無料ブログはココログ

新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


« 2017年3月 | トップページ | 2017年5月 »

2017年4月の記事

2017年4月30日 (日)

4月に見たマイ年間ベストテン候補映画

◆日本映画

●夜空はいつでも最高密度の青色だ(池松壮亮・石橋静河共演/石井裕也監督/5月27日より全国ロードショー)

http://www.yozora-movie.com

1
●光(永瀬正敏・水崎綾女共演/河瀬直美監督/5月27日より全国ロードショー)

http://www.hikari-movie.com

Photo
●武曲 MUKOKU(綾野剛主演/熊切和嘉監督/6月3日公開)

http://www.mukoku.com

1_2
●海辺のリア(仲代達矢主演/黒木華・原田美枝子・小林薫・阿部寛出演/小林政広監督/6月3日公開)

http://umibenolear.com/

Photo_2
◆外国映画

●ありがとう、トニ・エルドマン(マーレン・アデ監督/ドイツ&オーストリア合作/6月24日公開)

http://www.bitters.co.jp/tonierdmann/

Photo_3

●20センチュリー・ウーマン(アネット・ベニング主演/マイク・ミルズ監督/6月3日公開)

http://www.20cw.net

20

■今月は、日本映画4本・外国映画2本です。

全ての作品は後日、分析いたしますが、さわりとして、一言コメントを申し述べますと…。

今のところ、今年の邦画のマイ・ベストワンとなった「夜空はいつでも最高密度の青色だ」。

映画愛と盲目のヒューマンドラマを、ミキシングした「光」。

綾野剛の最高傑作となった「武曲」。

仲代達矢の独壇場「海辺のリア」。

父と娘のキズナというより、2人の生き方の違いを捉えた、父娘映画の異能の傑作「ありがとう、トニ・エルドマン」。

20世紀的女性の在り方を、1979年を主舞台に描いた「20センチュリー・ウーマン」。

てなカンジですか。

後日の分析をお楽しみに。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

2017年4月28日 (金)

「笑う招き猫」⇒松井玲奈・清水富美加共演

1
女性アイドル映画の、ユニークなカタチを示す

漫才映画・女の友情ものとしても、画期的な仕上げぶりだ

http://www.waramane.jp/

4月29日の「昭和の日」から、DLEの配給によりまして、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田などで、全国順次のロードショー。

本作は、2017年製作の、日本映画127分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ山本幸久/集英社・「笑う招き猫」製作委員会

2
清水富美加は、イロイロあってドロップ・アウトしましたが、

元SKEの松井玲奈は、現役バリバリ。

おそらく、本作は、女アイドル相棒映画として、作り上げようとしたものでありましょう。

そして、その狙いは、ものの見事に的中しておりました。

3
女相棒友情ものとしても、21世紀の邦画に限定しますれば、

マイ・ベスト的には、宮崎あおいと中島美嘉の「NANA」(2005年製作)と、

深田恭子と土屋アンナの「下妻物語」(2004年)に、

勝るとも劣らない、3本指に入るような仕上がりでした。

4
さらに、本作の作品性を見ていきますと、

漫才・落語のヒューマン・ドラマとしての作りでは、

ラストでフルで2人の漫才を披露するのは、

その種の映画の中でも、凄くドラマティックでありました。

5
加えまするに、本作の原作は、青春ものが多い「小説すばる新人賞」をゲットした小説です。

その意味では、同じような小説が原作となり、高評価を得た「桐島、部活やめるってよ」(2011年)に見られた、

青春映画の在り様が、見受けられます。

6
漫才コンビ・アカコ(清水富美加)とヒトミ(松井玲奈)の、出会いから、コンビ結成・解消・再結成までを、

大学生時代含む、過去の多彩なエピソードを、

カットバック的に絡めながら、進行するスタイルは、

まさに映画的作術劇の、真骨頂と言えましょう。

7
清水富美加と松井玲奈の、演技コンビネーションぶりが見事です。

時に激する、エキセントな演技を見せる清水富美加。

対して、松井玲奈は、主に穏和で柔和。

この対比ぶりが、冴えていました。

8
2人を支える、バイ・プレーヤー陣も強力。

全員が、人情味ある、好感あふれる演技ぶりを示しています。

2人を発掘した、名マネージャー役の「東京03」の角田晃広しかり、

2人の大学生時代の男友達役の、前野朋哉や浜野謙太しかり、

松井玲奈を応援する、母役の戸田恵子しかり。

9
つまり、人情系喜劇としても、松竹映画にも負けない仕上げぶりなんです。

松井玲奈なんか、「寅さん」や「浜ちゃん」のキャラが、見え隠れするような好感度の良さが、時おり見られましたよ。

10
ラストロールで流れる、Mrs. GREEN APPLEの「どこかで日は昇る」の、

キャッチーなポップロック・ナンバーなども、

爽快な余韻に浸れる、ポイントでありました。

11
何はともあれ、ラストで披露する、2人の集大成とも言える漫才は、笑いと共に、胸を熱く焦がしました。

このクライマックスを見るためにこそ、リピートしたいと思えるくらいでした。

ぜひとも、ゴールデンウイークに、感動してもらいたい作品です。

「シチリアの恋」⇒イ・ジュンギ主演中国映画

1_2
韓国流恋愛映画が、中国映画に移植されて…

秘密のある、謎めき恋愛の行方は?

http://www.loveinsicily.net

4月29日の「昭和の日」から、ハークの配給によりまして、シネマート心斎橋で、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の中国映画100分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

2_2
韓国俳優・女優が、ハリウッドを始め、他国の映画に主演・出演する映画は、今や結構なタイトル数になっています。

特に最近は、アジアでも、中国映画への主演が、目立っております。

しかも、韓国の監督も一緒に、とゆう傾向が見られます。

6_2
今年は、ソン・スンホン主演の「第3の愛」(2016年製作・中国映画・弊ブログ分析済み)に続き、

本作の日本公開となりました。

イ・ジュンギ主演でして、

彼の恋のお相手役は、中国の巨匠チャン・イーモウ監督の恋愛映画「サンザシの樹の下で」(2010年・中国・弊ブログ分析済み)で、

ピュアピュアの演技を披露した、チョウ・ドンユイちゃん。

7_2
さてはて、本作は、中国映画にはあんましない、韓国恋愛映画的テイストを盛り込んだ作品。

とゆうか、このタイプは、日本映画でも数多く見られるので、

ある意味では、よくある内容だと、一見、見られがちですが、

但し、ストーリー的流れや、主人公の意図などには、実は、これまでにないものがあるのですよ。

しかも、それが、最後の感動、そしてサプライズを、大きなものにしているのです。

4_2
いきなりのサプライズ、とゆうか、何しろ、映画の最初に、別れのシーンがあるんです。

主人公は突然、ヒロインとの上海の愛の巣を出て、姉のいるシチリアへ帰ってしまいます。

ヒロインは彼の帰りを、ひたすら待ちますが、

3カ月後、彼が事故死したとゆう悲報が届き…。

では、あとは、過去の想い出だけが、映されるのかと思いきや、意外な展開が待っています。

8
前半はヒロイン視点、後半は主人公視点とゆう、構成もトリッキーに、

もどかしくも謎めいた、ラブ・ストーリーが紡がれてまいります。

9
「最後の一葉」と言えば、オー・ヘンリーの名小説ですが、

「最後の一葉が落ちると、別の景色が見える」とゆう、セリフやメッセージが、本作にあり、大きなポイントになっています。

みなさん、「最後の一葉」を思い出してみてください。

あの小説とシンクロするところが、実は本作にもあるのですよ

3_2
誠実なイ・ジュンギと、強気なとこもあるけど、彼が出ていったあとは、脆く弱々しくなる、チョウ・ドンユイの組み合わせは、

映画が後半に向かうにつれ、ドラマティックな効果を呼びます。

10
過去シーンで、2人が突然ミュージカルしたり、

ピアノ・室内弦楽などのサントラを、ブルージーにメランコリーに流したりと、

シーンに合わせた音楽使いも、良かったです。

ラストロールで流れ来る、イ・ジュンギの、自らのシンガー・ソングライティングによる、キャッチーなバラードも、胸を打たれました。

とゆうことで、ゴールデンウイークに、カップルで見るにふさわしい、ロマンティック・ラブ・ストーリーです。

2017年4月27日 (木)

イギリス映画「マイ ビューティフル ガーデン」

1
さわやかなヒロイン映画の快作

イギリスらしい美しき庭園への、こだわりが見える

http://www.my-beautiful-garden.com

4月29日の「昭和の日」から、「ココロヲ・動かす・映画社」の配給によりまして、シネ・リーブル梅田ほかで、全国順次のロードショー。

本作は2016年製作の、イギリス映画92分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒThis Beautiful Fantastic UK Ltd 2016

ヒロイン映画とゆうのは、映画史を見ますれば、映画の1ジャンルとも言えるくらい、ものすごい数のタイトル数があります。

多彩なヒロイン映画を、細かく整理して、みなさんの気分に合わせた鑑賞法を、いつかお届けしたいとは思っているのですが、

女ゴコロの機微を、未だに知りえないボクは、現実も妄想も不確定のまま、現在に至っております。

但し、本作は、そんなボクでも、分かりやすい女ゴコロが描かれていました。

2
女性映画として、誰にでも分かりやすいストレート系。

しかも、優しく、しっとりな仕上がり。

それを体現するのは、美人系女優の、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ。

日本ではほとんど知られていませんが、アイドルチックではあるけれど、

おそらく女性のほとんどが、感情移入できる演技ぶりでして、

男としては、癒やしももらえるようなカンジであります。

7
さてはて、本編によると、イギリスでは、庭園へのこだわりがありまして、

自宅の庭を美しく整えておくとゆうのが、法律化されているらしいです。

もし庭が荒れ放題になっているなら、1カ月以内に修復しないと、住むとこを出ないといけないなんてことらしい。

6

隣に住むオヤジ(トム・ウィルキンソン)の指摘で、

ヒロインの住むアパートの庭が、荒れ放題なんで、何とかせんかいとなりまして、

ヒロインは慣れない庭整理とガーデニングに、いそしむことと相なります。

5
本作は、そんなヒロインの、コドモ時代のエピソードから始まります。

物の並べ方に、特異なとこがあるヒロインは、今、図書館で働いてはりますが、

いわゆるこの描写は、物の整え方、加えて庭の整え方へと、波及してまいるのです。

4
花や植物の薀蓄が、イロイロ語られます。

シャクヤクの花、ヒマラヤ杉、イランの花など。

と同時に、庭の自然描写も、目も冴える撮り方をしていて、好感を呼びます。

そして、園芸にまつわる、いろんなエピソードも語られて、

園芸人間ドラマな在り方を追求、園芸エンタな面白さを、クリエイトしていきます。

3
最初は敵対的だった、トム・ウィルキンソンと、ヒロインの関係性に加え、

ラブ・ストーリー部もある仕上げ。

とゆうことで、イギリス映画らしい、午後のティータイムな、和みのある作品です。

2017年4月26日 (水)

ドイツ映画「僕とカミンスキーの旅」

1
ロードムービーの、新たなスタイルを示す傑作

「グッバイ、レーニン!」の監督の、12年ぶりの新作だ

http://www.meandkaminski.com/

4月29日の「昭和の日」から、ロングライドの配給によりまして、YEBISU GARDEN CINEMAやらで、全国順次のロードショー。

本作は、2015年製作の、ドイツ・ベルギー合作映画123分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2015 X Filme Creative Pool GmbH/ED Productions Sprl/WDR/Arte/Potemkino/ARRI MEDIA

2
ロードムービーと言えば、これまでに映画の1ジャンルと言えるくらい、モノゴッツーなタイトル数があります。

かつて無謀にも、そんなロードムービーの、組み合わせ別の、マイ・ベスト&カルト・スリーなんてのを、弊ブログで書きましたが、

そんな中で、本作は、今までにないような、珍しい組み合わせコンビによる、ロードとなった作品です。

6
有名人と無名人のコンビネーション。

盲目の天才画家マヌエル・カミンスキーと、しがないジャーナリスト(ダニエル・ブリュール)のロード。

組み合わせの新しさだけではありません。

ロードムービーをベースに、一発スクープを狙うジャーナリストの人間ドラマ、虚実織り交ぜた画家の秘話ものなど、多彩なドラマ性に、食い入った作品になっています。

10
有名人と無名人のロードムービーとなれば、いきなり最初からロードに出る、とゆうわけにはいきません。

どのようにして、この2人が知り合い、一緒にロードに出ようとしたのか、

まず、この経緯が、観客に説得力を持たせるように、描かれねばなりません。

4
本作は、そこのところを描くために、前半をその出会い部に当て、そして、ロードへとゆう風に続いてまいります。

スイスの山奥で隠遁生活を送るカミンスキーに、主人公のジャーナリストは、どうアプローチしたのか。

取材先のカミンスキー家へ行き、カミンスキーとどう絡んでゆくのか。

そのあたりの詳細描写は、胸ワクワクドキドキなくらいに、お見事でした。

7
カミンスキーの昔の恋人(チャップリンの娘さん、ジェラルディン・チャップリン)と再会するため、

カミンスキーを管理している娘(アミラ・カサール)を出し抜いて、

主人公がカミンスキーを誘導していくところは、特にハラドキの展開でしょう。

8
でもって、ロードへ。

ロードの途中で、イロイロ波乱の展開が待ち受けているのも、ロードムービーのセオリーながら、面白い。

3
マイ・ベスト&カルト・スリーが示せるくらい、いっぱい映画に出てるダニエル・ブリュール。

本作は、モチ、彼のマイ3本指ベストに入ります。

さらに、その1本でもある「グッバイ、レーニン!」(2003年製作・ドイツ映画)は、

本作の監督ヴォルフガング・ベッカーとの、コラボレートでありました。

5
「グッバイ、レーニン!」以来、12年ぶりの監督作ですが、映画監督作家性は健在。

虚実の描き分けが、巧みのワザです。

冒頭。実のモノクロ・カットの連続から、虚の主人公部へとスライド。

実写が絵になるところも快感でして、現代の姿から、当時へタイムスリップし、絵画になっていくところなど、メッチャ印象的。

主にオーケストラをバックにしつつ、テルミンなんかを流す、サントラ使いもユニーク。

個人的には、主人公が住んでる部屋に、黒澤明監督の「乱」(1985年・日本)や「用心棒」(1961年・日本)のポスターが壁に貼ってあって、

監督の趣味とゆうか、黒澤明からの影響ぶりが、本作にもあるのだろうかと、探るような見方もできるなと思いました。

とゆうことで、ゴリゴリの映画ファンにも、遡及する作品です

2017年4月25日 (火)

「無限の住人」⇒木村拓哉主演時代劇

1
必死のパッチでキムタクが魅せる、チャンバラ・アクション

剣戟アクションの、ヒロイズムがシューティング

http://www.MUGEN-MOVIE.jp

4月29日の「昭和の日」から、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2017 映画「無限の住人」製作委員会

リアリティーある本格時代劇ではなく、コメディを除いた変格時代劇の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露しますと…。

ちなみに、変格時代劇とは、SF的設定や、あり得ない100人斬りとかを、大マジで披露するものと、勝手に規定いたしました。

また、チャンバラ・剣戟・殺陣ある作品に、限定しています。

2
●ベスト⇒①十三人の刺客(2010年製作)②五条霊戦記(2000年)③どら平太(1999年)

●カルト⇒①本作②るろうに剣心(2012年・2014年に前後編)③あずみ(2003年)

●いちおう、カルトはコミック原作にしました。

義経と弁慶の戦いを、SFモードで描いたベスト②、明治の剣戟カルト②を除くと、

100人以上ブッタ斬り(ベスト③・本作・カルト③)や、果てなき集団チャンバラ(ベスト①)が、

大いなる見どころとなってる作品群です。

そして、工藤栄一監督の「十三人の刺客」(1963年・モノクロ)の、バージョン・アップ・リメイクとなったベスト①と本作は、

同じ監督・三池崇史監督によるもの。

3
徹底的な激しいチャンバラの、連続シューティングは、まさにこの監督の、独壇場だと言えましょう。

本作は、モノクロで描かれる、木村拓哉の100人斬りから始まり、

1対1対決(キムタクVS市川海老蔵・戸田恵梨香ほか)を、小刻みに挟んで、

クライマックスでは、杉咲花を守りながらのキムタクと、福士蒼汰&戸田恵梨香が、300人の幕府軍と対決するのです。

6
キムタクのキャラが異彩を放つ。

切られても蘇えり続ける不死の剣士。

SFチックではありますが、それだけに、バイオレンス度も高い。

冒頭のモノクロ・シークエンスで、殺された妹(杉咲花)に、ソックリの女から、親殺しの仇を討ってほしいと頼まれ、

嫌がりつつも、ゆっくり彼女にのめり込み、守ってゆくスタイルも、

ドラマチック・ヒロイズムに満ちた演技ぶりです。

4
対して、杉咲花のキャラが、ホンマに守ってあげたいと、みんなが思うくらいの、

アイドルチックな、危なっかしい演技ぶりでして、

それゆえに、ワイルドなキムタクとの、対比コンビぶりが、ドラマを盛り立ててゆきます。

7
キムタクの対戦相手では、キムタクと同じく不死の市川海老蔵の、不死・不死対決。

キムタクがやられることになる、特殊武器を駆使する娼婦剣士・戸田恵梨香との対決など、

異能かつ異質な戦いシーンが、ディープなインパクトをもたらします。

5
不敵な田中泯、渋い山崎努、クセのある市原隼人、お淑やかそうでいての栗山千明、

おいおいこれがあの人なのかと、思わせる山本陽子など、

意外なキャスティングにも注目ください。

8

何はともあれ、クライマックスの戦いが、ベスト①と勝るとも劣らない仕上がりぶりで、何とも凄い。

深作欣二監督を継ぐような、三池監督の、日本のバイオレンス映画監督の、名匠ぶりに酔いました。

9
SMAP解散後初の、キムタク映画。

ゴールデンウイークのスタートに、全国民大注目の作品の登場です。

2017年4月23日 (日)

「3月のライオン[後編]」⇒日曜邦画劇場

1
将棋士人情ドラマの傑作だ

家族ドラマから友情まで、キズナを紡ぐ

http://3lion-movie.com

4月22日の土曜日から、東宝とアスミック・エースの配給によりまして、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017 映画「3月のライオン」製作委員会

2
前編を見た方には、分かるかとは思いますが、

主人公(神木隆之介=写真上から3枚目まで)が関わる、3つの人間関係が、

後編では、どおゆう着地を見せるのかが、大きなポイントであります。

3
3つの人間関係とは、まず、

①将棋界(写真上から10~13枚目)。

続いて、②交流する家族(写真上から6~9枚目)。

そして、③両親亡きあと、養われていた家の人たち(4・5枚目)。

4
後編は、もちろん、①での対決ぶりが、前編と同様に、重要ではあるのですが、

②の人間関係とキズナが、かなりとクローズアップされます。

学校でいじめに遭う、清原里耶との淡い恋の行方、

彼女の父・伊勢谷友介との敵対など、

緊迫した家族関係に、赤の他人の主人公が介入して、

とんでもないことになってまいります。

13
前編でギスギスしてた、③義姉役・有村架純との関係性は、一体どうなるのか。

義父役・豊川悦司とは?

10
そして、①の名人・加瀬亮との対局は、大いなる見どころでありましょう。

それ以外の対局シーンも、静かながらも、ハラドキの展開が待っています。

5
さてはて、主人公の神木以上に、多彩な演技陣の人情節に、グッときます。

特に、倉科カナは特注でしょう。

7
一方で、プロ棋士たちの、勝負に挑むクールさが、人情節に対比されるように描かれます。

こちらは、加瀬亮の、クールイズムが特注。

11
メイクアップで太った染谷将太と、主人公の友情部も、見逃せません。

6
前編のラストロールで流れる主題歌は、スローなヒップホップでしたが、

後編では、アコースティックな、ほのぼのポップスになっています。

この違いも、じっくり噛みしめてみてください。

8
本作を撮った、大友啓史監督。

ミステリーから時代劇まで、多彩なエンタを、クリエイトしてきましたが、

本作もまた、独特な青春映画ながら、大作感ある娯楽作に仕上げています。

12
かつての棋士の、ヒューマン・ドラマ映画にはなかった新機軸が、

そこはかとなく、カンジられる本作。

それはおそらく、家族ドラマ性を始め、

人情・キズナが濃厚に、描き込まれているからでありましょう。

9
これまでにないような、コミック原作実写映画の在り様に、ぜひとも魅せられてください。

2017年4月21日 (金)

「PARKS パークス」⇒橋本愛主演音楽映画

1
橋本愛・永野芽郁・染谷将太が、絶妙コラボレーションだ

過去のフォークと現代がシンクロナイズ

http://www.parks100.jp

4月22日の土曜日から、boidの配給によりまして、テアトル新宿やらで全国順次のロードショー。

関西では、5月6日から、シネ・リーブル梅田などで上映。

本作は2017年製作の、日本映画118分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017本田プロモーションBAUS

アメリカのミュージカル映画なんかと比べると、日本の音楽映画はどないやねんと言われそうですが、

ところがどっこい、大作ミュージカルは別にして、

世界の傑作に比して、決して退けの取らない作品は存在しております。

とゆうことで、ここで、その種の日本映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)を、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①モテキ(2011年製作・弊ブログ分析済み)②ロックよ、静かに流れよ(1988年)③スウィングガールズ(2004年)④ここに泉あり(1955年)⑤本作

2
●5作品共に、音楽とドラマを巧妙につなげた傑作です。

数少ない日本ミュージカル映画の傑作①、

バンドものと友情ものを絡めた②、

学園ものとジャズものを絡めた③、

交響楽団系の代表作④。

そして、本作は、1つの曲の誕生秘話を絡めつつ、

過去に陽を見なかったフォークが、現代に歌われるとゆう、歌に焦点を当て、

そこに、亡き父・娘(永野芽郁=ながの・めい)、亡き祖母・孫息子(染谷将太)の、

歌を通してのキズナが、紡がれてまいります。

さらに、ヒロイン(橋本愛)の物語でもあります。

音楽を媒介にして、人間を描くのが、音楽映画の1つのキモであるならば、本作はそのスタイルを踏襲しています。

5
さて、本作は、吉祥寺の井の頭恩賜公園が、今年5月に開演100周年を迎えるのを、メモリアルにした映画らしいのですが、

確かに、吉祥寺を舞台にしてるし、井の頭公園の風景が多数盛り込まれ、

また、橋本愛のナレーションで、「公園で見つかった音楽の物語」なんて前振りもあります。

でもしか、それらはほとんど気にならない。

むしろ大学生役の橋本愛を主演にした、青春映画として見ると、

すこぶるさわやかな映画であるところが見えてきます。

4_2
橋本愛のアパートに、転がり込んでくる永野芽郁。

亡き父のことを小説にしようとして、父のことを調べています。

父と付き合っていたらしい女のとこへ、橋本愛と2人で訪ねると、その女の孫息子の、染谷将太と出会うんです。

そして、その女の遺品から、オープン・リールに録音された楽曲を見つけ、3人でその歌を現代に、再生しようと試みる展開です。

ギターで弾き語る橋本愛、ラップのヒップホップで表現しようとする染谷将太。

永野芽郁は、父を含む3人組がその曲作った当時を想いつつ、その作品性に入り込もうとします。

3

ドラマとしては、クライマックス部に流れ来る、橋本愛が歌うその曲「PARK MUSIC」は、

爽快極まりない作りになっています。

音楽映画の粋が味わえる、まさにハイライト・シーンだと言えるでしょう。

ラストロールで流れる、相対性理論(バンド名)の「弁天様はスピリチュア」も、

映画の余韻と言うより、キッチュな女性ボーカルが、クセになりそなカンジが面白かった。

何はともあれ、本作は、今年の日本映画の、マイ・ベストテン級の仕上がりでした。

2017年4月20日 (木)

香港アクション「イップ・マン 継承」

1_3
格闘アクション・シリーズの人気作品だ

ドニー・イェンの独壇場だ

http://gaga.ne.jp/ipman3/

4月22日のサタデーから、ギャガ・プラスの配給によりまして、全国ロードショー。

作は2015年製作の、中国・香港合作映画105分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2015 Pegasus Motion Pictures(Hong Kong)Ltd. All Rights Reserved.

2_3
さて、いきなりですが、香港アクション映画シリーズの、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同・シリーズ第1弾の製作年を表記)を、申し述べますと…。

●ベスト⇒①燃えよドラゴン(1973年)②酔拳(1978年)③男たちの挽歌(1986年)

●カルト⇒①本作②片腕ドラゴン(1972年)③チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(1987年)

3_3
●香港アクションと言えば、本作と同様に、ベスト①②カルト②のように、

身1つによる、バトル・アクションが、基本ラインにあります。

刑事アクションのベスト③や、ワイヤー・アクションを使ったカルト③などもあるけど、

コレは、ボクシングやプロレスなどの、スポーツ格闘ものを除き、香港アクションならではのものであります。

9_2
そして、スター映画としてのフレイバーも、強靭です。

ブルース・リーのベスト①、ジャッキー・チェンのベスト②など。

そして、本作は、ドニー・イェンが主演する、シリーズものの第3弾。

前2作は弊ブログでも分析しましたが、

何はともあれ、ドニー・イェンの激烈なバトルぶりに、

ココロ躍る仕上がりになっています。

5_4
コドモを前にしての、ドニー対11人。

元ボクシングヘビー級王者の、マイク・タイソンとの対決。

槍と包丁を持ってのバトル。

身1つをベースにしつつも、多彩な対決シーンが、クリエイトされ、繰り広げられてまいります。

7_3

この種の映画にありがちな、スローモーションの使い方も、控えめでして、

あくまで、スピードフルに、対決シーンが演出されており、

そのあたりの臨場感描写、リアリティーぶりも、好感を呼びます。

6_3
ドニー・イェン演じるイップ・マンの義侠心、

武術の在り方を語るところなど、

単なるアクション映画を超えた、精神的な描写もまた、良かった。

4_3
サントラ使いや、ダンス・シーンにも注目です。

ブラス・サウンドをバックに、末期がんの女房との、ドニー・イェンのダンス・シーン。

ピアノ、ギター、バイオリン、胡弓などを絡め、

さらにラストロールでは、コーラス入りのオーケストラ・サントラが、

ハリウッド映画ばりに、大仰に披露されてゆきます。

8_3
最後の方で発せられる、「一番大切なのは、傍にいる人だ」

なんてキザなセリフも、妙に愛しい作品でした。

香港で大ヒットしてる、このシリーズ、

まだまだ続くみたいですよ。

2017年4月19日 (水)

「ぼくと魔法の言葉たち」⇒ヒューマン・ドキュメンタリーの快作

1_2
映画が治療となった、初の映画作品だ

ディズニー・アニメの凄さが分かります

http://www.transformer.co.jp/m/bokutomahou/

4月22日のサタデーから、トランスフォーマーの配給によりまして、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作のアメリカ映画91分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 A&E Television Networks. LLC All Rights Reserved.

2_2
自閉症の回復に、ディズニー・アニメが、大いなる効果を及ぼしたとゆう実話を、ドキュメンタリーで描いた作品。

映画が病気の回復に、貢献したとゆう映画は、

映画愛を描いた、多数のドラマ作品はあるけれど、

ドキュとはいえ、おそらく、映画史上初のものでありましょう。

3_2
しかも、ディズニーの脇役をポイントにした、オリジナル・アニメ(写真一番下)を、

自閉症の主人公が、構築するなんてゆう、サプライズもあります。

4_2
ある種ディズニー・アニメの、ベスト選集といった作りが、

主人公のラブ・ストーリーから、親子・兄弟のキズナ・ドラマ、

そして、立派に1人立ちする、自立ヒューマン・ドラマまでを、クリエイトしてまいります。

6_2
自閉症患者のドキュやドラマ映画は、これまでにも、多数出てきましたが、

本作の新しさは、自閉症患者がどう治ってゆくかの、その経緯を事細かに、描いた点であるかと思います。

5_3
何はともあれ、主人公のキャラクターが、好感を呼びます。

同じ患者との、ラブ・ストーリー部の純粋さ、

父母兄との感動的なキズナ部など、

主人公のキャラと、見事にマッチした作りになっています。

8_2
自閉症とは違い、ダウン症やったけども、

「チョコレート・ドーナツ」(2013年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)なんかに通じる感動が、

ボク的にはありました。

7_2
ヒューマン・ドキュとしても、出色の仕上がりぶり。

とゆうことで、永くココロに刻印されるべき、傑作ドキュでした。

2017年4月18日 (火)

「バーニング・オーシャン」⇒実話パニック・ムービー

1
マーク・ウォールバーグらの、ヒロイズムがカッコイイ

パニック・ムービーの驚愕がある快作品だ

http://burningocean.jp

4月21日のフライデーから、KADOKAWAの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、2016年製作のアメリカ映画107分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

2
本作はいわゆる、パニック・ムービーであります。

パニック・ムービーといえば、それまでにもそれなりにあったのですが、1970年代に、

ハリウッドで一大ムーブメントを巻き起こした、ジャンルであります。

そんな70'sハリウッド・ムービーの、順不同のマイ・ベスト・スリーは、

船舶パニックの「ポセイドン・アドベンチャー」(1972年製作)、

高層ビル火災の「タワーリング・インフェルノ」(1974年)、

ディザスター・ムービー地震の「大地震」(1974年)、

加えるなら、航空パニック「エアポート'75」(1974年)でしょうか。

3
その後、多彩に出てきたパニック・ムービーですが、

1970年代に、ほとんどのバリエーションが、形成されていました。

あの歴史的映画「タイタニック」(1997年)でさえ、船舶パニックの範疇に入ります。

さてはて、ミレニアムを含めた21世紀の、パニック・ムービーは、どないなっているのでしょうか。

そんなアメリカン映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、

手前勝手思いつくままに、披露してみますと…。

4
●ベスト⇒①ハドソン川の奇跡(2016年・弊ブログ分析済み)②キング・コング(2005年)③デイ・アフター・トゥモロー(2004年)

●カルト⇒①本作②2012(2009年)③パーフェクト・ストーム(2000年)

●ベスト②などの、モンスター・パニックは、人気ジャンルですが、

ディザスター・パニックの、ベスト②③カルト③も、あなどれない出来。

でもって、本作は、航空パニックベスト①と同様の、実話をベースにした作品であります。

5
実話である点以外では、本作は、パニック・ムービーの基本ラインを、きっちりと押さえた作品でありました。

群像劇的ムービー調しかり、ディザスター調に加え、人為的パニックも加えた複合タイプ。

火災パニックを、メインに据えた「タワーリング・インフェルノ」以上に、

電撃的・衝撃的な内容になっています。

6
何はともあれ、セット撮影の粋を見せる点が、まずはスゴイ。

パニック・ムービーには、つきもののセット撮影ながら、

海底油田の造形ぶりは、ハンパやありませんでした。

7
CGなしで、ここまで見せるスタイルは、

1970年代パニック・ムービーにも、そうそうなかったスタイルであります。

8
演技陣について。マーク・ウォールバーグの、ヒロイズム描写が、カッコよかった。

ストレートなヒロイズムではありません。

イロイロ悩みつつ、退けを見せつつも、徐々にヒューマニズム・ヒロイズムを見せてゆくタッチは、

「ダイ・ハード」シリーズ(第1弾は1988年)などと同様に、

この種の映画のハイライトであり、見どころでありましょう。

10
実話であるだけに、細かい部分における、リアリティーもまた、面白い。

事故中にシャワーを浴びていた、カート・ラッセルの被害描写など、

単なるパニック・ムービーにはない、詳細な描写です。

9
実話映画で比較すれば、評論家受けの高かった「ハドソン川の奇跡」と比べても、決して遜色のない仕上げ。

特に、群像劇タッチやアクションや、パニック・シーンは、「ハドソン川…」より強烈でした。

実話ベースながら、パニック映画のお手本とも言える本作。

みんなで胸ワクで、見に行きたい快作です。

2017年4月16日 (日)

「ReLIFE リライフ」⇒日曜邦画劇場

1
学生時代をやり直す、青春映画のニュータイプ

中川大志と平祐奈ら、次代の若手役者が多数登場

http://www.relife-movie.jp

4月15日の土曜日から、松竹の配給により全国ロードショー。

本作は、2017年製作の、日本映画119分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017「ReLIFE」製作委員会ⓒ夜宵草/comiko

2
学園ものの日本映画は、ラブ・ストーリーから、

みんなで何かをやってみようで~ものまで、

これまでに、モノゴッツーなタイトル数があります。

そんな中で、特殊設定ものについて見てみましょう。

そのほとんどが、「時をかける少女」(1983年製作)を始めとして、タイムスリップ系を使っています。

本作もまた、そんなスタイルであり、さらに、過去改ざん系も取り入れた作品です。

但し、スリップするのは、時間ではなく、容貌である点が新しい。

3
WEBのアプリで発表されたマンガを、初めて映画化したのが本作ですが、

リアリティーよりも、ユニーク設定重視という意味では、

昨今のコミック原作の、学園ものと通じているかもしれません。

人生のやり直しをする映画は、ケッコーありますが、

本作は、現在時点で、10年前の容貌に返って、高校生活をやり直すとゆうもの。

老人が若返るとゆうタイプではなく、いわゆる、20代が10代に若返るんであります。

人生のやり直しと言うより、若年期での軌道修正とゆうカンジでしょうか。

4
ニートを対象にした、社会復帰プログラムやなんて、今どきのスタイルやけど、

そんなんをする団体があって、主人公はそれに選ばれてしまいまして、

高校3年生の1年間を、やり直すことになってまいます。

やり直しと言うよりも、学園生活を、受験地獄やいじめ地獄を再生するのでなく、

もう一度エンジョイするような、楽しいノリがあってよかったです。

5
主人公役の中川大志は、見た目だけ10歳若返るけど、精神年齢・実年齢ともに27歳です。

そんな彼が、17歳の子らと関わってゆきますので、

やはり、大人びた挙動や発言が頻出します。

そのあたりの、あわてたり、ふためいたりの、さじ加減の演技が面白い。

6
ほんで、主人公の助言で、友達いないを解消してゆく、成績優秀・引っ込み思案のヒロイン役には、平祐奈ちゃん。

彼女の演技は、ここ1年、強気な演技から本作の弱気な演技まで、イロイロ見てきましたが、

遠慮がちの消極的演技も、アイドル的おしとやかでいかずに、

ピリリと辛いや、ミステリアスがあるとこが、よろしおました。

7
そんな2人が、フォール・イン・ラブする、なんてことになると、

いやはや、ありきたりのラブ・ストーリー展開かと思いきや、

とんでもないサプライズが、用意されておますんで、ご期待ください。

9
ラブ・ストーリー、加えて、みんなで仲良く楽しもうで~な学園もの。

でもしか、そこに特殊設定としての主人公の存在が、

結末部・ネタ部で、大いなる葛藤を、呼び込んでまいります。

8
どこにでもありそうな学園ドラマが、後半で強烈な変転と反転を見せます。

ラブ・ストーリーの行方は、どうなるのか。

その波乱ぶりに感動し、驚いてくだされ。

2017年4月14日 (金)

「名探偵コナン から紅(くれない)の恋歌(ラブレター)」

1_2
劇場版シリーズ最新作は、京都・大阪が舞台だ

東・江戸川コナンと西・服部平次の、東西推理対決に注目!

http://www.conan-movie.jp

4月15日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

2
本格ミステリーをメインに、アクション・シーンもある、好評アニメ・シリーズ。

でもって、今回は、三角関係ラブ・ストーリーも、キーポイントになっています。

3
そして、関西が舞台。

大阪と京都が舞台でして、ラストロールでは、ロケ場所が実際に映されます。

聖地巡礼を促進するのかどうか、そのあたりにも注目したい作品です。

4
大阪のテレビ局で、予告爆破事件が起こり、

居合わせた西の高校生探偵・服部平次を、コナンが果敢に救出しまっせ。

一方、京都の嵐山では、殺人事件が…。

いずれも、百人一首界の人間関係の摩擦が、関わっているみたいやねん。

5
百人一首を取り込んだ映画と言えば、

最近では、青春映画「ちはやふる」(2016年製作)が有名どすが、

今作も、ミステリー部を除けば、

百人一首対決に燃える女子たちの、熱き物語が繰り広げられるんどすえ。

6
しかも、その対決は、服部クンを巡る、女同士の争いとゆう図式でもあり、

そこんとこがユーモラスでもあり、

本作の悲劇を緩衝する、大きなアクセントにもなっています。

10
ミステリー部を見てみましょう。

百人一首が今作のキーである以上、ダイイング・メッセージを始め、

やはり言葉をポイントにした、トリッキーが続きます。

さらに、ミスリードとなるところも入れて、

これまでと同様、本格ミステリーとしての醍醐味が、充二分に味わえますよ。

7
展開の早さも、今回は次々にやってくるような、作りになっとりまして、

いわゆるドトウのサスペンスフルな作りで、目が離せません。

ほんでもって、から紅の色使いシーンなどには、思わずドキッとしました。

8
さてはて、コナンと服部クンの推理対決。

果たしてどちらが、勝ったのでありましょうか。

それは見てのお楽しみとゆうか、みなさんが見ての、それぞれの判断になるかと思います。

ボク的には、コナンの負けと見たんやけど、さあ、どないなもんやろか?

9
主題歌がよろしおました。

最後に流れくる、倉木麻衣の雅系を取り入れた、スローポップス「渡月橋~君想ふ~」が、

しっとりきて、ドラマの余韻を深めています。

11
何はともあれ、テレビでは見られないところが、次々にやってきますので、

ぜひ劇場へと、みなさん、足をお運びくだされませ。

2017年4月13日 (木)

マレーシア映画「タレンタイム~優しい歌」

Photo
コンテスト音楽映画の、かつてない領域に入った傑作

家族ドラマ部も感涙の映画だ

http://www.moviola.jp/talentime

4月15日の土曜日から、ムヴィオラの配給によりまして、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2009年製作の、マレーシア映画115分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒPrimeworks Studios Sdh Bhd

1
みなさん、マレーシア映画なんて、見たことはありますやろか。

ボクチンも記憶を探るに、初めて見るんで、たぶんみなさんと、おんなじやろかと思います。

でもしか、コレが、メッチャオモロいもんに、なっておりましたがな。

2
まあ、一言でゆうなら、音楽ムービー、

ほんで、コンテスト・ムービーとなるんやろけど、

欧米にいくらでもある、その種の映画とは、ビミョーに一線を画しているような内容になっとりました。

3
とある学園で、パフォーマンス・コンテストなるもの(タレンタイムは、そのことを示しています)がありまして、

それに向かって、学生たちが、ガンバルとゆう映画であります。

4
そんな中で、メインとなるところの、ラブ・ストーリーがあり、

サブ・ポインツ的に、家族ドラマがあるとゆう展開です。

5
ヒロインと言える女の子の家族やら、

ヒロインをコンテストやら練習やらに、送り迎えする男の子がいてます。

一方、主人公に当たる男の子がいて、

オカンを看病しもって、ギターの弾き語りによる、オリジナル・ナンバーで、コンテストへとゆうお話があり、

2話が交じり合って、クライマックスのコンテスト・シーンへと、向かうわけであります。

6
ビートルズの「レット・イット・ビー」的な、ピアノ・バラードで勝負するヒロイン。

でもしか、彼氏との恋愛の中で、いろんなことが葛藤となってゆくとこなど、

微妙かつ繊細な心理描写もまた、胸にきました。

そして、ジョニー・キャッシュ、ニーナ・シモンやらのポピュラー界から、

ドビュッシーの「月の光」、民族音楽的ポップス・スロー・ナンバーまで、

多彩なカタチで、音楽ムービー的を、クリエイトしてまいります。

8
さてはて、本作は、マレーシアの女性監督ヤスミン・アフマドの、遺作となった作品ですが、

みなさん、おそらく、彼女のことは知らないでしょうし、

過去の作品もDVD化されとりません。

でもしか、ぜひとも本作を、見に行っていただきたい。

音楽映画の、新たな次元を、体感していただきたく思います。

7
ボク的にも、今年の洋画マイ・ベストテン級の映画です。

欧米映画にたとえれば、

誰もが知る恋愛映画「ロミオとジュリエット」(1968年製作・イギリス&イタリア合作)と、

オーディション映画「コーラスライン」(1985年・アメリカ)を、

合体させて、アジア的化学反応を加えた本作。

映画史に刻まれるはずの、音楽映画の傑作だと、ボクはジャッジいたします。

2017年4月12日 (水)

「グレートウォール」⇒マット・デイモン主演

1
マット・デイモンと組んだ、チャン・イーモウ監督初のハリウッド映画だ

モンスター・パニック映画の新次元へ

http://www.greatwall-movie.jp

4月14日のフライデーから、東宝東和の配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、2016年製作の、ハリウッド映画1時間43分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 UNIVERSAL STUDIOS

世界各国の映画監督の、ハリウッド映画進出第1弾とゆうのは、もちろん、これまでに、モノゴッツーなタイトル数があります。

そんな中で、それまでの映画作家性とは違う、意表を突くような映画に仕立てるとゆうのは、

その段差ぶりなどを入れても、ディープ・インパクト極まりないものがあることでありましょう。

中国のチャン・イーモウ監督とくれば、イメージ的には、

ボク的には、コン・リーやチャン・ツィイーら主演の、ヒロイン映画などに、痺れてきた口ですが、

本作は、監督がこれまでに撮ってきた、全米興収ベストテン入りの「HERO」(2002年製作・中国映画)や、

「LOVERS」(2004年・中国)「王妃の紋章」(2006年・中国)などの、中華時代劇アクションではあるのですが、

そこへ、ハリウッド的モンスター・パニック映画色を、とんでもなく付加されますと、

おいおい、イーモウ監督、チョイ狂ってもうたんと違うんかいやと、

思わずサプライズな驚愕は、倍化されたんでおます。

4
いやはや、イーモウ監督は、ハリウッド映画にカメレオン化すべく、とんでもないとこへと、

自ら無鉄砲に、飛翔したように思いました。

その飛翔ぶりは、ハリウッド映画を撮るからといって、

自らの作家性を保ちつつも、エンタを追求するっちゅうような姿勢ではありません。

破天荒にして、荒唐無稽を絵に描いたような…。

そのハチャメチャぶりに、むしろ逆にボクは、ココロ震えてしまいましたがな。

2
「万里の長城」をバックにした映画は、それなりにあるけども、

それがハリウッド映画ワクとなると、実はかつてありませんねん

フツーなら、そんな長城を舞台に、戦争映画的壮大アクションをば、

ハデハデに見せるとゆうのが、ハリウッド・セオリーでありましょうや。

ところがどっこい、本作に出てくる敵側は、

ウジャウジャいてる、未だ見たことがないモンスターでおます。

なんじゃ、こりゃ~と、思わずうなってまう、VFXモンスターや~。

6
ゾンビやら以上に、攻撃的な、そんなモンスターやらと、人間たちが、大マジに対決してゆくとゆうスタイルは、

波瀾万丈にして、途轍もない対決ぶりによって、披露されてまいります。

人間対モンスター映画として見ても、かつてない破天荒な仕上がり具合を見せているんですわ。

それがSFではなく、時代劇である点も、強烈な印象がありました。

5
マット・デイモンがハリウッドから、主演級で参戦していますが、

個人的には、美人中国女優のジン・ティエンの、

キリリ凛としたアクションぶりに、全くもって翻弄されてまいましたがな。

ジェイソン・ボーン代名詞なマット・デイモンも、たじたじとなる、彼女の演技ぶりに、チョー注目!です。

3
何はともあれ、イーモウ監督が魅せる、ハリウッド・アトラクション・ムービー節に、ハットトリックがある大作です。

つてのハリウッド・スペクタクル映画への、果敢な挑戦魂が、見え隠れする本作。

ハリウッドの紀元前アクション映画や、聖書系スペクタクルと比べても、何ら遜色のない仕上がりぶり。

インド映画「バーフバリ 伝説誕生」(4月6日付けで分析)とも、見比べてほしい映画でありました。

2017年4月11日 (火)

「パージ:大統領令」⇒メッチャ危ない作品

1
罪が許される12時間を描いた、トンデモ設定だ

タイムリミット・サバイバル・サスペンスの新機軸

http://purge-movie.com

4月14日のフライデーから、パルコの配給により、TOHOシネマズ 日劇やらで、緊急ロードショー。

本作は、2016年製作のアメリカ映画109分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 Universal Studios.

5
宇宙の出てこない、SF映画などに見られますが、特殊設定による、タイムリミット・サスペンス・スリラーです。

サスペンスとスリラーの違いを言いますと、緊張感が上のサスペンス、恐怖感が上のスリラーとゆうカンジですが、

本作は、そのどちらも、バランス良く配置された作品でした。

4

そして、その特殊設定は、1年間のうち、夜中にどんな犯罪も許される12時間を、法律設定したものでして、

それによって、政府側としては、犯罪が抑止されるとゆうのですが、さてはて、どんなもんでしょうか。

2
人間の善意を図るものなのか、それとも、人間の性悪説を見るものなのか。

「戒厳令」と、おんなじようなもんやないかと、勝手に推量するのですが、

人々は核シェルターか、誰も入れないところで、12時間じっとしているもんやないか、とは思うのですが、

ところがどっこい、次期大統領選に出る、牧師と女議員は、そうではありませんでした。

3
女議員の暗殺を狙う対抗側と、女議員側の防御・逃亡が、何やら意図的に、スリリングに描かれてゆくのでありました。

政治絡みでない、犯罪もそれなりに描かれるけど、

群像劇とはいえ、メインは女議員を含む5人が、どう応戦し逃げ切るのかが、見どころとなっています。

7
「ボディガード」(1992年製作・アメリカ映画)を思い出す、女議員とその護衛の設定に加え、

彼女を守る側に、メキシコ移民や女ギャングがいるあたり、妙に興味深いものになっています。

現政府へのアイロニーも、そこはかとなく感じられる作りなんです。

8
夜中の12時間が主舞台になるだけに、総体的にダークな作りになっています。

白人至上主義の登場など、少しく古っぽい奴らも登場しますが、

電飾の車に乗った狂気の女たちや、仮面をかぶった奴らなど、

いかにもなキャラが出てくるのは、定番的とはいえ、メインの話を際立たせる、アクセントになっているかと思います。

6
嵐のような銃撃戦アクションが、クライマックスにあります。

ボク的には「合衆国最後の日」(1977年・アメリカ)みたいな、緊張感とスリルをカンジました。

10
冒頭で使われる、T-レックスのノリノリのロックンロールを始め、

ジョージ・クリントンの極烈ファンキー・ナンバーに加え、ハードロックなインストなど、

緊張感をあおるような、サントラ使いにも、ぜひ注目してみてください。

9
さてはて、本作は、シリーズ第3弾らしいのですが、ボクは前2作を見ておりまへん。

でも、見ていなくても、よく分かる映画になっとりまして、

何はともあれ、最後までハラドキで見ることができましたで。

そして、波乱の逃亡劇としても、出色の出来やないでしょうか。

シリーズの第4弾も、妙に楽しみになってきました。

2017年4月 7日 (金)

「母 小林多喜二の母の物語」⇒週末日本映画劇場

1
母役・寺島しのぶの、真骨頂を示す傑作

小林多喜二役・塩谷瞬の、久々の快演技も見どころ

http://www.gendaipro.com/haha/

4月8日の土曜日から、テアトル梅田やらで、全国順次のロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

4
母もの映画となりますれば、

洋画なら、「母」(1926年製作・ソ連映画)から、「ルーム」(2016年・アメリカ・弊ブログ分析済み)などまで、

綿々とありますが、では、邦画の場合は、どうかとゆうことで、

その種の日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①本作②青幻記 遠い日の母は美しく(1973年)③悪魔の手毬唄(1977年)

●カルト⇒①本作②岸壁の母(1976年)③瞼の母(1962年)

6
●本作は、ベストでもカルトでも採り上げました。

いわゆる、ベタなカンジの、母親の息子への愛を描く映画を、カルトにし、

母視点の本作、息子視点のベスト②、ミステリーの中で示す、母の愛ベスト③とゆうカンジで、

本格・息子側・変格の、それぞれを、ベストで選んだとゆうのが、上記であります。

3
何はともあれ、母視点を通した映画でも、

本作は寺島しのぶネーさんの、寺島しのぶのための映画とも思える、

強烈ベタで果敢な演技ぶりに、ボクは圧倒されました。

「ヴァイブレータ」(2003年)など、女のサガを絶妙に演じてきた彼女の、母としてのサガに挑んだ作品です。

8
でもって、息子役の塩谷瞬。

小林多喜二を描いたドラマ映画は、巨匠・今井正監督による「小林多喜二」(1974年・キネ旬年間第13位)がありますが、

その時の主演だった、山本圭と比べて、より抑制された演技ぶりを示しています。

フワフワと浮わついていた、「パッチギ!」(2004年)などの、演技と比べても、大人の演技ぶりでした。

9
さてはて、ストーリー的流れとしては、写真2枚目から9枚目まで、ほぼ順番に並べてみました。

ストーリーを披露するよりは、みなさん、写真によって想像してみてください。

ストーリーは、上記の本作の公式ホームページで、確認できます。

5
秋田ロケ部の、癒やし的風景描写を始め、

ピアノが鳴り続けてるような、サントラ使いは抒情的だし、

母の述懐シーン含め、分かりやすいアップの使い方など、

感動を盛り上げる作りもまた、よろしおました。

2
さてはて、山田火砂子監督の最新作であります。

監督の作品は、弊ブログでも何作か、分析させていただきましたが、

本作は中でも最も、人口に膾炙(かいしゃ・広まってゆく)できるような作品だと思います。

7
野口英世を描いた「遠き落日」(1992年)とか、「福沢諭吉」(1991年)など、

かつて日本映画にあった、娯楽偉人映画のノリがあります。

とゆうことで、家族みんなで、見に行ける映画です。

2017年4月 6日 (木)

インド映画「バーフバリ 伝説誕生」

1
全米興行収入チャートベストテンに、初めて入ったインド映画だ

「ベン・ハー」「クレオパトラ」など、往年のハリウッド・スペクタクルを、思い出す仕上がり

http://www.baahubali-movie.com

4月8日のサタデーから、ツインの配給によりまして、新宿ピカデリー、なんばパークスシネマやらで、全国順繰りのロードショー。

本作は、2015年製作の、インド映画138分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

インド映画と聞いて、みなさんのイメージは、いかがなものでありましょうか。

実は、インド映画界は、ハリウッド映画をばくして、ボリウッド映画と言われるくらい、映画が盛んに製作されている国です。

とゆうとこで、かつても披露いたしましたが、マイ・インド映画の、ベスト&カルト・スリー

(各順不同・インドを舞台にした、インド以外の製作国映画や、本邦未公開フィルムは、はずしております)を、申し上げますと…。

●ベスト⇒①大地のうた(1955年製作)②きっと、うまくいく(2009年)③モンスーン・ウェディング(2001年)

カルト⇒①本作②ボンベイ(1995年)③ロボット(2010年)

2
●インド映画のパブリック・イメージと言えば、ミュージカルを思い出す人は、多いと思います。

そういうのも取り入れた作品をカルトに、

そして、ミュージカル色のないジャンル映画を、ベストにもってきました。

インドの家族を描く大河映画ベスト①。コメディのベスト②。結婚式映画のベスト③。

休憩をはさんだ、長尺ミュージカルのカルト②。

ミュージカルも入れながら、インド流儀のSF映画となったカルト③。

ミュージカルだけじゃない、多彩なジャンルが、混成されてるところが分かります。

でもって、本作は、そういうインド映画の特質を踏まえつつ、

ハリウッド映画に負けない、トンデモないヒロイズム・アクション映画を、撮り上げました。

その娯楽性ゆえに、インド映画界で最大のヒットとなり、

さらに、アメリカでも上映されて、

インド映画では初めて、週間全米興行収入ランキングで、ベストテン入りを果たしたんです。

3
紀元前後の映画と言えば、

「イントレランス」(1916年・アメリカ・モノクロ映画)を嚆矢として、

かつてはハリウッド・スペクタクル・アクションの、十八番でありました。

でもしか、最近はほとんど作られておりません。

そこへ、このインド大作の登場であります。

往年のハリウッド映画の魅力が、メッチャ充満していまっせ。

例えば、どんなフレイバーがあるかと申せば…。

多難を乗り越えて、自由とヒロイズムを獲得する「ベン・ハー」(1959年)であったり、

スペクタクル監督の巨匠、セシル・B・デミル監督の「十戒」(1956年)であったり、

クレオパトラを描いた、「クレオパトラ」(1963年)であったりします。

でもって、ヒーローと女剣士らのミラクル・アクションに、目が点になってしまいます。

加えて、2人の愛のミュージカル・シーンを、本作のアクション部と対比させて、

ハリウッド・ミュージカルでは、披露されないような、独特なオリジナルがありました。

女が男を敵対視する中で、男は剣をかわしつつ、ワイルドな女に化粧を施してゆく。

いやはや、こんなのはまず、ハリウッド・ミュージカルにはないでしょう。

とゆうことで、往年のハリウッド映画を、思い出させる本作を、

みなさん、ぜひとも劇場で、体感してみてください。

2017年4月 5日 (水)

「標的の島 風(かじ)かたか」⇒抵抗運動ドキュメンタリー

1
女性監督・三上智恵のシリーズ第2弾

沖縄ドキュメンタリーの、3本指に入る傑作シリーズだ

http://www.hyotekinoshima.com

4月8日の土曜日から、東風の配給によりまして、第七藝術劇場、神戸アートビレッジセンターやらで、全国順次のロードショー。

本作は、2017年製作の日本映画119分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

8
人民の体制側・支配側への、抵抗を捉えたドキュメンタリーとゆうのは、

海外でも作られているんでしょうが、ドラマ映画はありますが、ほとんど日本上陸していません。

逆にそれゆえに、日本の抵抗運動ドキュが、映えているように思います。

日本は抵抗ドキュの、宝庫やなんて言い方をしたら、宝の言葉に、抵抗感を覚える人がいるやろけど、

でもしか、ホンマ、ケッコーあるんで、そう言うしかありませんねん。

また、抵抗運動もんドキュは、ボクは日本映画しか、見とりませんのですわ。

2
古くは、三里塚シリーズなどが有名ですが、

現代では、安保法案に抵抗したシールズや、

本作のように、沖縄の問題に、カメラを向けたものなどがあります。

シールズも本作も、軍事に関するものであるのは、興味深いわ。

4

米兵の強姦殺人事件への訴えから始まり、自衛隊のミサイル部隊の配備、激しい抵抗が続く辺野古、

そして、クライマックスは、高江の米軍のヘリパッド建設に、抵抗する人々の、凄まじさを捉えています。

5

本作は、シリーズものの第2弾と、捉えられるでしょう。

第1弾「標的の村」(2013年製作・弊ブログ分析済み)は、高い評価を得ました。

沖縄を捉えたドキュメンタリーとしても、

ボク的には、「モトシンカカランヌー」(1971年・モノクロ・ブログ分析済み)、

「沖縄うりずんの雨」(2015年・ブログ分析済み)と並んで、

ベスト・スリーに入りまっせ。

9
でもって、本作は、そんな傑作「標的」シリーズの第2弾なだけに、

1弾とのつながりの中で、評価されるべき作品でありましょう。

7
監督の三上智恵による、ナレーションは、元アナウンサーらしい流暢で落ち着いたもので、

社会問題を取り上げているにも関わらず、何やら安心して聞けるような口調であります。

でもしか、描かれるのは、ゆるやかなとこから、徐々に逼迫度を増してゆく、

ガンジーより綿々と続く、座り込み無抵抗主義な抵抗運動。

6
例えば、冒頭の三線の弾き語りや、自衛隊の第1犠牲者A君を歌った、ギター・フォークなど、

サントラとゆうより、映画内で披露される劇中歌も、ソフトタッチながら、

抵抗運動のシビアさと、対比かつ連動しております。

3
太平洋戦争の沖縄戦での、マラリア地獄など、過去の検証も怠りなく描かれ、

抵抗ドキュとしてだけでなく、社会派ドキュとしても、優秀果敢なドキュになっています。

2017年4月 4日 (火)

「雪女」⇒火曜日本映画劇場

1
純粋なるジャパニーズ・ホラーこと、怪談映画に回帰した作品だ

怖くないホラーがあっても、エエじゃないか、エエじゃないか、ヨイヨイヨイヨイ!

http://snowwomanfilm.com/

4月1日から、和エンタテインメントの配給により、シネ・リーブル梅田、シネ・ヌーヴォなどで、全国順次の上映中。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒSnow Woman Film Partners

「マンガ肉と僕」(以下①と表記)「欲動」(以下②)に続く、杉野希妃・女優監督の監督第3弾(以下③)ですが、

彼女の過去2作品は、弊ブログで、単独・共同インタビューを始めとして、既に分析いたしました。

でもって、本作③はどんなもんでしょうか。

2作品と比べて、甲乙つけがたい仕上がりだ、なんて言い方は、

監督に対してむしろ、失礼な言い方だと思いまして、別の言い方をいたします。

順位付けができない。甲乙丙つけられないというより、賛否分かれるラインに、共に位置するような作品群。

3作通して統一する作家性は、ないように思えるけど、

でもしか、ヒロインたち(①③杉野希妃・②三津谷葉子)の特異な位置づけと、

彼女に関わる主人公たち(①三浦貴大②斎藤工③青木崇高)の、戸惑いや悩みや、災難に巻き込まれ型的タッチは、一貫しております。

2
①京都②インドネシア・バリ島③広島と、ロケ先はバラバラですが、

観光地としてではなく、その地の雰囲気を醸す撮影スタイルは一貫し、

また、①は溝口健二監督作品、③はホラーではなく怪談映画など、日本映画の黄金時代の作品に、インスパイアーされた作品を、意図して撮っています。

ボク的には、③はモノクロから始まるけど、川を小舟で行くロングショットなど、

カラーの色使いに、1970年代のATG(アートシアターギルドの略・かつてのインディーズ邦画)的タッチを、見て取りました。

例えば、寺山修二監督の「田園に死す」(1974年)や、市川崑監督の「股旅」(1973年)などです。

3
さてはて、怪談映画といえば、思い出すのは、中川信夫監督の「東海道四谷怪談」(1959年)とかですが、

本作は、今どきのホラー映画のように、怖がらせるようなところはほとんどなく、

映画化された小林正樹監督の「怪談」(1964年)などで、有名な小泉八雲原作映画ですが、

女性のサガとゆうアーティスティックなところに、踏み込んだ作品であります。

4
バックに雅楽を配したり、女の子たちが妙な踊りをやっている、体操ミュージカルなとこなど、意表を突くとこが、随所にあり、

また、アップ少なめの、ロングショット・メインの撮り方を含め、

映画作家性を、かなりと意識した作品になっています。

5
いつもながらに、クールな演技ぶりの杉野希妃、

純粋素朴な粗野を出した、青木崇高のコンビネーション。

いろんな映画にひっぱりだこの、宮崎美子オカンぶりに、

大ベテラン水野久美の鬼気、佐野史郎のブッキラ、山口まゆチャンのアイドルチックなど、

キャラに合わせた演出ぶりも、ケッコー心地よかったです。

3作の中で、イチバンヤーとは言いませんが、

これからも杉野監督が、監督し続ける、フィルモグラフィーの中において、

かなりと特異、かつカルトでユニークな作品となることでしょう。

« 2017年3月 | トップページ | 2017年5月 »