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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年3月15日 (水)

「わたしは、ダニエル・ブレイク」

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ケン・ローチ監督の、最高傑作となった最新作だ

2度目となる、カンヌ国際映画祭最高賞をゲット!

http://www.danielblake.jp

3月18日のサタデーから、ロングライドの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、全国順繰りのロードショー。

本作は、2016年製作の、イギリス・フランス・ベルギー合作の100分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒSixteen Tyne Limited. Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve British Broadcasting Corporation, France 2 Cinema and The British Film Institute 2016

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高齢者シニア映画の傑作。

さてはて、かつてもベスト&カルトやらを、披露しましたが、改めて、シニア系映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)を、披露しますと…。

①ベニスに死す(1971年製作・イタリア映画)

②ハリーとトント(1974年・アメリカ)

③本作

④ストレイト・ストーリー(1999年・アメリカ)

⑤老人と海(1958年・アメリカ)

次点:八月の鯨(1987年・アメリカ)

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●ほかにも、「旅路の果て」(1949年・フランス)や「野いちご」(1957年・スウェーデン)なども傑作です。

シニア映画とはいえ、いろんなタイプがあります。

孤独映画①、ロードムービー②、兄弟のキズナ④、老人の執念を描く⑤、群像劇な次点作。

そして、本作は、社会保障制度の中で、老人がどう生き抜いてゆくのかを、リアルに描いた作品。

ベスト・ファイブに挙げた作品の中でも、映画的装飾控えめに、最も生活臭がリアルに出た作品です。

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59歳の主人公といえば、シニア寸前状況ではあるのですが、

シニア映画に選定したのは、働くシニアが当たり前となっている、21世紀的現在状況に加え、

国によって当然違う、社会保障の現状をバックにしながらも、

人間の尊厳を描いた、映画的素晴らしさに、強烈に胸打たれたからです。

そして、シニア映画には、傑作がケッコーあるもんだなあとゆうのんも、

改めて認識することと相なりました。

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妻に先立たれた、59歳の男が主人公。

心臓発作のため、医者から大工の仕事を、止められております。

そこで、日本ではハローワークと、呼ばれるとこに行って、

失業手当をもらえるように、申請するのですが、それが却下されます。

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さらに、パソコンを使う申請もあり、パソコン音痴な主人公は、イロイロやってもうまくいきません。

ほんで、陳情にハローワークへ行って、同じく冷たい仕打ちに遭ってる、母とコドモ2人と出会います。

そして、主人公はその家族に、生活面を始めとして、イロイロと助言サポートし、でもって、交流していくのであります。

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いやはや、貧困社会が蔓延している今、どこの国にでもあるお話ではあります。

でもしか、主人公の人間としての、当たり前の主張、そして尊厳が、ボクのココロを、ディープに打ってくれはりました。

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一般市民のココロの叫びを伝える、主人公の書き置きを、ヒロイン母によって、読まれるラスト・シーンは、

いつまでもココロに残る、シーンでありましょう。

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ケン・ローチ監督の最高傑作だと、ボクはジャッジいたします。

「人気ブログランキング(映画全般)」でも、今のところ、今年の洋画マイ・ナンバーワンにしています。

フツーにありがちな話を、フツーのように紡ぎ、

それでいて、深い余韻とココロにグサリがある、ヒューマン・ドラマ映画の、映画史に残るべくな傑作です。

きっと、「モダン・タイムス」などの、チャップリン映画に匹敵するような、名作になることでありましょう。

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