無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


« 「LBJ ケネディの意志を継いだ男」 | トップページ | 「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」 »

2018年10月12日 (金)

樹木希林の遺作「日日是好日」(にちにちこれこうじつ)

11
ワビサビ枯淡な茶道映画な女性映画

静謐な流れの向こう側に心地よい境地が…

http://www.nichinichimovie.jp

10月13日の土曜日から、全国ロードショー。

ⓒ2018「日日是好日」製作委員会

1
ヒロイン映画いっぱいあれど、こんなヒロイン映画は、あんまし見たことがない。

何やら静謐すぎるのである。

比較するには大げさかもしれないが、

「風と共に去りぬ」(1939年製作・アメリカ映画)の、

スカーレット・オハラのような激しさも、ドラマティックもない。

けども、しみじみとココロにクル。

ヒロインが茶道に、傾倒してゆくこの滋味は、

まさに日本女性らしさを示す、クラシック映画と言えないか。

3
ヒロイン・アクション映画もあるけど、

ヒロイン映画と言えば、古来より、映画の中にいるみたいな、

ラブストーリーが定番だったかと思う。

ところが、本作のヒロイン(黒木華)は、

ラブストーリー部は、婚約相手や彼氏を見せずに、成就したかしなかったかの、結果だけを見せるだけで、

あとは、何となく茶道にハマってゆき、

でもって、遂にはどうなることもなく、枯淡ある悟り(!?)の境地へとたどり着く、

ナンチュー(!?)映画なのでありました。

10
茶道の師匠(樹木希林)と、

ヒロイン、ヒロインの従姉妹(多部未華子)を、始めとした生徒・弟子たちの、

茶道教室の現場を、メインにしたドラマが作られてゆく。

師匠と弟子たちのやりとりに、

茶道のノウハウ以外に、ワビサビな滋味深さもあった。

7
枯淡を地でゆく、穏やかな師匠役・樹木希林の遺作となった作品。

先に書いた大杉漣と同じく、

主演作はさほど多くはなかったし、本作も助演ではあるけど、

彼女の遺作にして、最高傑作とも取れる作品となっている。

6
何はともあれ、これほど穏やかでつつましい演技ぶりは、そうそうない。

黒木華も、そんな演技ぶりを、継承しているかのようだ。

とゆうか、黒木華は、まさに樹木希林的演技系譜に入る女優だろう。

ラストのクローズアップも、グッときた。

4
1993年から2018年の現代までを、ヒロインの視点をメインに、時代の流れに則して描いている。

過去をカットバックした構成の巧みより、

流れを重視した作りは、分かりやすくて深みも感じられる。

8
大森立嗣監督の新作。

いわくつきのヒロイン映画が、評価の高い監督だが、

こおゆう静かで、裏のない地味なヒロイン映画もまた、よい出来栄えだ。

5
利休もの時代劇などの茶道は、本格的じゃなかったが、

本作は茶道映画のハンパなさを、ストレートに示した、かつてない作品だ。

9
そして、茶道を通した、人のキズナも、モチ描いている。

樹木希林の遺作にふさわしく、

また、黒木華にとっても、代表作となった1作だと言える。

さらに言うなら、「日日是好日」の言葉を、具現化した快作だった。

12

« 「LBJ ケネディの意志を継いだ男」 | トップページ | 「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1308338/74377583

この記事へのトラックバック一覧です: 樹木希林の遺作「日日是好日」(にちにちこれこうじつ):

« 「LBJ ケネディの意志を継いだ男」 | トップページ | 「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」 »