていた。
本人は全く気だるくはなく、女たちとの絡みはあくまで、小説を創作するための手段や経験だったというのだ。
この解釈は、前2作にはなかったオリジナルなものだ。

3_20190912000101

「斜陽」は、2人目の女・太田静子(沢尻エリカ)との関係の中で、共同執筆したものであったりとかの裏話が披露される。
その時、太宰は1人目の女・津島美知子(宮沢りえ)と結婚し、2人の子供まで儲けていた。
しかし、静子・エリカは堂々と太宰の家庭を訪れて、太宰を伊豆の自分の家に誘い、子供までほしいと訴えて、その願望を叶えるのだ。
妻の美知子・宮沢りえは、夫のやりたい放題に放任している。夫の言い訳を受け入れながら。
この関係性からして、既に太宰の異質な男女関係が、披露されていくのだ。

4_20190912000101

編集者や作家が集う、飲み屋というものがある。
3人目の山崎富栄(二階堂ふみ)とはそこで出会った。
富栄との関係は、実際心中することもあり、かなりディープな作りになっている。

5_20190912000201

3人の女と絡む小栗旬は、3人に対して演技性を変えることなく、自然体とゆうか、飄々とこなしている。
妻との間では、オーソドックスな夫役を演じたりするけども、それに対し、控えめに気丈に応じる宮沢りえの演技は、
奔放になりがちなエリカやふみの演技より、ハードルは高いんじゃないかと思った。

7_20190912000201

3人の女たちのアンサンブル。
太宰治の生き方以上に、本作の大きな見どころである。

6_20190912000201

本作の監督は、「Diner ダイナー」(弊ブログ7月5日付けで分析)に続き、今年2作目の公開となる、女性監督・蜷川実花。
色遣いの鮮やかさに、いつも引き込まれる監督だ。
桜や夕景や雪の自然シーンも巧みに織り込まれ、そのうえで、オリジナルな色彩設計を見せる。
とゆうことで、太宰治映画に、一石を投じる映画だった。

« 「王様になれ」 | トップページ | 「記憶にございません!」⇒日曜邦画劇場 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 「王様になれ」 | トップページ | 「記憶にございません!」⇒日曜邦画劇場 »