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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年7月 4日 (水)

「返還交渉人」

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井浦新のヒロイズムに、魅せられる映画だ

戸田菜穂ネーさんの、名サポートぶりも良し

http://www.henkan-movie.com

6月30日の土曜日から、太秦の配給により、ポレポレ東中野ほか、全国順次のロードショー。

ⓒNHK

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NHKの地上波・BSなどのテレビドラマが、そのまま映画版になった1作。

沖縄返還をポイントにした、返還に命を懸けた実在の男の、

熱血あるヒューマン・ドラマとなった。

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主演は井浦新。

彼には、正統系のヒューマニズム映画は、似合わないと思ってたけど、

今作は、思いがけないくらいの、イメチェン作品となった。

ここで、井浦新の、ARATA名義時代の作品を含めて、

マイ・ベスト・ファイブを、順不同で披露すると…。

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①本作

②かぞくのくに(2012年製作・弊ブログ分析済み)

③ワンダフルライフ(1998年)

④ピンポン(2002年)

⑤11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち(2012年・ブログ分析済み)

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●モロ北朝鮮男②、卓球嫌いの卓球の名手④、エキセントリックな作家⑤など、屈折した男を演じた井浦は、

時に、考えられないような、奇跡に近い演技力を見せていた。

しかし、死人を天国へと導く優しい男を演じた、是枝裕和監督作③や、

本作のように、ストレートな正義漢ある、ヒロイズム演技でもまた、

彼は観客を魅せられるんだと、ボクはグッときたのだ。

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ベテラン名バイ・プレーヤー石橋蓮司との、酒を飲み合っての会話シーン、

今は亡き大杉漣や、曲者俳優・佐野史郎とのやり取り、

アメリカとの交渉ぶり、

妻役・戸田菜穂との、ラブ・ストーリーとは趣きを異にした、誠実な絡みなど、

ヒロイズム演技のマニュアル・お手本的なところが、

その種の映画に見られがちな、鼻につくようなこともなく、

自然に見せている点も、かなりの好感を呼んでいたかと思う。

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大阪万博や、ニュース記録映像も取り込みつつ、

1960年代から、1970年代の話にふさわしく、薄色配色で当時を再現。

映画に、シブミを加えていた。

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ナレーションを担当した仲代達矢の、重厚な語り口、

哀愁のトランペットや、映画的リズミックを、構築したベースなどのサントラ使いも、

ドラマのシブミに、大いに貢献していた。

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本作はモチ、沖縄ロケ入りの映画だが、

1970年代の沖縄ロケ映画「青幻記・遠い日の母は美しく」(1973年)なんかも、思い出しつつ、見ていた一方で、

沖縄返還には「密約」が、あったとかゆう実話ドラマもあったけど、

こちらは正統系でいってるので、その種のドラマを裏とするなら、

本作は正攻法な作りによる、表バージョンだと言えるのではないか。

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井浦新・戸田菜穂夫婦が、年老いて沖縄へ行くラスト・シークエンスで、

映画的ドラマティークは完結するが、

その心地よさにも、ココロ打たれた作品だった。

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