無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画分析研究所 所長 宮城正樹
    新作含む、公開前映画の批評分析を行います。 映画史を俯瞰するようなスタイルと、小説・演劇ほかではなく、映画評でしかできないところに、肉迫せんとしています。 2009年12月11日よりスタートし、ギネスレコーズ却下後の、2015年5月頃より、週3~4作更新としております。厳選した作品分析を、お楽しみください。

音楽・小説分析


« 韓国映画「リアル」 | トップページ | ミステリー「修道士は沈黙する」 »

2018年4月12日 (木)

「さよなら、僕のマンハッタン」

3
名作「卒業」とは着地が違う、ニューヨーク映画だ

青春屈折映画の、21世紀的カタチとは?

http://www.longride.jp/olb-movie

4月14日のサタデーから、ロングライドの配給により、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー、

テアトル梅田、なんばパークスシネマ、MOVIX京都ほか、全国順次のロードショー。

本作は、2017年製作の、アメリカ映画88分。

ⓒ2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

1
今さらながらだけど、ニューヨーク舞台映画とゆうのは、これまでに、モノゴッツーなタイトル数がある。

最近でも、「ワンダーストラック」(弊ブログ4月5日付けで分析)を採り上げた。

但し、そんなNY映画も、多彩なジャンルに分かれている。

その伝でゆくと、本作は、青春映画ジャンルとなるだろうか。

しかし、ストレートな青春ものではない。

どちらかと言えば、屈折している。

2
さらに、家族ドラマ、ラブ・ストーリーを、巻き込んだ作りとなっている。

言すれば、アメリカン・ニューシ

ネマのNY映画「卒業」(1967年製

作・アメリカ映画)が、

本作のマーク・ウェブ監督の、か

なり意識下に入った映画だったと

思う。

「卒業」では、サントラとして全面

に使われた、サイモン&ガーファ

ンクル(S&G)の歌が、

一部使われているなどとゆう、ポ

スト・プロダクション的なところだ

けではない。

7
内容的に言えば、例えば、主人公(カラム・ターナー)は、

父(ピアース・ブロスナン)の愛人(ケイト・ベッキンセール)と、意図的にベッドインする。

この不倫模様は、「卒業」の主人公役ダスティン・ホフマンが、

父の知り合いのミセス・ロビンソンと、不倫するシーンと、シンクロナイズするみたいだ。

8
しかしながら、最終的着地としては、2作は大いに違っていた。

ロビンソンの娘との、行方しれない恋に走った「卒業」のラブ・ストーリー・モードに対し、

本作の着地は、家族ドラマ・親子のキズナへと帰結する。

まずは、冒頭で、主人公の1人住まいのマンションに、主人公に妙に馴れ馴れしく、

アドバイスするなんてゆう、

新しく引っ越してきた、おっさん

(ジェフ・ブリッジス)が登場する。

しかも、主人公は、おっさんの忠

告を、決して煙たがらずに、それ

なりに対応してゆくのだ。

とゆうか、そこには、人生を変え

るようなドラマティックさえある。

4
このおっさんは、実は小説家であった。

でもって、彼の、文学的かつ意味深なナレーションによって、

彼の今書いてる新作が、映画内映画として、披露されてゆくのだ。

それが、主人公の生き方と、いつの間にか、かぶってゆくトリッキー。

そのあたりの巧妙な、ドラマツルギーぶりは、見事と言うしかない。

5
余りない構図による、映画作家的ロングショットと、

長回し撮影を、タイトに挿入。

リズミックなセリフ回しに加え、

省略ダイジェスト・シーンに流れる、サントラ使い。

S&Gだけじゃない。

ビル・エバンスや、ハービー・ハンコックの、革新的ジャズから、

ルー・リードやボブ・ディランの、文学的スロー・ナンバーまで、渋く胸にクル。

9
NYじゃなくLA舞台だった、異能のミュージカル「(500)日のサマー」(2009年・アメリカ・弊ブログ分析済み)で、

長編映画デビューした、マーク・ウェブ監督。

「アメイジング・スパイダーマン」(2012年・2014年・アメリカ・弊ブログ分析済み)シリーズで、

ハリウッドの大ヒット監督になったけれど、

本作のような内省的映画も、同時に作ってゆくスタイルが、エエカンジやねん。

本作を、彼が本当に撮りたかった映画だと、ボクは見た。

とゆうことで、監督の映画作家性を、堪能してくだされ。

« 韓国映画「リアル」 | トップページ | ミステリー「修道士は沈黙する」 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1308338/73282149

この記事へのトラックバック一覧です: 「さよなら、僕のマンハッタン」:

« 韓国映画「リアル」 | トップページ | ミステリー「修道士は沈黙する」 »