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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年7月 6日 (金)

池松壮亮主演「君が君で君だ」

1
三角関係じゃない、こんな一途で情けない、男たちの純情ぶり

片想い恋愛映画のユニークな新次元か!?

http://www.kimikimikimi.jp

7月7日の七夕から、ティ・ジョイの配給により、全国ロードショー。

ⓒ2018「君が君で君だ」製作委員会

2
ヒロインの韓国女性(キム・コッピ)に、

各人の出会いやアプローチや展開で、惚れ

た3人(池松壮亮・満島真之介・大

倉孝二)が、

ヒロインの好きなタイプの、セレ

ブになり切って、

10年間ヒロインを、向かいの部屋

から、3人で共同生活をしなが

ら、見守り続けた。

なり切ったのは、池松が尾崎豊、大倉が坂本龍馬、満島がブラッド・ピットだ。

フィクションでもおよそ、考えられないようなお話を、

妄想系と現実系を織り交ぜて、映画化したのが本作だ。

4
彼女には10年の間に、彼氏(高杉真宙)ができていて、

そいつが借金して返さない分が、彼女の負担になり、

借金取り立て屋(YOU、向井理)が登場する。

そして、取り立て屋たちが、向かいの3人の存在を知り、彼らに接近。

丁々発止のやり取りが繰り広げられる。

5
男たちの情けない姿を無視すれば、

まるでコンゲーム・ノリの映画のような、スリリングが内在してる映画だ。

8
そんな映画にしてる起因は、役者たちのトチ狂ってゆくような、負の演技アンサンブルとゆうか、

逆アンサンブルとでも呼ぶべき点に、あるのではないだろうか。

かみ合わない演技の数々が、ボクたちのココロを、徐々にくすぶらせてゆく。

意図的かつ作為的だ。

しかし、これは、男たちのだらしなさを、無理にも美化して、

テーマの是非を問う、攻撃的な作術劇ではないか。

7
どう見ても、1人の女に魅せられた男の、情けなさをとことん露呈してゆく、

池松壮亮、満島真之介、大倉孝二の演技。

何やってんだ!の想いを募らせる。

だが、このもどかしさをカンジさせることこそが、本作の大いなる狙いの内なのである。

9
彼らに対する、キム・コッピの、消極的なビジター的演技や、

彼らに抗する、YOUの、いつも

ながらのけだるさ、

対して、向井理の、演

技幅を見せるヤクザっ

ぽさなど、

演技の多種多様の混

成が、映画の着地へ向

けた方向性を、右往左

往させてゆく。

全くもって、松居大悟監

督の作術劇に、ハメら

れる映画だった。

6
3人とヒロインの過去のシーンでは、

色褪せた色合いとか、モノクロだったりを駆使したりの、

映画作家的施しを、採り入れつつも、

やはり、どうしても男の不甲斐なさが、浮き彫りになってくる作りだ。

10
ギター・サウンド、バイオリンなどの弦楽を、主にしたインストに、

尾崎豊の歌を、ドラマティックに流してゆくサントラ使いは、印象的だった。

特に、尾崎豊の歌に乗って、池松壮亮とキム・コッピが、

レコード店から、ひまわり畑へ出て絡み合う、ミュージカルチックなシークエンスは、

秀逸なココロに残るシーンだろう

3
この映画の宣伝コピーに、

「なんてひどい!なんて無様だ!この映画は、観ちゃいけない!」なんてあるけど、

モチ、そう言ってみんなのココロを、そそろうとする意図なんだけど、

本作はそんな意図通りがありながらも、なぜかなんだかオモロかった。

そのあたりの二律背反ぶりも、楽しみたい作品だ。

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