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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年9月28日 (金)

悲愁のサスペンス「運命は踊る」

Photo
ミステリー的にも面白いイスラエル映画だ

アイロニカルに満ちた、親子のキズナとは?

http://www.bitters.co.jp/foxtrot/

9月29日のサタデーから、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、

テアトル梅田、京都シネマ、シネ・リーブル神戸ほか、全国順次のロードショー。

本作は、2017年製作の、イスラエル&ドイツ&フランス&スイス合作の113分。

ⓒPola Pandra - Spiro Films - A.S.A.P. Films - Knm - Arte France Cinema - 2017

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イスラエルから届いた、スリリングでサスペンスな作品。

みなさん、イスラエル映画なんて、あんまし見たことないよね。

でも、今年は本作を始め、

「嘘はフィクサーのはじまり」(2016年製作・イスラエル&アメリカ合作・10月27日公開・弊ブログ後日分析予定)

なんかも、本邦上陸。

共に第三世界国映画の、新境地

を拓いた傑作だ。

月末に披露してる、マイ年間ベス

トテン級映画に、共に入った映画

でもあります。

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2作に共に主演・出演した、イスラエルのアクター、リオール・アシュケナージーが、

威厳かつ苦渋に満ちた、2界をフレキシブルに演じ抜いた。

特に、本作はそのあたりの微妙さ・微細ぶりが、巧妙かつ巧緻だった。

兵役に就く息子の、戦死を告知される、オトン役主人公。

冒頭から、呆然自失としたオトンの、感情を見せるアップを、

2分くらいの長回し撮影で披露。

その後の悲哀をメインにした、喜怒哀楽演技もまた、渋く魅せている。

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しかし、息子は生きていた。

同姓同名の他人だったのだ。

そんな息子サイドを、両親サイドとカットバックしてゆく。

国境付近で3人の兵士と共に、警備任務に着いている息子。

その様子を、詳細に描出してゆく。

息子が聴く音楽に、

「ベニスに死す」(1971年製作・イタリア映画・弊ブログ分析済み)でも使われた、

グスタフ・マーラーのクラシック・ナンバーあり、

マンボ・ダンスや詩の朗読ありと、何やら文化的な生活をしてるみたいだぞ。

美女がウサギに惚れるか、ナンチュー、「ロジャー・ラビット」(1988年・アメリカ)入りのセリフなど、

映画的なとこもあり、何やらメッチャ楽しげだ。

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でも、そんな中でも、事件は起こる。

息子が兵役を解任されるまでに至る、その事件は、

ハリウッド映画なみの、スリリングがあった。

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そして、アイロニカルな、ラスト・シークエンスへと至る。

さらに、聖書とエロ雑誌を交換したとゆう、オトンのユニークなエピソードなどは、

悲愁ドラマを弛緩させて、逆に皮肉さを増している。

モチ、映画的な上からのカットや、遠近感あるロングショットなどを、芸術映画的ノリで多用。

映画的余韻は深い。

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何はともあれ、イスラエルのお国柄を、覆すような作品。

ラストのどんでん返し的展開など、

ミステリー的にも、魅力ある作品だった。

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