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新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


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2018年5月17日 (木)

「ダリダ~あまい囁き~」⇒ヒロイン映画3

2
実在の女性ミュージシャン・ダリダの愛の遍歴だ

魅惑のイタリア女優スヴェヴァ・アルヴィティに注目!

http://dalida-movie.jp/

5月19日のサタデーから、KADOKAWAの配給で、角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、ほか全国ロードショー。

地方の上映映画館は、上記のホームページをご覧ください。

本作は、2017年製作の、フランス映画127分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2017 BETHSABEE MUCHO-PATHE PRODUCTION-TF1 FILMS PRODUCTION-JOUROR CINEMA

1
実在したミュージシャンのヒロイン・ドラマ。

愛の遍歴と歌手活動が、シンクロナイズしてゆく作りだ。

ミュージシャン映画は実話を含めて、イロイロあるけど、

ここで、女性歌手が主演のヒロイン映画の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・ミュージカル映画は外す)を披露してみると…。

3
●ベスト⇒

①エディット・ピアフ 愛の讃歌(2007年製作・フランス&チェコ&イギリス合作)

②ローズ(1979年・アメリカ)

③ドリームガールズ(2006年・アメリカ)

●カルト⇒

①本作

②キャデラック・レコード(2008年・アメリカ)

③ストリートオブファイヤー(1984年・アメリカ/デジタル・リマスター版が7月21日公開)

7
●ヒロイン映画とヒーロー映画を、見事に融合させたカルト③は、フィクション映画だが、

それ以外は、ミュージシャンの実話が、ベースになっている。

マリオン・コティヤールが、エディット・ピアフを演じて、アカデミー賞主演女優賞を得た、

本作と同じく、フランス映画のベスト①。

ジャンルはシャンソン。

6
歌手のベット・ミドラーが、ロックの女王ジャニス・ジョプリンを、仮想演技したベスト②。

歌手のビヨンセが、シュープリームスの仮想ダイアナ・ロス(ジャンルはソウル)と、

エタ・ジェイムズ(ジャンルはブルース)に扮した、それぞれベスト③カルト②。

でもって、本作は、フランスの歌姫ダリダを、

本作のオーディションを勝ち抜いた、ほぼ新人のスヴェヴァ・アルヴィティが演じた。

ジャンルはポップス。

ジャンルをばらけさせた感じで、選べたのは良かったが、

他作品と違う、本作の特質は、前回論じた「29歳問題」と同じく、

女性監督(リサ・アズエロス)が、メガホンを執っているとゆう点だ。

10
また、多作品と違い、「人は愛に向かう存在よ」と主張して、

本業の歌手業より、愛を追いかけたダリダの、

愛の物語を、クローズアップした作りになっている。

歌手人生を描くのではなく、愛の遍歴がメインなのだ。

男性監督には、その複雑な女性心理は、まず描けないだろう。

5
死んだ愛人のあとを追って、ダリダが自殺未遂をした日の行動ぶりから、

本作は衝撃的に始まる。

9
その一方で、愛の物語の合間には、ダリダのコンサート・シーンが、随時挿入される。

彼女のキモチを反映した、しっとりのバラードから、ニューウェイブなダンスティーク・ナンバーまで、

その曲の振り幅と段差もまた、衝撃的だった。

4
ダリダ役のスヴェヴァ・アルヴィティのネーさんが、実に魅惑的だった。

おそらく素の自然体なんじゃなかろうか。

それでいて、後半に向かって、精神病的に衰えてゆく姿での、演技のうまさなども光っている。

8
ベスト①は別格として、フランス映画界としては、

フランク・シナトラが歌った「マイ・

ウェイ」を作曲した、男性歌手ク

ロード・フランソワの、

生涯を描いた「最後のマイ・ウェ

イ」(2012年・フランス・弊ブログ分

析済み)と、

本作は、対を成す快作だと思う。

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