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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年5月30日 (火)

日本映画「光」⇒カンヌでの結果は?

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映画愛に満ちた、恋愛映画の傑作

「街の灯」に近い、感動のサプライズが強烈な作品だ

http://www.hikari-movie.com

5月27日の土曜日から、キノフィルムズの配給により、新宿バルト9、丸の内TOEI、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、T・ジョイ京都、神戸国際松竹ほかで、全国ロードショー。

本作は2017年製作の、フランス・ドイツとの合作による日本映画101分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA, COMME DES CINEMAS.KUMIE

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残念ながら、カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルムドールには届きませんでした。

けども、本作は映画への愛を、ラブ・ストーリーを通して、新たな視点と光を当てて描いた快作で、

日本映画の年間マイ・ベストテン級の作品です。

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素材の斬新さがスゴかった。

障害のある人、それも盲目の人が、映画を見るなんてゆう、一般的にはあり得ない世界へとゆき、

そして、障害者と健常者のラブ・ストーリーを描くとゆう、とんでもない領界へ入り込んだ作品。

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映画愛ある、盲目の人を採り上げた映画としては、

映画を盲目のコドモたちが、映画館で見て楽しんだ「ミルコのひかり」(2006年製作・イタリア映画)とかがあるし

また、「奇跡の人」(1962年・アメリカ)など、障害者の感動的な映画は多々あるし、

そして、盲目の人との恋愛ものでは、チャップリン監督・主演の「街の灯」(1931年・アメリカ)なんかを、ボクは思い出したりしました。

「街の灯」に近い、感動的サプライズが本作にもあるんですよ。

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撮影的なとこも見ておきましょう。

クローズアップ・アップに加え、時おりの映画的遠近構図の、ロングショットを絡めてゆきます。

手持ちカメラのグラグラ・カットも取り入れ、

ハイライト・シーンとなる、永瀬正敏と水崎綾女のキス・シーンでは、

太陽を見せずに、オレンジのシルエット風の2人で、魅せる斬新さを示します。

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永瀬のぶっきら・憮然・不機嫌演技と、

綾女ちゃんの誠実演技のコンビネーションが、

例えば、永瀬に対して、いいカンジを持っていない綾女ちゃんが、

初めて永瀬の部屋を訪ねた時の、シークエンスなんかに、絶妙なカンジで発揮されます。

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何はともあれ、映画の音声ガイドを採り上げた映画は、映画史上初めてでありましょう。

そのあたりは、カンヌの審査委員にも、かなりと響いたはずだ、とは思いましたが…。

結果は結果。仕方ありません。

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対象となる劇中映画では、藤竜也を主演にして、静岡ロケにより、老いらくの恋が描かれます。

その音声ガイドのシナリオが、本作の大きなポイントになっているのです。

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ピアノ・チェロ・ホーンなどを取り入れた、潤いあるサントラ使いも良かった。

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映画を聞いて、ラストにしっくりこないとゆう永瀬の苦情に、綾女ちゃんは最後の最後に、見事に感動的な言葉を加えます。

ラストシーンで披露されるその言葉は、ググッときました。

たぶん、そのあたりは、映画に国境はないところを示す、世界共通のものなんでありましょう。

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ラブ・ストーリーは、河瀬直美監督の、得意とするところではないけども、

恋愛映画のツボは、決して外してはいませんでした。

何ゆえに最高賞を受賞できなかったのか、分かりませんが、

映画館へ足を運んで、今一度確認してみたいとは思いますが、

たぶんセンチメンタルなとこ、感動的なとこが、アート性を重んじる、カンヌに合わなかったのかな。

みなさんもぜひとも、劇場で見てみてください。

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