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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年10月 2日 (火)

「太陽の塔」⇒大阪万博の象徴だ

3
前衛で異様な「太陽の塔」を、アート的に分析する

21世紀に大阪万博を、再び見たくなる作品だ

http://www.taiyo-no-to-movie.jp

9月29日の土曜日から、渋谷・シネクイント、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、ほかで公開中。

ⓒ2018 映画『太陽の塔』製作委員会

1
特定のアート作品を、分析したドキュメンタリー映画。

これまでは、「モナリザ」とか、芸術史に残る有名な、絵画などが主流であったが、

本作は、日本史に残るイベント、1970年の「大阪万国博覧会」で創られた、

シンボライズ・テーマ作品「太陽の塔」が、採り上げられた。

2
この種の映画では、定番だけど、

作品を創造したアーティストも、人間ドキュのノリで採り上げられる。

「芸術は爆発だ!」のセリフ入りCMが、当時話題になった、岡本太郎だ。

モチ、ドキュには欠かせない、いろんな人へのインタビューも、カットバックされてゆく。

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さらに、短編ドラマが織り込まれる。

昨年の傑作人間ドキュ「禅と骨」(弊ブログ分析済み)では、

本編の半ば近くが、ドラマとして披露されたが、本作もシンボライズ的に作られた。

織田梨沙が原始人仕様に扮して、太陽の塔と絡む、サイレント映画だ。

本編の中で、イメージ・ショット的にも使われるが、

冒頭とラストで披露されて、単なるドキュではないところを主張する。

6
大阪万博のダイジェスト・シーンから、太陽の塔へとフォーカス。

太陽の塔が、どのような芸術的コンセプトで創られたのか、

岡本太郎の意図などが、語られ、描かれてゆく。

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そんな作品分析が続く中で、岡本太郎の壁画作品にリンクして、

3.11の東日本大震災の、福島原発の問題とか、

岡本作品にインスパイアーされた、ダンサー菅原小春のダンス・シーンとかが、

何気に披露されてゆく。

7
大阪万博のドキュ映画なんかも、かつてはあったけど、

太陽の塔がメインで、採り上げられたドキュ映画は、かつてない。

その製作過程を映すのが、フツーのドキュなんだろうけど、

本作は映画作家的アート性が入って、ドキュ・アート映画のノリがあった。

分析もナレーションもなく、そのまま映して観客に問いかける、ドキュ映画の巨匠フレデリック・ワイズマンとは、

ある意味、真逆の作りをしていると、言えるのではないか。

5
関根光才(こうさい)監督の初の長編ドキュ。

初の長編ドラマ映画「生きてるだけで、愛。」(11月9日公開・後日分析予定)も、

作家性あるヒロイン映画だったが、本作もヒロインが、太陽の塔になっただけ。

その描き方の前衛ぶりを、味わってもらいたい。

そして、USJを誘致した大阪の、次なる万博に期待したい。

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