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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年4月26日 (水)

ドイツ映画「僕とカミンスキーの旅」

1
ロードムービーの、新たなスタイルを示す傑作

「グッバイ、レーニン!」の監督の、12年ぶりの新作だ

http://www.meandkaminski.com/

4月29日の「昭和の日」から、ロングライドの配給によりまして、YEBISU GARDEN CINEMAやらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、ドイツ・ベルギー合作映画123分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2015 X Filme Creative Pool GmbH/ED Productions Sprl/WDR/Arte/Potemkino/ARRI MEDIA

2
ロードムービーと言えば、これまでに映画の1ジャンルと言えるくらい、モノゴッツーなタイトル数があります。

かつて無謀にも、そんなロードムービーの、組み合わせ別の、マイ・ベスト&カルト・スリーなんてのを、弊ブログで書きましたが、

そんな中で、本作は、今までにないような、珍しい組み合わせコンビによる、ロードとなった作品です。

6
有名人と無名人のコンビネーション。

盲目の天才画家マヌエル・カミンスキーと、しがないジャーナリスト(ダニエル・ブリュール)のロード。

組み合わせの新しさだけではありません。

ロードムービーをベースに、一発スクープを狙うジャーナリストの人間ドラマ、虚実織り交ぜた画家の秘話ものなど、多彩なドラマ性に、食い入った作品になっています。

10
有名人と無名人のロードムービーとなれば、いきなり最初からロードに出る、とゆうわけにはいきません。

どのようにして、この2人が知り合い、一緒にロードに出ようとしたのか、

まず、この経緯が、観客に説得力を持たせるように、描かれねばなりません。

4
本作は、そこのところを描くために、前半をその出会い部に当て、そして、ロードへとゆう風に続いてまいります。

スイスの山奥で隠遁生活を送るカミンスキーに、主人公のジャーナリストは、どうアプローチしたのか。

取材先のカミンスキー家へ行き、カミンスキーとどう絡んでゆくのか。

そのあたりの詳細描写は、胸ワクワクドキドキなくらいに、お見事でした。

7
カミンスキーの昔の恋人(チャップリンの娘さん、ジェラルディン・チャップリン)と再会するため、

カミンスキーを管理している娘(アミラ・カサール)を出し抜いて、

主人公がカミンスキーを誘導していくところは、特にハラドキの展開でしょう。

8
でもって、ロードへ。

ロードの途中で、イロイロ波乱の展開が待ち受けているのも、ロードムービーのセオリーながら、面白い。

3
マイ・ベスト&カルト・スリーが示せるくらい、いっぱい映画に出てるダニエル・ブリュール。

本作は、モチ、彼のマイ3本指ベストに入ります。

さらに、その1本でもある「グッバイ、レーニン!」(2003年製作・ドイツ映画)は、

本作の監督ヴォルフガング・ベッカーとの、コラボレートでありました。

5
「グッバイ、レーニン!」以来、12年ぶりの監督作ですが、映画監督作家性は健在。

虚実の描き分けが、巧みのワザです。

冒頭。実のモノクロ・カットの連続から、虚の主人公部へとスライド。

実写が絵になるところも快感でして、現代の姿から、当時へタイムスリップし、絵画になっていくところなど、メッチャ印象的。

主にオーケストラをバックにしつつ、テルミンなんかを流す、サントラ使いもユニーク。

個人的には、主人公が住んでる部屋に、黒澤明監督の「乱」(1985年・日本)や「用心棒」(1961年・日本)のポスターが壁に貼ってあって、

監督の趣味とゆうか、黒澤明からの影響ぶりが、本作にもあるのだろうかと、探るような見方もできるなと思いました。

とゆうことで、ゴリゴリの映画ファンにも、遡及する作品です

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