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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年6月 1日 (木)

「20センチュリー・ウーマン」

20
20世紀的女性の生きざま・スタンスを捉えた作品

母子のキズナが、新たな表情を見せる快作だ

http://www.20cw.net

6月3日のサタデーから、ロングライドの配給により、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の、アメリカ映画119分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

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1979年を主舞台にした、20世紀ウーマンの在り方を捉えた作品です。

20世紀人間とゆうよりは、

むしろ1970年代的人間を、描いているようなカンジが、ボク的にはしました。

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フリー・コミュニティーから逸脱した、1970年代キャラを多彩に描いています。

そんな中で、主人公のオカン(アネット・ベニング)は、ある意味ではオーディナリー・ピープル。

みんなを前にしての、他人の赤裸々な下ネタ告白には躊躇し、それでも、控えめながらも、自分の言いたいことは言い、

一方で、ミーハー的には、「カサブランカ」(1942年製作・アメリカ映画)のボギーこと、ハンフリー・ボガートに憧れてはります。

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オトンと離婚したオカンと、息子のキズナを、ある種異能なカンジで描かれる映画なので、

見る方は少しオッとくるかもしれませんが、

オカンだけでは、思春期の息子を見切れへん。

そこで、息子より年上のネーさん(エル・ファニング)や、

だいぶと年上(でも、20代半ば)のネーさん(グレタ・ガーウィグ)に、

息子への社会的教育を、頼んでしまうのでありました。

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エル・ファニングは、セックスはしないけど、主人公の部屋に夜な夜な通いつめて添い寝。

女性の命・子宮の病気に悩むグレタやけど、出入りするいろんな遊び場へ、主人公を連れていって、

やりたい放題にやってチョー、なんて言わはりまんねん。

つまり、2人共、オカンにとっては、主人公の教育には、とんでも適さない、適当でエエ加減な人なのでありました。

けども、主人公はそれらに対し、決して溺れることなく、クールに対応してゆきます。

そして、優等生やない、スイも甘いもな、いろんな人生、いろんな人間関係対応型の、

フレキシブルな大人になってゆくのでありました。

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映画や音楽など、当時の流行やトレンドが、時代設定として組み込まれおりまして、

パンクやニューウェイブや、

アカデミー賞作品賞を受賞した「カッコーの巣の上で」(1975年・アメリカ・弊ブログ分析済み)なんかも、セリフに出てきます。

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それらが、登場人物たちのキャラに合わせて、

なるへそな~なカンジで出てくるので、ウーンとうなるようになっています。

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登場人物たちの各人の半生を、ダイジェスト的に紹介してゆくところなんかも、ユニークで面白く見られ、

そして、ドラマ的効果としても、機能しているようでした。

特に、オカン含む3人の女キャラの解説は、ノリノリでタイトに展開し、

この映画にのめり込む、重要な因子になっていたかと思います。

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オカンは20世紀最後の年・1999年に死んだとゆう設定になっとりまして、

それゆえに、20世紀ウーマンとはなんぞや? になってるワケやけど、

決してそれだけではありませんねんで。

オトンを描いた「人生はビギナーズ」(2010年・アメリカ・弊ブログ分析済み)に続き、

今度は自身のオカンを描いたとゆう、マイク・ミルズ監督の自叙伝的映画。

母子のキズナを、ベタやなく、かつてない変型で描いた本作やけども、

そのキズナの在り方は、普遍的なものです。

でもって、監督のこれまでの最高傑作! と言うべき作品になっていることも、付け加えておきます。

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