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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年9月 8日 (金)

「散歩する侵略者」⇒長澤まさみ・松田龍平共演

Photo
黒沢清監督が描く、不条理SF映画の傑作

今年の日本映画の、マイ・ベスト・スリーだ!

http://sanpo-movie.jp

9月9日の土曜日から、松竹と日活の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017「散歩する侵略者」製作委員会

3
不条理ドラマや、不条理SFとなれば、黒沢清監督の十八番の一つ。

本作は、「回路」(2000年製作)や、「ドッペルゲンガー」(2002年)などを、超えた傑作で、

ボク的には、今のところ、今年の日本映画の、ベスト・スリーとなりました。

2
安部公房原作・勅使河原宏監督の諸作名作、

例えば、「砂の女」(1964年・モノクロ)とか、「他人の顔」(1966年・モノクロ)とかの、

あやうさ・不定形・サスペンスとゆうより、いつどないなるか、わからへん、不安感の持続などが、通底しております。

本作を見て、SFのイメージは全くないけど、

黒澤明監督の「生きものの記録」(1955年・モノクロ)なんかも思い出した。

4
実は、本作は、演劇原作映画です。

アメリカのブロードウェイの、ミュージカル原作と同じく、演劇原作映画は、日本でもケッコーあります。

不条理演劇原作や、不条理ものに限定して、2010年代の、順位通りの、マイ・ベスト・スリーをゆうと、

1位が本作、2位「さようなら」(2015年・弊ブログ分析済み)、

3位「生きてるものはいないのか」(2012年・ブログ分析済み)となるでしょうか。

8
エイリアンと言えばいいのか、宇宙からの侵略者が、人間になって、いろんな人を操るのですが、

そのやり方が、かつてなくユニークで、オリジンな方法になっています。

指1本で、概念を人から奪って、その人が不能に陥るとゆうものだが、

ややこしそうだけど、本編を見れば、大たい分かるようになっとります。

9
夫妻役の、松田龍平・長澤まさみサイドと、

2人の若い侵略者(高杉真宙・恒松祐里)と、彼らに密着する記者(長谷川博己)サイドが、

大たい交互に、カットバック的に、描かれてゆきます。

10
でもって、松田龍平が、宇宙からの、隠れ侵略者とゆう設定。

2人の侵略者と、松田龍平が通じた時、

エライことが勃発してしまう、とゆう流れであります。

5
ぎくしゃくしていく夫婦関係。

2人に翻弄されながらも、アイデンティティーを失わない記者。

あやうい夫婦ドラマと、スリリングな犯罪ドラマが、カチ合った時、

トンデモない世界が、現出してくるのです。

12
松田龍平の、無表情な不気味感、

長澤まさみの、オロオロうろたえ感、

2人の若手役者の、無軌道を抑制する、長谷川博己の平然冷静感。

これらの演技が、アンサンブルして、奇妙かつ奇怪な、人類滅亡の、大仰なドラマが展開していく。

11
そして、2つのドラマを紡ぐ、不穏な因子や人物描写も、フック的にきて、

最後の最後に驚きを提示する、ディープ・インパクトな映画でした。

6
黒沢清監督が描いた不条理でも、最高に不条理で、非論理的な映画であろう。

7
感動的な結末が、待っているわけじゃない。

けども、激しくココロ揺さぶる作品だった。

とゆうことで、とにかく、映画館へ行って見てくだされ。

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