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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年7月20日 (木)

「STOP」⇒キム・ギドク監督作品

St1
東日本大震災の福島原発事故に、衝撃的に食い込んだ!

あまりのストレートさに、慄然とする問題作だ

http://www.allen-ai.com

7月22日の土曜日から、大阪・第七藝術劇場で、全国順次のロードショー。

第七藝術劇場では、公開初日の7月22日に、出演者による舞台挨拶あり。

文=映画分析評論家・宮城正樹

St2
東日本大震災・福島原発事故を採り上げた映画ながら、

それをメインテーマに初めて、外国人監督(韓国のキム・ギドク)が撮った、ドラマ映画作品が本作だ。

震災を捉えた日本映画は、ドラマ映画、ドキュ映画合わせて、50作以上を越えてるかと思いますが、

海外監督による本作は、これまでの震災ドラマ映画とは、

かなりと一線を画している、あるいは超えてるとも言える映画でありました。

St5
どこが一線越えなのか。

原発事故で想定されるところを、ホンマにストレートに、描いた映画とゆうのは、

これまでの日本映画には、なかったように思います。

そして、そこんとこが、忌憚なく描かれているところに、ディープ・インパクトがあったのです。

何しろ、最初から、妊婦の、生まれるコドモへの原発の影響を、とことん追及する作りでありまして、

それが本編の最後まで、テーマであり、キー・ポイントを握っているのであります。

St6
福島原発事故に遭い、妊婦の妻と写真家の夫が、福島から東京に逃れた。

ところが、原発に遭って奇形児が、生まれることを危惧した、ある団体が妻に、コドモをおろすのが、賢明だと言ってきた。

政府をかたっていたけど、現実的にはそういうことはなかった。

けども、キム・ギドク監督は、リアルを超えて、イロイロやってはります。

しかし、そのハミ出し具合が、ナンチューても本作の、大きな見どころに、なっているのです。

St4
夫妻2人の行動ぶりが、狂気と波乱に満ちて、展開するのであります。

写真家として、福島の変わらぬ姿を、写そうとする夫。

対して、最初は堕ろそうとしたけど、結局産む決心をした妻。

2人のぎこちないやり取りが、チグハグ・ミスマッチな緊張感を呼んでゆく。

怖い瞬間が、いくつもある。

一方で、頭の中だけで考えた、震災影響ドラマもある。

いずれにしても、ストレートな打ち出し方だ。

でも、そこが潔くてスゴイところだと、ボクは思った。

St3
原発からクル電気が、問題だと見た夫が、東京の電気を消そうと、躍起になるシーンと、

妻がコドモを産むシーンが、カットバックされるクライマックスは、予想外極まる展開だった。

そして、震災7年後を描いた、ラスト・シークエンス。

一体、その時、夫妻や世界はどうなっているのか? 

衝撃か衝撃的ではないのか、そのあたりの判断は、映画を見た観客にゆだねるところやろけど、

決してハッピーな、ラストが待ってるわけやない。

それでも、ボクは本作に、かすかな希望を見ました。

キム・ギドク監督が撮りたかったものとは、一体何だったのか。

衝動的で逼迫した、その作り方の中に見られた、

監督の密やかなる良心に、ココロ魅かれる作品でした。

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