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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年9月 5日 (火)

「きらめく拍手の音」⇒韓国映画の家族ドキュメンタリー

1
「名もなく貧しく美しく」描かれた、聾唖家族映画

愛と優しさにあふれた快作

http://kirameku-hakusyu.com

9月2日より、第七藝術劇場で公開中。以降、神戸アートビレッジセンター、京都シネマなどで公開。

本作は、2014年製作の韓国映画80分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2
韓国の家族ドキュメンタリーと言えば、思い出されるのは…。

日本と北朝鮮に家族が分断されたものや、抑圧された北朝鮮家族を描く作品など、

何かと問題の、北朝鮮絡みのものが目立ちますが、

ごくフツーの家庭を描くドキュ映画も、それなりに作られております

6
本作は、共に聾唖の両親から生まれた娘(イギル・ボラ)が、家族の姿を描こうと、撮り上げた家族ドキュメンタリー。

フツーでないのは、両親が聾唖。でも、生まれた姉弟は健常者。

そんな中で、両親はどう2人を育てたのか。育てられた2人はどうなったのか。

現在形をメインに、アットホームな温かい家族の在り方が、捉えられております。

3
聾唖夫妻となれば、思い出すのは、ドラマ映画だけども、日本映画の「名もなく貧しく美しく」(1961年製作)。

でもって、本作は、夫妻のコミュニケーションが、手話を中心に描かれると同時に、

成人した娘・息子とのやり取りなど、「名もなく…」では描かれなかったところへと、入り込んだ作品。

7
素晴らしい映画を撮ろうとして、撮った映画ではありません。

本編でも出てきますが、娘監督は、両親の映画を撮るのが夢だったらしい。

そんなプライベートなとこが、あざとく甘く見えつつも、

でもしか、最後の最後まで、ハートウォームな仕上がりは、

北朝鮮絡みの、ギスギスしたドキュとは真逆で、ホッとして感動もできる。

5
沈黙の世界なだけに、音を字幕で表したり、監督のナレーションがカバーしたりと、

イロイロ工夫されとりますが、見ていてスムーズに進行していきます。

違和感は、全くもってありませんでした。

8
また、家族4人によるカラオケ・シーンなど、え!?、聾唖なのに、カラオケ!?、なんてゆう驚きもあり、

ゆるやかで優しいサプライズもあります。

4
両親の姿だけでなく、自立していく姉、そして弟の姿も、きちんと描かれて、好感があった。

手の平で示される、コミュニケーションが、ある意味で本作の、オリジナル・ポイントかと思います。

つまりは、あったかーい手触りのある作品です。

単なるプライベート・フィルムの領域を超えて、心温まる普遍性ある快作でありました。

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