無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 「ポエトリーエンジェル」⇒日本映画劇場 | トップページ | 「ドント・ルック・バック」⇒ボブ・ディラン主演 »

2017年5月23日 (火)

「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」

1
クールイズムなラブ・ストーリーで、時代を衝く傑作だ

こんな東京ラブが、あってもエエやん!

http://www.yozora-movie.com

5月27日の土曜日から、東京テアトルとリトルモアの配給により、全国ロードショー。

新宿ピカデリー、ユーロスペースでは、先行ロードショー中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

2
東京を舞台にした、ラブ・ストーリーはいっぱいあります。

でもしか、本作のように、理屈っぽさ・クールさ・異質・ぎこちなさやらを、

恋する2人の会話や挙動をメインに、展開してゆく映画とゆうのは、

これまでの恋愛映画には、まずなかった作品。

本当に2人は愛し合っているのか、

それとも、不安を吐露し合うだけの、クールな関係なのか、

見ながらイロイロ、考えてしまう作りになっています。

9
詩を原作にした映画とゆうのは、かなりと珍しいし、作るのも難しいのですが、

その詩の世界観を、映画ドラマ的に、換骨奪胎させるとゆうのは、さらに至難のワザであり、

ハイテクな映画技術力が、要求されることでありましょう。

その高度なレベルに挑戦し、詩の世界観を、東京ラブ・ストーリーに転換した、ミラクルな作品が本作なのです。

10
詩の言葉がナレーションされたり、セリフに出てきたりしますが、

詩的言語とゆうのは、日常会話とは相反する、良く言えば文学性を、悪く言えば不自然を有しているもの。

でもしか、そこが、凡百の恋愛ものとは、一線を画するところなのです。

恋愛映画として本作を見た場合、ものすごい違和感があった。

実は、そこんところに、石井裕也監督の、緻密な演出意図があるようにボクは思いました。

うっとりの恋愛とか、日本映画的哀切の恋愛とか、そういうジャンル的目論見は一切排除されて、

どこまでもクールに徹し、そして、まずは言葉ありきのノリで紡がれます。

7
さらに言いますと、恋愛の中に、突然死や地震での大量死など、死に対するヒロインの、嫌な予感を詠み込んで、

いつなんどき壊れそうな世界の中で、ギリギリの心理的不安感ある、ラブ・ストーリーを構築しようとした。

狙いは、見事にヒットしてます。

だから、こんな恋愛映画、見たことない!なんて言いたくなる。

6
恋する主人公役は、池松壮亮。

恋するヒロイン役は、石橋静河。

共に、恋するとゆう言葉が似合わない、ストイックな演技に終始しています。

意味のない言葉を羅列・放出することで、自らの不安を払拭しようとする主人公。

対して、色気のないぶっきら棒を主に、じとじとじめじめと理屈をこねるヒロイン。

いやはや、この2人、未だかつてないラブ・ストーリーを演じるべく、

わが道を共に、ひたすらゆくのごとくでありました。

3
「東京、ガンバレー」と路上で歌う、ギター弾き語りの女ミュージシャンの、シークエンスをタイトに挿入し、

2人の恋の行方を暗示。

加えて、原作の詩にはなかったであろう、主人公の職場環境・人間関係なども、

ヒロインとの接点を含めて、巧妙に展開してゆきます。

5
今のところ、今年の日本映画の、マイ・ベストワンですね。

恋愛映画の、新たな作り方・スタイルを、映画的に鮮やかに披露した本作。

永くココロに残る傑作になったと、ボクは確信いたします。

« 「ポエトリーエンジェル」⇒日本映画劇場 | トップページ | 「ドント・ルック・バック」⇒ボブ・ディラン主演 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1308338/70641991

この記事へのトラックバック一覧です: 「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」:

« 「ポエトリーエンジェル」⇒日本映画劇場 | トップページ | 「ドント・ルック・バック」⇒ボブ・ディラン主演 »