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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年7月12日 (木)

「インサイド」

1
スリリングかつ緊張感ある、ヒロイン・サスペンス

2時間ドラマの映画的進化型だ

http://INSIDE-MOVIE.JP

7月13日のフライデーから、ショウゲートの配給で、全国ロードショー。

本作は、2016年製作の、スペイン&アメリカ合作の89分。

ⓒ2016 NOSTROMO PICTURES SL/INSIDE PRODUCTION AIE/GRAND PIANO LLC

3
本作は、クライシスに1人で対応し、危機をハネのける、ヒロイン・サスペンスの快作。

そういうサスペンス映画は、これまでに多数存在する。

しかし、本作のヒロインは、ある種のハンデを負ったと取れる、出産間近の妊婦だ。

10
盲目のヒロインが1人で、強盗らから身を守る「暗くなるまで待って」(1967年製作・アメリカ映画)のような、

ハンデキャッパー・ヒロインの、知己ある応戦・反撃が展開する。

ただし、相手は女1人だ。

女対女のガチ対決が、スリリングかつ緊張感に満ちて、さらにサスペンスフルに繰り広げられる。

2
妊婦が危機に遭う映画となれば、ボクがイチバンに思い出すのは、

モダンホラー映画の嚆矢「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年・アメリカ)だが、

本作との相似は、妊娠とゆうキーワード以外に、

緊張感ある静かなる展開と流れの中で、徐々に波乱への予感が増し、

そして、遂にバクハツ! となる作りが強烈なのだ。

6
冒頭。

妊娠経過を病院で見たヒロイン夫妻が、自家用車で家に帰るその帰途、正面衝突の交通事故に遭ってしまう。

でもって、ダンナは死亡、ヒロインは聴覚障害になる。

9
一方、偶然にもヒロイン側と同じく、妊娠中の夫妻だった事故の相手側。

どんな風になったのかは、すぐには示されない。

ネタに関わるから、わざと隠してるんだけど、想像は容易につく。

ただし、相手側がどう考え、どう行動するのか。

そこが大いなるネタであり、謎めきの行動原理となっている。

7
人物のアップが頻出するが、謎めきサスペンスには、欠かせない撮り方だ。

クライマックスでは、女2人対決になるので、

その効果は、臨場感の創出と共に、ハラハラドキドキを増していく。

4
家の部屋内外での攻防が、緻密に展開。

「パニック・ルーム」(2002年・アメリカ)や「ウィークエンド」(1976年・カナダ)のような、

駆け引きの応酬に、目が離せない。

8

そんでもって、とんでもない場所での、対決へと続いてゆくのだ。驚きがあった。

相手の動機はシンプルだけど、ある意味でココロ凍るものだし、

異常心理サスペンスとしても、

直情径行型の「危険な情事」(1987年・アメリカ)並みに、背筋に寒々しさを感じた。

5
今やオンエア機会が少なくなった、テレビの2時間ドラマと、比較するのは、どうかとは思ったけど、

本作はそんなドラマを、映画的に進化させた作品だ。

「火サス」よりサス度合いは高く、「土ワイ」よりワイ度は濃縮され、タイトでカチッとしている。

断崖が水際攻防となるところも、また面白かった。

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