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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年6月12日 (火)

「ゆずりは」⇒「おくりびと」のお話

6
「おくりびと」のキモチを、反映した作品だ

コロッケこと滝川広志の、ヒロイズムが開眼

http://www.eiga-yuzuriha.jp/

6月16日の土曜日から、全国順次のロードショー。

関西だったら、第七藝術劇場、アポロシネマほかで上映。

ⓒ「ゆずりは」製作委員会

1
冠婚葬祭の儀式を、感動的に描いた映画。

本作は葬式である。

海外にも葬式を、採り入れた映画はあるけれど、葬式をメインにした映画はない。

その意味では、葬式を描くのは、日本独特のテーマだと言えるかもしれない。

そんな葬式映画の、マイ・ベスト・スリーを、順位通りに披露すると…。

①お葬式(1984年製作)②蛇いちご(2002年)③本作

2

段取り・ノウハウを含め、世界で初めて本格的に、葬式を採り上げた①、

葬式をフィルターにして家族を描く②、

そして、本作は、葬儀会社と社員の人間ドラマを、

世界で初めて描いた映画に、なったのではなかろうか。

4
ものまね芸の達人、コロッケが、本名の滝川広志名義で、映画初主演した作品だ。

それだけに、コメディ・喜劇かと思いきや、コレが全く違っていた。

コロッケのパブリック・イメージを完璧に覆す、誠実極まりない演技で魅せるのだ。

最初は戸惑いがあった。

しかし、彼の誠実演技は、最後まで揺るがない。

驚いた。

お笑いの人が、映画を撮ったり主演すると、北野武監督始め、

全然違い、映画的にドラマティックになる。

そうした系譜や流れを、ふと考えてみたりした。

5
老夫婦の夫の死、いじめで自殺した中学生、交通事故で死んだ子供、

さらに、突然死した葬儀社の社長(勝部演之)などと続く、

いろんなパターンの、ドラマティックなエピソードの、葬儀が執り行われる。

コロッケの、新入り部下(柾木玲弥)への指導ぶり、

葬儀で粛々と語る泣けるコメントなど、

ヒロイックなシークエンスが、いくつもあり、そこが本作の見どころにもなっている。

「おくりびと」(2009年)の本木雅広と比べても、

決して遜色のない、コロッケの演技ぶりだと思う。

3
自殺した妻との過去シーンを、モノクロ、セピアなカットで撮ったり、

オーケストラ・サントラを、胸にクルカンジで流したり、

映画的を意識した、ところどころの作りも良かった。

地方ロケ映画でもあり、本作は千葉ロケだ。

関東ロケとは思えない、地方ロケ色が色濃くあり、

会社の庭に立つ「ゆずりは」の樹木も、シンボライズされて、ドラマの奥行を、深めているようだった。

「おくりびと」と見比べて、共に滋味を味わってもらいたい快作だった。

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