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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年6月10日 (日)

「羊と鋼の森」⇒山﨑賢人主演・日曜邦画劇場

6
コレは珍しいピアノ調律師の人間ドラマだ

山﨑賢人初の、静謐・誠実なる演技

http://www.hitsuji-hagane-movie.com

6月8日の金曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2018「羊と鋼の森」製作委員会

1
裏読みではあるが、ピアノをポイントにした映画は、これまでにケッコーあった。

但し、それらはピアニストとゆう、華やかに表に出てくる人に、焦点が当てられたものだった。

本作は、完全なる裏方となる、ピアノ調律師(山﨑賢人)の、四苦八苦を描く物語だ。

2
静謐である。

ピアノを調律するための、ノウハウ描写もあるけど、

また、調律師の先輩役の鈴木亮平や、

名人にして社長役の三浦友和から、イロイロと教えられるけど、

調律に集中する時間だけでなく、静かなる時間が流れてくる。

3
一般的に、映画的間(ま)の使い方とゆうのは、目立たないものだ。

どちらかとゆうと、本編には、何の関係もないと思われがちだ。

本作では、それが実に巧みのワザだった。

ともすると、間合いは観客の退屈を、もたらしかねない。

けども、本作では、そおゆうとこはなかったと思う。

緊張とか深みとかを、誘発する間なのだった。

4
北海道旭川ロケ映画だ。

夕景を始めとした空の風景、街の描写など、地方ロケらしい、自然風景やらに魅せられる。

特に、ピアノ調律が、森を思い出させるとゆう、主人公・山﨑賢人のイメージ・シーンでは、

北海道の森が、癒やし系のノリで、優しく静かに現れる。

陽光・自然光の使い方も、絶妙かつ自然だった。

部屋内シーンでの、陽光セピア的配色も、目に優しい仕上

8
人間関係の相克とかは、ないのかとくれば、ないこともない。

調律がうまくいかなかった場合には、当然クレームがある。

「君の名は。」(2016年製作・弊ブログ分析済み)の主演女優声優で、脚光を浴びた上白石萌音(かみしらいし・もね)が、

実の妹の上白石萌歌(もか)と、映画上でも、ピアノを弾く姉妹役で共演。

この2人の場合は、クレームではないけども、ピアニストの繊細さを示す逸話になっている。

5
無論、そういう人たちと向き合うのが、調律師の調律師たるところだ。

クライマックスでは、そこんところが、大きな見どころとなっている。

7
好感ある、鈴木亮平や三浦友和の調律師役が、賢人クンをメッチャ映えさせていたと思うな。

脇役はどうか…。

仲里依紗がゼブラーマンやった時より、えらいスリムになってるやんとか、

城田優、久々に見たわとかも、そんなに気にならない。

10
作曲・久石譲とピアノ・辻井伸行の、初のコラボレートによる、

美しきオーケストラ・サントラにも、魅せられたい作品だ。

11
監督は橋本光二郎だ。

トリッキーなコミック原作だった、映画監督デビュー作「orange-オレンジ-」(2015年・ブログ分析済み)と違い、

こちらは小説原作の、クセのないストレートな作品。

それだけに、イマジネーション的には、映画作家性を、自在に示せる作品になっている。

イメージ・テイクのいくつかには、痺れるところがあった。

9
原民喜の著作「砂漠の花」の文章が、本作のキモとして出てくる。

映像と文章の違いを今さらながら、言うまでもないけど、

こおゆう活字の使い方は、個人的には面白かった。

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