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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年11月 1日 (木)

「ビブリア古書堂の事件手帖」

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殺人事件の起こらないミステリー映画だ

黒木華と野村周平が、ホームズ&ワトソン設定だ

http://biblia-movie.jp

11月1日の木曜日から、20世紀フォックス映画とKADOKAWAの配給で、全国ロードショー。

ⓒ2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会

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殺人のないミステリーなんて、みなさん、いかがでしょうか。

え!? そんなのあり? なんて思うかもしれないけど、

例えば、名作と言われる、人物の謎を追った「市民ケーン」(1941年製作・アメリカ映画・モノクロ)や、

「恐怖の報酬」(1952年・フランス・モノクロ)や、

ヒッチコック監督の「めまい」(1958年・アメリカ)なんかの、サスペンス映画には、

人の死はあっても、殺人事件はない。

殺人がなくても、充分にハラハラドキドキの、ミステリー映画は、クリエイトできるのだ。

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そして、殺人事件はなくとも、

ホームズ探偵・助手のワトソンとゆう図式も作れることを、本作は証明してみせる。

本作では、古書店経営者・店主役の黒木華がホームズで、

古書店アルバイト役の野村周平が、ワトソンになるとゆう設定だ。

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アメリカには、映画化されていないけど、古書ハンターが活躍する、ミステリー小説があるけれど、

本作は、日本では珍しい、古本にまつわるミステリーだ。

死んだ祖母が持っていた、夏目漱石全集の「それから」の謎の究明を、

黒木華の元に、持ち込んだ野村周平。

途方もない推理を、短時間で静かにクールに、披露してみせる黒木華。

この二人がコンビになって、さらなる謎の追求へと向かっていく。

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漱石の「それから」と太宰治の「晩年」が、

ハットトリッキーにつながっていく、推理ぶりが見事だった。

掘り返されるのは、夏帆と東出昌大が演じる、若き頃の祖母の、不倫ラブストーリーだ。

1964年以降の過去を、セピアな淡さを採り入れて描き、

現代の2人の古書探偵ぶりと、カットバック的に描いてゆく構成になっている。

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その2人に絡むのは、マンガ専門

のネット販売者役の成田凌。

「ここは退屈迎えに来て」(2018

年・弊ブログ分析済み)や、

「スマホを落としただけなのに」

(11月2日公開・後日分析)など、

曲者役者ぶりを発揮しているけ

ど、本作ではどうか…?

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現代の古書を巡るミステリーと、過去のラブ・ミステリーが、

絶妙に交錯するスタイルが、何はともあれ、斬新で面白い。

黒木華と野村周平は、共にキャラ立ちもしていて、

シリーズ化されたら、さらに面白くなるかもしれない。

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鎌倉が舞台とゆうのも、雰囲気よしで、ココロそそられた。

ラストロールで流れる、サザンオールスターズの主題歌「北鎌倉の思い出」。

桑田佳祐のヨメはん、ハラボーこと、キーボード担当の原由子が、癒やしのポップスを歌う。

そんなしっとりのラストもまた、シリーズ化を期待させる、仕上がりぶりだった。

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