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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析

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2019年9月15日 (日)

「記憶にございません!」⇒日曜邦画劇場

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三谷幸喜ブランドな群像コメディだ

中井貴一コミカル演技は最高潮だ

9月13日のフライデーから、全国ロードショー。
文=映画分析研究所 所長 宮城正樹
ⓒ2019 フジテレビ・東宝

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三谷幸喜の群像コメディ映画も、本作で第8弾だ。

その8作の出来具合を、マイ・ベストとして、1位から8位まで披露しようかなと思ったけど、あえてやりません。

監督デビュー作「ラヂオの時間」(1997年)が1位ではあると思う。

しかし、2位以降を順位付けするには、その7作はほとんど差がなく、
どの作品にも、三谷ブランドここにあり!になっているからだ。
 

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そして、毎回コメディとはいえ、ジャンルを変えていることにも気付く。

ラジオ・メイキングや映画メイキングに加え、一軒家建築メイキング、ホテル映画、裁判劇、時代劇、SFなどと続き、

それぞれの映画において、トンデモ・コミカル・オリジナル・ポイントを加えている。
作品名は書かないけど、大たいはピーンとくるでしょう。

いやはや、ケッコー凄いと思う。

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でもって、本作であります。

ジャンル的には、これまでの三谷幸喜作品にはなかった、政治映画。

日本の政治に関する映画ではあるが、モチ、群像コメディである点に変わりはない。

但し、政治コメディ「国会へ行こう!」(1993年)などとは、面白さの質が違う。

時に三谷作品の主人公には、意外性・特殊設定を施されている場合がある。

だから、総理大臣役主人公(中井貴一)は、フツーじゃない。
 

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総理は利権絡みで莫大な献金に執着し、国民に対し開き直るような政治家だった。

支持率はメッチャ低い。

なのに、政権を維持しているのはなぜ?

とゆうとこは、とりあえずスルーして、

そんな総理が、聴衆の1人から石を投げつけられて、記憶喪失になってしまう。

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つまり、記憶喪失をキーワードにしたのだ。

記憶喪失映画を、チョイアイロニカルに逆手に取って、採り入れてみせたのだ。

記憶喪失になった総理は、喪失前とは全く真逆の人間になっていた。

この設定により、周囲の人間たちとの関係が、まったくもって、ひっくり返ることになる。

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誠実になった総理が、政治の在り方を変えていくところは、大きな見どころだ。

加えて、ドラマ映えしやすい、不倫系の三角関係の、ラブストーリーなところもある。

このあたりのシチュエートも、あり得ないくらいに、新しい設定だ。

影武者大統領を描いた「デーヴ」(1993年・アメリカ)以上に、画期的な作りだった。

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コメディアンとしてのイロもあるけど、ボクたちの世代では、シリアス演技がココロに響いた中井貴一が、本作ではオオマジでコメディアンしている。

三谷幸喜のWOWOWのドラマ演出作品「short cut」(2012年4月に弊ブログ分析)でも、コメディ演技を披露していたし、

最近ではシリアスものには、あんまし出ていないけど…。

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だが、本作では、最後には、シリアスを見せる。

とことんのコメディは、中井貴一キイッちゃんには似合わない。

けど、そこがキイッちゃんらしいとこだろう。

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かつてのロッキード事件裁判(現役の田中角栄総理が、収賄容疑で逮捕された事件で、証人尋問での証人の発言「記憶にございません」が、流行語になった)を、

思い出させるタイトル付けに、三谷幸喜監督らしい遊びゴコロが、見え隠れする。

そんなところにも、ボクは密かにグッときた!

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