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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年5月 2日 (火)

「八重子のハミング」⇒GW火曜日本映画劇場

1
アルツハイマー映画なのに、メッチャあったかい

佐々部清監督の良心が見える、好感度の高い快作だ

http://yaeko-humming.jp

5月6日の土曜日から、アークエンタテインメントの配給によりまして、有楽町スバル座、新宿武蔵野館、横浜ニューテアトルなどで、全国順次のロードショー。

関西は、5月13日からシネ・リーブル梅田やらで上映。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒTeam「八重子のハミング」

5
アルツハイマー映画、加えて老老介護なんてなれば、みなさんのイメージは、どないなもんでしょうか。

元来、その種の映画は、暗く重く沈んだ映画が多かったように思います。

日本映画なら、定番の老人ボケな「恍惚の人」(1974年製作)とか、

本作と同じく、若年性アルツハイマーの「明日の記憶」(2006年)なんか。

洋画では、老老介護で、悲惨な結末を迎える「愛、アムール」(2012年・フランス&ドイツ&オーストリア合作・弊ブログ分析済み)など、

映画的評価は高いけど、鑑賞後感は決して、明るくはない映画があったりします。

2
そんな予備的知識の中で、本作を見ると、

これが日本映画的に、お涙ちょうだい的な人情節に流れつつも、

安直なハッピーエンドではないけども、アルツハイマー映画でも、明るさを見せている映画でありました。

夫妻映画には、イロイロ傑作がありますが、特に、夫妻のどちらかが、病気になっている夫妻映画は、これまでにも相当数のタイトル数がありますが、

本作の良さは、その過程の描写に加え、どこまでも優しく献身的な在り方に、ある意味で、恐れ入る作品になっているところでしょうか。

4
癌になったダンナ(升毅・ますたけし)。

その看病で、徐々に若年性アルツハイマーになるヨメ(高橋洋子)。

ダンナが癌を何とか克服しても、今度はヨメがえらいことになってしもた。

実話ながら、こおゆう流れのアルツ病は、非常に珍しい。

しかも、老老介護を、緻密に見せる仕上げとゆうのも、かなりと珍しい作品であると言えましよう。

3
本作は、佐々部清監督作品です。

かつて弊ブログで地方ロケ映画の、ベスト&カルトもやりましたが、

出身地の山口ロケ映画を、次々に繰り出す佐々部清作品は、

尾道3部作の傑作がある、大林宣彦監督作品と、まさに甲乙つけがたしな仕上がりぶり。

でもって、本作も山口ロケながら、観光地的映画作りを一切排し、

ドラマに徹した作りは、今さらながらにスゴイと思います。

7
主人公の講演会と、過去をカットバックさせる、映画らしい作りなんかもいいし、

主人公のナレーションと、その時々に詠んだ短歌を字幕で示す、心境描写も特長的。

夫妻映画としてだけではなく、家族映画の中における、夫婦映画とゆう視点も、

日本映画らしい、キズナの在り方を示しています。

6
個人的には、高橋洋子の、28年ぶりの映画出演(しかも主演)の、サプライズに驚きました。

オーディションで、秋吉久美子に勝って主演した映画「旅の重さ」(1972年)、

オールヌードを披露した「サンダカン八番娼館 望郷」(1974年)などで、

ボク的には、すっかりトリコになってしもたんやけど、

小説家の方へ行ってしもて、なんでやねんと、残念がってより、30数年。

あの頃のアイドル的初々しさのまま、老年を迎えたような演技ぶりを感じてしもて、胸にきよりました。

そして、ラストロールで、フル・バージョンで流れ来る、

谷村新司チンペイの、ウットリ渋~い「いい日旅立ち」や。

いやはや、こりゃ、トンデモたまりまへんでしたえ~。

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