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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年6月13日 (火)

「パトリオット・デイ」

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テロ事件の群像劇ドラマ

マーク・ウォールバーグのヒロイズムが光る

http://www.PATRIOTSDAY.JP

6月9日のフライデーから、キノフィルムズの配給により、全国ロードショー。

本作は、2016年製作のアメリカ映画2時間13分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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本作は、2013年にボストン・マラソンで発生した、爆弾テロ事件を描いた、実話ベースの群像劇です。

実話のテロを描くとなれば、9.11テロものがありますが、

9.11以前と以降では、この種のテロもの映画は、

実話・フィクションに関係なく、変わってきています。

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以前はまず、1970年代くらいから始まった、アメリカン・パニック・ムービーな、群像劇のノリがありました。

当時上映中止になった「ブラック・サンデー」(1977年製作)や、

「パニック・イン・スタジアム」(1976年)などに加え、乗り物ジャックものでしょうか。

一方において、テロに対して1人で立ち向かう「ダイ・ハード」(1988年)など、

アメリカン・ヒロイズムを示す映画も、売れ線にありました。

また、ヒーローとテロリストを善悪とした、1対1対決ものや、

アウトローを、主人公にした映画もあります。

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でもしか、現実に9.11テロが起こると、そういう映画の描き方に、慎重さやリアリティーが求められるようになります。

リアルな実話もの、

そして、ヒーロー像も、決してスーパー・ミラクルじゃない、人間臭さが必要になってきたわけです。

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その意味では、マーク・ウォールバーグの、ヒロイズム演技はうまかった。

21世紀映画的アメリカン・ヒロイズムでゆうと、

「ボーン」シリーズのマット・デイモンと、180度好対照な演技ぶりでしょうか。

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銃撃戦などのアクション・シーンも、スタイリッシュでもなく、カッコヨサもなく、

現実のリアルに則した雑然とした、ぶきっちょなカンジになってまして、スーパー・ヒーローなんて、どこにもいません。

それゆえに、感情移入度は、非常に高いと言えましょう。

つまり、俺にだってできるぜ、なんてノリだから。

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事件の前日から、時間通りに描くスタイルも、安易にカットバックに頼らない点で、リアル感を覚えましたし、

爆破シーンと、その後の短カットの連続なども、現実の現場の臨場感がありました。

犯人を特定し、追い込んでゆくところの、スリルやサスペンス感も秀逸。

でもって、ラストロールでは、事件に関わった実在の人たちが、演劇のカーテンコールみたいに、登場してきます。

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前2作も共に実話ベースの、アフガン戦争映画「ローン・サバイバー」(2013年・弊ブログ分析済み)、

海底油田火災のパニック映画「バーニング・オーシャン」(2016年・ブログ分析済み)だった、ピーター・バーグ監督の新作。

ウォールバーグとのタッグも、3作連続で続いておりまして、

新しきリアル・アメリカン・ヒロイズムの、在り方を追求しています。

とゆうことで、主人公になり切ってみて、映画をお楽しみください。

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