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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年9月12日 (木)

「王様になれ」

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ロック・ムービーと泣ける映画のミキシング
ハードルの高みに、どこまで迫れたのか?
9月13日の金曜日から、シネマート新宿ほか、全国順次の公開。
関西なら、9月20日シネマート心斎橋、9月21日京都シネマなどで上映。
本作は2019年製作の日本映画115分。
文=映画分析評論家・宮城正樹
ⓒ2019『王様になれ』フィルムパートナーズ

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日本のロック・バンド「the pillows」の、結成30周年記念プロジェクトとして映画化されたドラマ映画。
そのトリオ・バンドのリーダー・フロントマン・ボーカルの山中さわおが、原案を作った。
ボクはかつて山中さわおに、大阪で2度インタビューしたことがある。
その時に感じたのは、自らのロックへの激しい想いだった。
映画を見れば、細かいところで、主人公(岡山天音)に対し、イチャモン・難癖をつける。
チョイ見すれば、ヤナ奴とゆうイメージもある。
でも、そんな決してプラスにはならない、負の視点も入れつつ、この映画に山中が込めた想いとは何か。

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「クリープハイプ」や「神聖かまってちゃん」など、グループ・バンドを狂言回しにしながら、
映画としてのラブストーリーやら、ヒューマン・ドラマを構築する、邦画の低予算映画は、実はケッコーある。
予算は別にして、最近では洋画ではあるが、ビートルズを回した「イエスタデイ」(2019年製作・イギリス&アメリカ映画・10月11日公開・弊ブログ後日分析予定)は、
その種の映画の、映画史に残る傑作だと見たが、では、本作はどんなものなのだろう?

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the pillowsたちミュージシャンを撮る、カメラマンが主人公だが、スクープを狙うカメラマンじゃないのに、その何たるかのノウハウややり取りに少々疑問があったし、ボクの経験上においても、そんなに大げさなものじゃないと思う。
それをあえて一大事のように撮ろうとしたのは、山中さわおの意図なのか、分からないが、
そんな見習いカメラマンの恋愛に、フォーカスするのも、どうなんだろう。
しかも、その恋愛相手がthe pillowsのファンで、「セカチュウ」並みに不治の病に侵されてるとなれば、何やら付け焼刃的にも見えやしないか。
それでは、泣ける映画にはならないように見えたのだが…。

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山中はこの映画で何を目指そうとしたのか。
考えるに、ライヴ・シーンで魅せる自らのロック魂と、泣ける恋愛映画をシンクロナイズさせることだろうか。
それぞれの方向性は正しい。
どちらも中途半端になりかねないところを、何とか踏ん張った。
そんなカンジの映画に見える。
こおゆう映画はこれまでにもあった。
それでも、山中や岡山の熱量は高かった。
評論家筋の評価は低いかもしれない。
ただ、評論家の評価が今は昔で、今の時代には、その映画が売れる売れないに、左右はされないように思う。
この熱量が、みなさんにどう見られるのか。ボクは見てみたいと思う。
恋愛ドラマやミュージシャン・ドラマの在り方は、決して悪くはないのだから。
そのあたりを視野に入れつつ、鑑賞してほしい映画だった。

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