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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年9月 6日 (木)

「寝ても覚めても」⇒年間ベストテン級日本映画

3
変型ラブストーリーの傑作が公開中だ

かつてない恋愛の在り方が提示される!

http://www.netemosametemo.jp

9月1日から、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、テアトル梅田、なんばパークスシネマほかで上映中。

ⓒ2018映画「寝ても覚めても」製作委員会/COMME DES CINEMAS

1
本作は、日本映画では、メッチャ珍しい変型ラブストーリーだ。

とゆうことで、ボクはあんまし、見てはいないんだけど、

そんなラブストーリーの、マイ・ベスト・スリー(順不同)を、披露いたしますと…。

ちなみに、いかにも変型なカタチで多い、レズ・ゲイ映画は外しとります。

2
①本作

②シベールの日曜日(1962年製作・フランス映画・モノクロ)

③オアシス(2002年・韓国)

●ラブストーリーの王国、ハリウッド映画には、

いわく付きの恋愛映画は、探せばあるんだろうけど、ボクは見たことがない。

いわゆる、ハリウッド的正統系の恋愛映画は、

確かに「映画の中にいるみたい」な、ウットリなキモチを、促進するだろう。

4
しかし、変型ラブは、一般受けというよりも、むしろ逆に、ゴリゴリの映画ファンを刺激する。

さて、各ベストの変型ポイントを見てみよう。

②は、スタンリー・キューブリック監督の「ロリータ」(1962年・イギリス・モノクロ)以来、

時に出てくる、少女と大人の恋愛。

③は、稀少な障害者と健常者との恋愛。

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そして、本作は、同じ顔の男(東出昌大)との、同時ではなく、時を経た恋愛を描く、ヒロイン(唐田えりか)の物語。

同じ容貌・体型の別々の人を、愛することになる映画とゆうのは、ボクは初めて見た。

8
韓流ドラマの「冬のソナタ」などは、記憶喪失などがキー・ワードとなり、

別々ではなく、おんなじ人間とゆうカタチだったが、

本作は、ストレートに、別々の人間である点を強調する。

5
こおゆう映画の場合は、恋愛は外見なのか、性格なのかが、

命題となるような映画に、なると思うのだが、

本作はそこんとこを、2人の心理を、絶妙に演出・演技することで、

外見・性格関係なく、ドラマティックな恋愛映画としていて、見事極まりなかった。

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演技陣が頑張った。

東出昌大は、いわゆる1人2役を、性格違いで演技分けする。

見ていただいたら分かると思うが、今年の演技賞ものとも言える、描き分けだ。

6
東出のお相手役の、新人・唐田えりかチャン。

いきなり、ハードルの高い、複雑系の演技だが、

2人の男の間で揺れる想いを、

濱口竜介監督の演出力にもよるのだろうけど、巧妙に演じ抜いた。

また、脇役陣にも注目。

演劇論を大胆に語る瀬戸康史。彼に恋して結婚する、好感ある山下リオ。

ヒロインの悪友役の、関西弁を駆使する、伊藤沙莉(さいり)の、オトコオンナな魅力。

母子役となる、大ベテラン田中美佐子の弱々しさ、渡辺大知のビョーキ演技、共に印象深い。

9
冒頭の大阪編から、東京編へ転換。

東日本大震災前後の時代感を、取り込みつつ紡ぐ恋愛映画。

「きみの鳥はうたえる」(6月30日付けで弊ブログ分析済み)と同じく、

映画ファンを今なお魅了する、ATG映画やヌーヴェル・バーグ的センスのある映画だ。

ボクは、今年の日本映画のベストテン級映画だと断じます。

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