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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年10月10日 (水)

「教誨師」⇒大杉漣の主演遺作

2
大杉漣さんが、最後にたどり着いた、悟りの演技とは?

今年の日本映画の、ベストテン級の映画だ!

http://kyoukaishi-movie.com/

10月6日から、有楽町スバル座、テアトル梅田などで、全国順次のロードショー。

ⓒ「教誨師」members

1
牧師(大杉漣)が、6人の死刑囚と面談し対話をする、室内劇仕様の群像劇。

死刑の場で、死刑囚に立ち会う神父の姿が、何度か映画でチョイ役で登場してきたが、

本作は、そんな神父の姿を、映画史上初めて、主演役として、取り上げた映画だろう。

4
洋画では、シスターが特定の死刑囚と向き合う、

「デッドマン・ウォーキング」(1995年製作・アメリカ映画)などの名作があるが、

司法当局から指名された、神父・牧師ではなかった。

刑務所内関連の日本映画としては、「刑務所の中」(2002年)以来の、傑作となったのではないだろうか。

本作の佐向大(さこ・だい)監督的にも、

脚本を担当した、看守と囚人のドラマ映画「休暇」(2007年)の、刑務所舞台映画があり、

囚人ヒューマン・ドラマのツボを心得ている。

5
大杉漣の最後のプロデュース映画にして、主演の遺作となった作品だ。

漣さんは、多様多彩な演技ぶりを披露してきたけど、

本作は、名前の漣の音読み、さざなみのような穏やかな演技を、

最後の最後に披露し、感銘深い作品となっている。

7
「神父ではなく牧師です」と言う、大杉漣と、

6人の異質で異能、クセもの揃いの、死刑囚

たちとのやりとりが、カットバック

されてゆく。

最初は何も喋らず、黙り続ける古

舘寛治。

彼から言葉を引き出すべく、自分

の過去を訥々と話す漣さん。

古館が叫ぶシーンは衝撃だ。

6
無差別大量殺人をした玉置玲央との、日本の在り方に関するやり取り。

字が読めない書けない、五頭岳夫との交流ぶり。

酒好きヤクザ役の光石研に加え、

関西弁を駆使する烏丸せつことの、

逼迫してないけど、ユニークなやり取りなど、

硬軟両用に対し、どこまでも、穏和に対応してゆく漣さん。

8_2
その演技ぶりは、最後の最後までブレない。

北野武監督作品などの激・激演技が、印象的な漣さんが、

最後にたどり着いた、仙人のような悟りの境地な演技が、

本作なのではないか。

9
6人の誰かの死刑にも立ち会う。

そんなシーンを含めて、渋く泣ける。

つまりは、じわりと胸にクル映画なのだ。

数少ない漣さんの主演映画だが、

本作は彼の最高傑作と、言っていい仕上がりなのだ。

3
6人の死刑囚に扮した役者たちの演技も、ココロに残った。

とゆうことで、今年の日本映画の、ベストテン級映画に、指名したい映画だった。

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