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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年6月 5日 (火)

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」

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単館系ながら、ただ今各地でヒット中!

アンチ・ディズニー映画の最高傑作だ

http://www.floridaproject.net

5月12日の土曜日から、クロックワークスの配給により、新宿バルト9、梅田ブルク7、なんばパークスシネマほかで、全国ロードショー。

本作は、2017年製作の、アメリカ映画112分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2017 Frorida Project 2016, LLC.

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ディズニー・ランドの近くに、家を失くした人たちや、ホームレスな家族らの貧民層が、常宿するモーテルがあった。

本作は、格差社会の究極のカタチを示す、アメリカ・フロリダの現況を、描いた問題作だ。

緻密な取材により、リアリティーを積み重ねて映画化しただけに、

説得力あるドラマツルギーで、物語は展開してゆく。

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貧民層のコドモたち3人の、視点をメインに、

シングルマザーなヤンママ(ブリア・ヴィネイト)とそのコドモ娘、

モーテルの管理人(ウィレム・デフォー)らを主軸にしながら、

裏「グランド・ホテル」(1932年製作・アメリカ映画・モノクロ)形式な群像劇が進行してゆく。

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コドモたちは、イロイロやってまう。

冒頭部から、悪ガキたちのいたずらが始まり、

女の子2人男の子1人の3人が、悪気はないのに、空き家別荘の火災事件まで起こしてしまう。

ラストの結末や、サプライズ・エンディングまで、

あくまでコドモたちが、主導権を握り続ける映画だった。

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大人サイドはどうか。

シングルマザーと娘の関係性でいくなら、

「アリスの恋」(1974年・アメリカ)とか、「ショコラ」(2000年・アメリカ)なんかの、

良質の母娘関係を期待したけど、そうじゃなかった。

また、この種の映画では、母娘をサポートする男が、

良質性をさらに深めるために、登場するものだが、そうじゃなかった。

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モーテルの管理人役のウィレム・デフォー。

悪役イメージが濃厚な彼が、2人を優しく見守り、オカンと恋に落ちて、

ロマンティックなラブへとなんて、まず考えられない。

クールに仕事をこなして、最後の最後まで温情とかキズナとか、そんなのとは無縁であり続けた。

素晴らしい。

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オカン役ブリア・ヴィネイトも、新人ながらも、自然体なのか、スムーズでしかも、ベタじゃない演技性で魅せる。

娼婦なんかもやってるんだろうけど、そういうところを見せずに、

すねたようなヒネくれたような演技を、見事に最後まで貫いた。

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公開前・公開後数週間、本作を紹介しなかった。

どんな風にみなさんが捉えるのかを、見てみたかったとこもあるし、

この記事を読んで興味をもたれたら、すぐに映画館で見られる、タイミングを計っていたとこもある。

アンチ・ディズニーを計った映画は、ドリームワークス・アニメをはじめ、これまでにも多数出てきているけど、

本作はもっと違った意味での、アンチとブラック・ユーモアがあった。

コドモたちの、ラストの一撃に驚いてください。

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