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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年6月20日 (火)

野際陽子の遺作「いつまた、君と~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~」

1
向井理と尾野真千子が贈る、昭和の夫婦映画だ

大河系昭和映画のベタがたまりません

http://www.itsukimi.jp

6月24日の土曜日から、ショウゲートの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会

5
昭和を象徴する役者がまた、一人逝去した。

女優・野際陽子。

映画ではなく、テレビドラマの方で、若い頃は刑事アクションや、

中高年過ぎには、マザコンのマザー兼継母役で、国民的衝撃女優を演じたりと、みんなのアイドル(!?)だった。

ただ、映画では地味な役が多かったけど、そのバイ・プレーヤーぶりは、ある時フッと思い出させるような、滋味があった。

そして、映画の遺作となった本作も、そういう役柄を、マイ・ペースで演じていて、グッとくる。

3
さてはて、野際さんのことばかりゆうてますが、

本作は尾野真千子と向井理主演・共演による、昭和の時代の大河系夫婦・家族ドラマ映画です。

野際さんは、尾野真千子の晩年を演じてはるのですが、

本作そのものが、昭和をバックにした映画なだけに、

野際さんの活躍した時代と共に、50代以上の昭和世代には、懐かしく見られる映画になっています。

4
みなさん、昭和映画を見たことはあるでしょうか。

若い世代はどうなんだろうか。

家族の大河映画となれば、日本映画だけでなく、これまでに多数の映画が出てきております。

永遠の名作なんてのも、思い出せるテーマですが、本作は、もっともっと昭和のベタさに、特化した作りでして、

昭和ドラマのNHK朝ドラに主演した、尾野真千子や向井理の起用は、まさにピッタリフィット。

うまいことゆかんけど、夫婦で一緒にガンバローみたいなこの映画は、

まさに昭和節満載の映画でした。

6
妻役・尾野真千子のナレーションが、タイトでドラマティックに進みつつ、

戦前に尾野と向井が結婚し、中国の南京・上海、向井の実家・愛媛、茨城、福島、大阪と、向井が職を転々としながら、

妻のサポートもありつつも、しかし、世の中、うまくいかない現実を、描いてゆきます。

8
夫を支える妻役の尾野真千子のキャラは、まさに昭和を代表する雛形的女房役でしょう。

職替えしてゆく向井理も、高度成長時代と、その後のリーマンの生き様とは違い、

負け組になるまいと、必死のパッチを見せる、昭和世代の男の、もう一つの生き方を見せてくれます。

7
向井のおばあちゃんの、半生記を原作にした本作。

向井が映画化を熱望し、推進した映画なだけに、その演技はこれまでとはどこか違っていました。

向井は、自分の祖父の人生を演じるのです。

いつものようでありながら、いつものようでない、その熱意ある演技ぶりに、

見終わってしばらく経ってから、ウーンとうなった。

どこか温厚ながらも、気合の入った演技を、見ていただきたい

2
コドモたちがいる「夫婦善哉」(1955年)の大河版。本作を、ボクはそう見ました。

ペシミズムも少々あるけど、「夫婦善哉」や「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)の明るさもある、昭和の家族ドラマ

ほんでもって、高畑充希ちゃんが歌う主題歌も、しっとり癒やしをくれました。

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