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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年7月18日 (火)

香港映画「十年」

1
犯罪映画からペーソスある映画まで、多彩な5話オムニバス

香港映画の、アート映画性を示す快作だ

http://www.tenyears-movie.com

7月22日のサタデーから、スノーフレイクの配給により、新宿K's cinemaほかで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の香港映画108分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒPhotographed by Andy Wong, provided by Ten Years Studio Limited

2
日本では大阪アジアン映画祭で上映され、

その後、香港のアカデミー賞「香港電影金像奨」で、最優秀作品賞をゲットした、低予算の5話オムニバス映画。

短編集とも言えるオムニバス映画は、これまでに多数の作品が輩出されています。

しかも、ほとんどが、1つのテーマに沿って、作品集としています。

3
本作は香港映画としては、非常に珍しいオムニバスで、

2015年から10年後の香港の未来をテーマに、5人の映画作家=映画監督が、撮り上げた作品集です。

低予算ですから、ハリウッドの近未来SFチックなエンターテインメントは、とても望めませんが、

各監督が芸術映画としての、SF映画を追求。

各人の個性が浮き彫りになった、5人の映画作家的才能を競い合うような、

それぞれピリピリヒリヒリ、緊張感あふれる作品となっています。

4
第1話「エキストラ」(写真上から2枚目)は、モノクロで描かれた暗殺者映画。

フランスのモノクロ・ノワール映画を、かなり意識した作りながら、

暗殺者の心理に、食い込む作りが渋い。

低音で重たいベースとギター、チェロが、緊張感をあおっていた。

5
第2話「冬のセミ」(写真上から3枚目)は、

「ザ・フライ」(1986年製作・アメリカ映画)の、グロテスク・イズムに迫る作品。

人を標本にするとゆう内容が、メッチャ面白い。

薄色配色が、モノクロ並みに渋かった。もっと長めに見てみたい作品だったかな。

第3話「方言」(上から4枚目)。

香港の地方弁が忌避される未来を、タクシードライバーに託して描かれる、ブラック・ユーモアな怪作。

6
第4話「焼身自殺者」(5、6枚目)。

政府当局への抵抗運動に、悲劇的に使われる焼身自殺行為の、10年後の在り方を描く。

内容はともかく、美麗な香港の全景とか、優しいハープとストリングスのサントラとか、

暗みとのミスマッチ感が、妙にココロくすぐられた。

8
第5話の最終話「地元産の卵」(7、8枚目)。

子供たちまで、スパイ活動する未来において、大人が穏やかに子供を諭す物語。

異能な展開ながら、なるほどと頷かせて爽快。

7
とゆうことで、アートでユニークな作品ばかり。

見た人それぞれにモチ、順位付けもできてまうオムニバス。

ボク的には、第2話がマイ・ナンバーワンだったかな。

何はともあれ、ウォン・カーウァイ監督的香港映画の、芸術映画性を追求した快作品集でした。

5人の多彩な映画作家性を、お楽しみください。

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