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新作映画分析

  • 映画・音楽分析研究所 所長 宮城正樹
    1→新作含む公開前映画の批評分析を、1日1本を毎日行います。関西発なので、あえて関西弁にて批評いたします。2009年12月11日よりスタートし、5年連続を突破しましたが、2015年5月中旬より、週3~4作更新といたします。厳選した作品分析を、お楽しみください。 2→不定期となりますが、新作映画の出演者・監督・スタッフらのインタヴューや取材記事、CDアルバムやシングルのレコ評、DVD評に、小説・書籍評、各種の分析批評なんぞをいたします。

音楽・小説分析


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2017年3月の記事

2017年3月31日 (金)

3月に見た、今年のマイ・ベストテン候補映画です

★洋画

●カフェ・ソサエティ(ウディ・アレン監督/ジェシー・アイゼンバーグ主演/5月5日公開/アメリカ映画)

http://www.movie-cafesociety.com

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●マンチェスター・バイ・ザ・シー(ケイシー・アフレック主演/5月13日公開/アメリカ映画)

http://www.manchesterbythesea.jp

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●パーソナル・ショッパー(オリヴィエ・アサイヤス監督/クリステン・スチュワート主演/5月公開/フランス映画)

http://www.personalshopper-movie.com

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●タレンタイム~優しい歌(ヤスミン・アフマド監督/大阪は4月15日公開/マレーシア映画)

http://www.moviola.jp/talentime

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★日本映画

●PARKS パークス(瀬田なつき監督/橋本愛・永野芽郁・染谷将太共演/4月22日公開)

http://www.parks100.jp

1
●大和(カリフォルニア)(宮崎大祐監督/韓英恵主演/今年公開待機作)

http://deependpictures.com/

California_1
◆全ての作品は、後日分析予定です。

とゆうことで、一口・二口・三口コメント的に、各作品を、さわり的にゆうてみますと…。

NYラブ・ストーリーに回帰した、ウディ・アレン監督作品「カフェ・ソサエティ」。

これまでのキャリアの総体的な、マニュアルチックな作りながらも、魅せられました。

今年のアカデミー賞で、主演男優賞と脚本賞をゲットした「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。

トラウマある男のドラマとしては、ケイシー・アフレック、

「タクシードライバー」(1976年製作・アメリカ映画)のロバート・デ・ニーロへも、迫る演技ぶりでした。

「カフェ・ソサエティ」にも出てる、クリステン・スチュワート。

「カフェ…」とは違う、演技で魅せた「パーソナル・ショッパー」。

そして、ほとんど見たことがない、マレーシア映画の「タレンタイム」は、

異能の音楽映画として、驚かされた傑作でした。

同じ音楽映画でも、邦画「PARKS」とも、何やらビミョーに通じていたように思います。

大阪アジアン映画祭で見た、変型家族ドラマの問題作「大和(カリファルニア)」(3月8日付けで、少しだけやけど、分析いたしました)も良かったです。

とゆうことで、今後の分析に、ご期待ください。

選=映画分析研究所 所長 宮城正樹

中華映画「第3の愛」

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ソン・スンホンとリウ・イーフェイ共演で、実際に恋人同士に

「私の頭の中の消しゴム」の監督が描く、ラブ・ストーリーだ

http://www.daisan-ai.com

4月1日のサタデーから、ツインの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー。

本作は2016年製作の、中国映画113分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

韓国のイ・ジェハン監督と言えば、ラブ・ストーリーの名手であります。

フィルモグラフィーを見れば、戦争映画も撮ってはりますが、

日本で一番売れた韓国映画「私の頭の中の消しゴム」(2004年・韓国映画)やら、

中山美穂ミポリンを主演にした「サヨナライツカ」(2009年・日本・弊ブログ分析済み)など、

祖国・韓国に固執することなく、アジア各国の作品を監督してはります。本作は中国映画となりました。

ほんでもって、一口にラブ・ストーリーといえ、多彩な切り口で展開します。

記憶喪失の病系の「私の頭の中の消しゴム」、

三角関係恋愛の「サヨナライツカ」。

そして、本作は、身分違いの恋に挑みました。

2
王女と新聞記者の「ローマの休日」(1953年・アメリカ)、娼婦と富豪の「プリティ・ウーマン」(1990年・アメリカ)など、

この種の映画は、メッチャ・ドラマティックでもあります。

で、本作は、女弁護士(中国女優リウ・イーフェイ)と、大会社の御曹司社長(韓国男優ソン・スンホン)の愛が、紡がれてまいります。

ほんで、この2人。本作での共演で、実際にも恋人同士にもなってまいました。

そういう映画を俯瞰してみますと、

山口百恵・三浦友和映画、ブラピとアンジーなど、メッチャあることに、気付かれることでおましょう。

3
でもって、本作は身分違いの恋物語の破局具合として、

マニュアル通りかもしれへんけど、多彩なフレイバーを入れてはります。

いわく、バツイチ、三角関係、政略結婚など。

どこまでもソフィースケイト・タッチの、ソン・スンホンと、

キリリと凛として毅然とした、リウ・イーフェイの対比効果演出は、絶妙やったと思います。

そして、この2人のやり取りや恋愛の推移具合は、大げさかもしれへんけど、

ハリウッドの王道のラブ・ストーリー「風と共に去りぬ」(1939年)にも、近いものをカンジました。

4
スローモーションやら短カットの連続編集に加え、今どきの中国の黄砂ある風景描写など、

細部の心憎いところまで、おろそかにはしてはりません。

ラブ・ストーリーの、心地いい快作。

最後には、泣きもありまっせ。

とゆうことで、ぜひとも、夫妻や恋人同士で、劇場へ見に行っていただきたい作品です。

2017年3月30日 (木)

「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」

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ナタリー・ポートマンの毅然とした、心に残る快演技

「JFK」もの映画に、新たな刺激的問題作が登場だ

http://www.jackie-movie.jp

3月31日のフライデーから、キノフィルムズ/木下グループの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は、2016年製作の、アメリカ&チリ&フランス合作の99分。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2016 Jackie Productions Limited

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JFK暗殺検証ものをメインに、JFKもの映画は、イロイロ出てまいりました。

でもしか、本作は、そんなJFKのファーストレディの、

事件前後の想いを綴る、ヒロイン映画の傑作となりました。

2

各国のトップのヨメや、女トップを描いた映画はそれなりにありますが、

USA大統領のヨメはんを、ヒロインにして描かれた映画は、

おそらくアメリカン映画史上、初めてではないでしょうか。

11

主演のナタリー・ポートマンの演技が際立っています。

災難に遭うヒロイン像として、アカデミー賞主演女優賞をゲットした「ブラック・スワン」(2010年製作・弊ブログ分析済み)は、

幻覚設定の中で、ギリギリの逼迫系を演じていましたが、

本作は、災難系でも、実話ベースなので、もっとリアル感ある、毅然とした演技で、魅せてくれはりました。

3
彼女を際立たせるための、脇役陣も好演。

彼女を慰め、事件の後処理に追われる、自らも暗殺され映画化もされた、JFKの弟役には、ピーター・サースガード。

「アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発」(2015年・ブログ分析済み)でも示した、抑制された演技性は、特筆ものでした。

4
共に、ナタリー・ポートマンをサポートする、グレタ・ガーウィグや、

神父役ジョン・ハートらの演技も、好感度があふれていました。

5
映画の総体を見ると、JFK死後のナタリーを、新聞記者が取材してるシーンと、

ナタリーの過去をシンクロさせるとゆう、映画的カットバックが渋かった。

10
何はともあれ、クライマックスとなる、JFKの葬送シーンと、

ナタリーが思い出す、近接撮影による、JFKの銃撃暗殺シーンの、シンクロナイズ描写は、

本作最大の、ディープ・インパクトな見どころです。

6
そして、印象的なセリフの数々にも、酔うことができましたえ。

時おりの長回し撮影もエエし、

8
不協和音・単一的と、オーケストラを使い分ける、サントラ使いも、フック的ながら、ココロにきとります

7
特に、ミュージカル「キャメロット」(1967年)のナンバーが、大統領とそのヨメを描くのに、癒し系であり、

その曲に乗った2人の、ダンス・シーンなども、グッときました。

9

実話ものヒロイン映画として、最高級の仕上がり具合でした。

ボク的にも、年間マイ・ベストテンの候補作の1作。

とゆうことで、映画ファンだけやなく、一般の方々にも、ぜひ見に行ってもらいたい作品です。

2017年3月29日 (水)

日本映画「話す犬を、放す」

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母娘のキズナを、ユニークな視点で描くほっこり作品

愛犬を媒介とした、家族映画の快作だ

http://hanasuinu.com/

3月25日の土曜日から、アティカスの配給によりまして、テアトル梅田ほかで上映中。

本作は、2016年製作の、日本映画84分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ

2
本作の前に分析した、フランス映画「モン・ロワ」に続き、女性監督(熊谷まどか)による作品。

日本映画界は各国と比べても、女性映画監督は、世界で最も多いのではないでしょうか。

女性監督の宝庫であり、激戦国と言ってもいいくらい。

そんな中で、新たな才能の誕生であります。

個人的にも、ボクと同じく同志社大学の後輩なだけに、熊谷まどかには、メッチャな熱視線を傾注いたしました。

結論から申し上げますと、女性監督らしい柔和な視線と作りが、総体的に心地よかった。

描かれるのは、母娘のお話です。

アルツハイマーな母(田島令子)、小演劇を主宰する、女優・演出家の娘(つみきみほ)。

こんな2人のやり取りやキズナが、死んだ愛犬への想いを媒介にして、紡がれてまいります。

4
ペットへの想いを紡ぐ映画なら、みなさんも、いっぱい見ておられるかもしれませんが、

本作は、少し違った取り込み方をしております。

生き物をフィルターにして、人間や人間のキズナを描く映画としては、

ボクが一番大好きな邦画は、「さよなら、クロ」(2003年製作)なのですが、

本作はイヌへの想いは、さほど熱くなく、

また、母が見る愛犬の幻影という格好で、どちらかと言えば、クールなカンジで展開いたします。

つまり、イヌ映画にある、ある種の感動は稀薄ながら、

その向こうに見え隠れする、母娘の想いを、じんわり伝えて、

鑑賞後に、ほんわかになれる、癒やしの渋い作品になっているのです。

さらに、そのテイストをベースに、アルツハイマーもの映画や、

娘が出演するとゆう映画の、映画メイキング映画のタッチも付加されて、

インディーズ映画ながら、練り上げられた作品になっております。

3
娘役主演は、久々の映画主演となる、つみきみほネーさん。

「ちはやふる 下の句」(2016年・弊ブログ分析済み)で、ちょっと見たけど、それもかなり久々とゆうカンジでした。

「櫻の園」(1990年)から、その後のテレビのトレンディー・ドラマ出演やらで、とんがった強気な女を、演じ続けてきた彼女。

熊谷監督と同じ女性監督・西川美和監督「蛇イチゴ」(2002年)では、

本作と同じく、家族ドラマの中でも、印象深い妹役を演じていました。

そして、「蛇イチゴ」より、14年を経た本作でも娘役。

でもしか、本作では、「蛇イチゴ」の時よりも、だいぶと丸くなっています。

昔の彼女のイメージもあることはあるけども、まるで初めて見るような新鮮味がありました。

ぼんやりとボケまくる、母役・田島令子との掛け合いも、自然体のノリで、スムーズに見られました。

セピア・フィルター入りの母娘の過去描写、ピアノ・ソロ・サントラの使い方など、女性監督らしい細部の、繊細な作りにも魅せられた快作品。

ほんでもって、イヌ映画としての新しい試みにも、ぜひ注目していただきたい作品です。

2017年3月28日 (火)

フランス映画「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」

1
「男と女」に通じる、フランスの本格ラブ・ストーリー映画だ

男のエゴイズムが、際立つ演出ぶり

http://www.cetera.co.jp/monroi

3月25日のサタデーから、シネ・リーブル梅田やらで上映中。

本作は、2015年製作のフランス映画126分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2015 / LES PRODUCTIONS DU TRESOR - STUDIOCANAL

3
おフランス映画の恋愛映画のイメージと言えば、みなさん、どんなもんを想起されるでしょうか。

ハリウッドのラブ・ストーリー以上に、ウットリな、「映画の中にいるみたい」に、なれるんやないかと、思われることでしょう。

ゴリゴリの映画ファンでも、いかにもそう思ったりしがちですが、

以前にも書きましたが、そもそも「映画の中にいるみたい」な恋愛映画で、名作と呼ぶべき作品は、どこの国の映画であれ、ごくわずかしかありません。

単に恋する・愛し合うな、陳腐なラブもんやったら、ナンボでもあるんやけど…。

そんな中で、フランス・ラブ・ストーリーは、よりシビアな展開による、悲恋ものが多く、

ことに、激愛系の「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」(1986年)のように、

ヒロインが悲愁系に遭うもんが、多いように思います。

でもって、本作もまた、そんな系列に入るような、恋愛映画になっとります。

2
おフランスのラブ・ストーリーで、ボクがイの一番に思い出すのんが、「男と女」(1966年製作)で、

次に、病系恋愛の「ポンヌフの恋人」(1991年)、

その次に、アカデミー賞作品賞を、フランス映画として初めてゲットした「アーティスト」(2012年・モノクロ・弊ブログ分析済み)であります。

ところが、マイ・ナンバーワンの、フランスの恋愛映画である「男と女」や、「アーティスト」は、

稀少とも言える「映画の中にいるみたい」な、ロマンチックなラブ・ストーリーの名作でありまして、

ゆうてみたら、本作とは恋愛映画的には、真逆の展開なんやけども、

でもしか、本格的な男と女の恋愛映画としては、本作にも通じるもんでありましょう。

7
スキー事故で膝を痛めたヒロイン(エマニュエル・ベルコ)が、その現在時点から、

過去の恋愛を思い出すとゆう、映画的カットバック手法で、恋愛物語は繰り広げられます。

ただ、何ゆえに、事故と過去の恋愛がつながるのかと言えば、そのあたりのリンクはありません。

でもしか、失意にまみれたヒロインの視点とゆうのは、多くの恋愛映画にリンクするところでもあり、

ボク的には、あまり気にはなりませんでした。

4

何はともあれ、男のエゴイズムが際立つ恋愛映画作りに、

なるほど、女性監督(マイウェン)らしい視点なんやなと思いました。

監督自身も、こんな恋愛を体験しはったんやないやろか。

それだけに、男役のヴァンサン・カッセルの、エゴイズムな役柄ぶりに、

いわゆるナンチュー奴やねんと、不感情移入してまうボクを発見いたしました。

いやはや、うまいで、ヴァンサン・カッセルのアニキ!

5
対して、監督もやったことがある、ヒロイン役のエマニュエル・ベルコのネーさん。

今作の演技で、フランスの地元開催とはいえ、カンヌ国際映画で女優賞をゲットしてはりますが、

男のエゴを丸出しにする、ヴァンサン・カッセルに対して、

大マジに対峙する、誠実な役柄をこなしています。

こちらの方がモチ、好感度は高いことは高いやろけど、

その種の演技の、セオリー通りなカンジに、少しく不満が残りました。

6
ともあれ、恋愛して夫婦になり、コドモまで儲ける夫妻映画タッチは、ケッコーのめり込んで見れました。

夫妻になってから、三角関係に陥る展開もユニーク。

とゆうことで、フランス産恋愛映画の最新版でした。

2017年3月24日 (金)

「サクラダリセット 前篇」⇒週末日本映画劇場

1
野村周平・黒島結菜・平祐奈らが、活躍する

いわゆる、学園ものアクションの、新しいスタイルだ

http://sagrada-movie.jp

3月25日の土曜日から、ショウゲートの配給によりまして、全国ロードショー。

「後篇」は、5月13日にロードショーだす。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017映画「サクラダリセット」製作委員会

いきなりやけど、日本映画の学園ものアクションの、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに披露いたしますと…。

●ベスト⇒①バトル・ロワイアル(2000年製作)②けんかえれじい(1966年・モノクロ)③ぼくらの7日間戦争(1988年)

●カルト⇒①本作②ビー・バップ・ハイスクール(1985年)③高校大パニック(1978年)

2
●いわゆる、ベスト②カルト②に加え、井筒和幸監督の「ガキ帝国」(1981年)「岸和田少年愚連隊」(1996年)など、

ケンカものとゆうのんが、20世紀においては、学園アクションの花形であったかと思います。

でもしか、新種はその時代時代に、作られてきておりました。

社会派ドキュ「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002年・カナダ映画)で描かれた、

コロンバイン校の銃撃事件を、先取りしたようなカルト③。

学生同士が殺し合いをする、サバイバル映画のベスト①。

6
そして、何人かがつるんで、あるいはチームを組んで、体制側と対決するタイプの映画は、

宮沢りえが主演したベスト③と同様、本作へも通じるものであります。

フツーの高校生たちの、ベスト③と違うのは、本作は、SF設定の特殊能力の、高校生たちによる、体制側との対決を、クリエイトしています。

21世紀には、この種の特殊能力者たちの映画は、いくつも出てきたかと思いますが、

本作はその雛形として、堂々と提示できる1作でありましょう。

4
しかも、本作は、「時をかける少女」(1983年)以来、定番的ともなったタイムスリップ系も、大いに取り込んでいます。

過去のリセット、改ざん系は、当たり前のごとくに、披露されてまいります。

但し、過去のリセットにも、正義の在り方らしい展開で、納得できる作りを、施しているのがミソでしょうか。

3
主人公役の野村周平。

その特殊能力設定のお相手は、黒島結菜。

この2人のコンビネーションが、本作のキモや見どころとなります。

そんな中で、いろんな本を、主人公がヒントにするシーンがあるのですが、

その1冊である、フィリップ・K・ディックの「ブレードランナー」(1982年・アメリカ)の、

原作となった小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は、

本作のネタの1つの、おっきなポイントになっとりましたで。

5
正義仁義肌の野村周平、消極的ながらも、仁義に熱い黒島結菜。

いろんな特殊能力の人たちと、2人のチームワークぶりの面白さ。

みんなの結束の結果、既に死んでるのに、蘇った平祐奈。

その平祐奈が、後篇では、ドラマのキーパーソンとなってゆきます。

後篇は、公開直前の後日に分析いたしますが、

前後編に分ける公開スタイルは、1950年代の映画黄金時代には、当たり前のようにありましたが、

21世紀になって、またもや、かしましくなってきてるようですな。

いずれにしても、前の面白さが、ヒットするためにも、メッチャ重要となってきます。

本作は、サプライズある、前篇の終わり方によって、後篇への期待度合いを高めています。

まずは、前篇を、じっくりご覧ください。

2017年3月23日 (木)

日本映画「まんが島」

1
漫画家たちの執念とサバイバルを描く、トンデモナイ作品

日本のインディーズ映画のプライドが見え隠れする作品だ

http://manga-jima.com/

3月25日の土曜日から、インターフィルムの配給によりまして、新宿K's cinemaで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の日本映画107分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2017守屋文雄

2
いきなりやけど、漫画家たちを描いた邦画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を披露いたしますと…。

●ベスト⇒①トキワ荘の青春(1996年製作)②バクマン。(2015年・弊ブログ分析済み)③ゲゲゲの女房(2012年・ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作②グーグーだって猫である(2007年)③これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫(2011年)

3
●実在の漫画家を描いたベスト③カルト③、群像劇のベスト①など、

この種の映画では、実在系が主流となっていましたが、

フィクションとしての、漫画家の生き方を描いた映画が、21世紀以降に、出てきております。

漫画家役・小泉今日子の、愛猫とのエピソードを描くカルト②、

「少年ジャンプ」に寄稿する若者たちの、熱き情熱を描いたベスト②。

それぞれ漫画家ヒロイン映画、青春群像劇となった2作ですが、

4
本作は、さらに破天荒に、漫画家ものだけやなく、他ジャンルとのシンクロナイズを、追求した作品となりました。

そのイチバンのポイントは、島ものサバイバル映画であります。

漫画家の執念や狂気と、サバイバルものをシンクロさせるやなんて、もちろん、かつてありません。

5

そして、いろんな漫画のアイデアが語られます。

ベスト②ではあったけど、そういうのんも、あんましありません。

AV女優がタイムスリップして、卑弥呼になって活躍する話とか、

江戸時代の遊女と大量のウンコの話やら、

消防士の宇宙での、SFラブ・ストーリーやら、

そういう奇妙奇天烈な話が、披露されてまいります。

6

でもって、島での食を巡るサバイバルも、破天荒な作りになっとります。

ここぞとゆう時の、逼迫系のクローズアップ、

手持ちカメラによる、アクション・シーン、

タイトな黒場シーンの挿入、

洞窟内からのタイトなカットなど、映画撮影的リズムにも、それとなくハマりました。

蛇・ヤギ・イモリなどの登場や、自然描写の描き込みもOK。

また、パーカッションをベースにしたサントラ使いも、作品性に合っていたし、

個人的には、むくつけき男たちばかりが、出演する中において、

アイドルチックな美少女が、チョイ出演するとこなんかに、ハッとさせられてしまいましたがな。

7
メジャー作品では描かれない、フレイバーがあふれています。

インディーズ映画界の心意気やプライドを、示す作品でありましょう。

「キツツキと雨」(2010年・ブログ分析済み)の脚本家・守屋文雄が、構想10年の本作を、映画初監督いたしました。

10年の想いが、トンデモ放出されております。

ワケ分からん映画やんと、一蹴するには、何とも言えない熱気に、あおられまくる作品。

これぞ、インディーズ映画の粋でありましょう。

拡大系ではありませんが、みなさん、ぜひ映画館で体感してくだされ。

2017年3月22日 (水)

台湾映画「百日告別」

1
「四月の雪」を思い出す、愛する人への複雑な想い

ヒロイン・サイドと主人公サイドが、絶妙に絡み合う作りだ

http://www.kokubetsu.com

4月1日の土曜日から、パンドラの配給によりまして、大阪のシネ・ヌーヴォやらで、全国順次のロードショー。

近畿圏では、4月8日から京都みなみ会館、5月20日から神戸元町映画館などで上映。

本作は、2015年製作の、台湾映画96分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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台湾で、同じ交通事故で、フィアンセを亡くした女(カリーナ・ラム/香港女優カリーナ・ラウとは、1字違い)と、

妻子を亡くした夫(シー・チンハン)。

そんな2人が、死んだ愛する人への、想いや人間関係を、

センチメンタリズムをベースに、たどってゆく物語です。

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映画的ドラマチックとしては、

この2人が出会って、愛し合うナンチュー展開を、求めがちやけども、2人の交流はほとんどありません。

とにもかくにも、2人の、愛する人への追想ぶりが、深みをもって紡がれてまいります。

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女は、婚約者コックが、沖縄で一緒に、食堂を開業しようとしていた意志に基づき、

沖縄へ行って、婚約者の意志をたどって、グルメの旅をしはります。

片や、男は、ピアノ教師だった妻の、教え子たちを訪ねる旅に出はるんだす。

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でもって、合同葬やらで、2人が出会い、

そして、愛する人への想いを、しみじみと語り合います。

いやはや、渋い作りになっとりまして、

ヒロインや主人公に、感情移入しながら、ボクは見ることができました。

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しかも、この2人は、あと追い自殺まで考えて、実行に移します。

女の場合のやり方は、かなりとユニークでしたが、

いずれにしても、2人は死にませんし、死ねません。

9

さてはて、冒頭のカットを始め、クローズアップ・アップを多用しています。

2人の心理や感情を見せてゆく、このアップ・カットは、

胸にくるシーンが多かった。

8
冒頭の、ショパンのピアノ・エチュード曲と共に、披露される、アップや近接撮影をポイントにした、事故シーンのクリエイト。

対して、ラスト・シークエンスでは、2人が乗る小型バスの、ロングショットな移動撮影の長回し。

この対比効果も、映画作家性の目論見が見られて、ゾクゾクするような、快感を覚えました。

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ボクは、共に伴侶の浮気に気付いた、男女の物語やった「四月の雪」(2005年製作・韓国映画)を、少し思い出したのですが、

本作は、「四月の雪」以上に、ヒリヒリした感情が見え隠れする、ある種悲壮な映画でしたやろか。

10

2人の役者の演技もまた、悲壮感をじっとりにじませて、強烈な印象を残してくれました。

台湾映画の、新次元を示す快作です。

みなさま、ぜひとも映画館へ、足をお運びくだされませ。

2017年3月21日 (火)

フランス映画「未来よ こんにちは」

Photo
イザベル・ユペールの、最高傑作となったヒロイン映画

女優監督ミア・ハンセン=ラブの、最高傑作にも

http://www.crest-inter.co.jp/mirai/

3月25日のサタデーから、クレスト・インターナショナルの配給によりまして、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル梅田やらで、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の、フランス・ドイツ合作の102分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

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3月1日付けでも披露いたしましたが、本作は、今年の洋画マイ・ベストテン級の作品になった作品です。

何はともあれ、フランスのヒロイン映画として、歴史的な傑作となりました。

その主演女優イザベル・ユペールのネーさんの、

自然体を究極なスタイルで突き詰めた、神がかり的とも言える演技ぶりに、脱帽してしもた映画であります。

4
ユペールが演じるのは、高校で哲学を教える先生役。

生徒との関係性はモチ、三世代にわたる家族のキズナにも、言及してゆく、メッチャ素晴らしい作品になっとります。

女優の母、娘、教え子などとの関係性において、あくまで自然体を旨に演じて、

かつては作り込んだ演技性で、ボクたちを魅了したユペールながら、

作り込まないこの演技は、間違いなく、彼女の最高傑作となりました。

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そして、ミア・ハンセン=ラブ女優監督の、最高傑作にもなっとります。

ユペールの最高演技を演出し、

でもって、細部のいろんなところで、映画ファンに遡及する、見事なフックを披露しています。

5
特に、ボクの胸にきたのは、劇中で流れる、ボブ・ディランに影響を与えた、ウディ・ガスリーの名曲でした。

「ウディ・ガスリーわが心のふるさと」(1976年製作・アメリカ映画)なんてゆう映画もありましたが、

そんなウディ・ガスリーの人生と、ユペールの人生が何やら相通じるものがあるやん、な作りがお見事。

で、哲学的講義的にも、ルソーやパスカル「パンセ」が、ドラマ的にも、シンクロするような作りを施しています。

6
個人的には、死んだ母が残した、大型クロネコとユペールのキズナぶりが、はからずもココロにきました。

とゆうことで、今年のベストテン級映画を、映画館でお楽しみくだされ。

「パッセンジャー」⇒ハリウッドSF映画最新版

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宇宙のSFラブ・ストーリーやなんて、どおよ!

宇宙で戸惑いつつも行動する、サスペンス映画やねん

http://www.Passenger-movie.jp

3月24日のフライデーから、ソニー・ピクチャーズの配給によりまして、全国ロードショー。

本作は2016年製作の、アメリカ映画116分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

さっそくやけど、SF映画はSF映画でも、

宇宙で迷い・惑い・悩む洋画SF映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、

多数見たSF映画の中から、思いつくままに披露してみますと…。

●ベスト⇒①2001年宇宙の旅(1968年製作・アメリカ映画)②惑星ソラリス(1972年・ソ連)③ゼロ・グラビティ(2013年・アメリカ・弊ブログ分析済み)

●カルト⇒①本作②イベント・ホライゾン(1997年・アメリカ)③ロスト・イン・スペース(1998年・アメリカ)

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●SF映画の人間的悩み・煩悩を、哲学的に披露するベスト①②は、

前衛SFのファジーを示しながらも、今に残る映画史的名作ですが、

思いっきりリアリティーを加えれば、ベスト③などになってゆきます。

一方で、宇宙の戸惑いと行動ぶりを、他ジャンルとの絡みで、描くSFもあります。

そおゆうのんを、手前勝手に、カルトにいたしました。

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パニック・ムービーとのシンクロナイズのカルト③、

ベストからはそれましたが、「エイリアン」(1979年・アメリカ)などの、ホラー映画とのカルト②。

ほんでもって、ラブ・ストーリーとの、シンクロとなった本作であります。

そして、設定系SF映画ながら、ラブ・ストーリー以外に、サスペンス映画としてのハラドキも、加えられた快作です。

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地球とは違う別星へ、宇宙船で向かうのに、120年もかかるとゆう設定。

まず、ここで引っかかるのは、120年も年を数えて、果たして人は生きていられるのか。

しかし、向かう間、カプセルの中で眠っていて、行く前の現状のまま、120年後もそのままとゆう設定。

まず、これはSF的設定でありまして、リアル感はモチありません。

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でもって、120年後に目覚めるはずが、システムの故障か何かで、主人公(クリス・プラット)が、90年も早く目覚めてしまいます。

AIはいるけど、全くの1人状態を、ロビンソン・クルーソーのように1年間続けたあと、

眠り続ける、気に入った女・ヒロイン(ジェニファー・ローレンス)を、意図的に覚醒させてしまいます。

ほんで、2人だけの話が、宇宙船内で展開してゆくとゆう展開

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いろんなクエスチョンがあっても、話の流れのままに見ていけば、何の問題もないし、

ラブ・ストーリーとしての、ハラドキも見られます。

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確かに、シチュエーション的に、ご都合主義はありますが、

この2人は年をとる中で、120引く90の30年間を、宇宙船内で過ごさなあかん状況となり、

2人だけなんで、いたし方なく、フォーリン・ラブするしかなく…。

しかも、AIがでんな、ヒロイン目当てに主人公が、意図的に眠りから起こしたんを、ヒロインに話したことから…。

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2人だけの話なのに、次々にサスペンスをもって展開してゆく、面白い流れは秀逸でした。

かつてよりスリムになった、アカデミー賞主演女優賞女優の、ジェニファー・ローレンス。

エンタ作品に見合う、ヒロイン演技ぶりは、演技の上手さと共に、好感度を高めます。

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「スター・ウォーズ」シリーズなどの、娯楽エンタは別にして、久々にハリウッドSF映画の、ユニークな快作を、ボクは見た想いでした。

着地具合の賛否は別にして、万人に楽しめる、SF映画になっています。

2017年3月17日 (金)

「3月のライオン 前編」⇒週末日本映画劇場

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将棋士青春映画の、かつてない濃厚なヒューマン・ドラマ

家族・仲間など、人と人のキズナ描写が、素晴らしい作品

http://www.3lion-movie.com

3月18日の土曜日から、アスミック・エースと東宝の配給によりまして、全国ロードショー。

後編は4月22日公開。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017 映画「3月のライオン」製作委員会

将棋対決映画なんてゆうたら、

室内劇がダラダラ続いて、映画的アクションや躍動に欠けてしもて、オモロナイんとちゃうん?なんて思われがちですが、

本作は、全然違う。

とゆうか、本作でも映るけど、

Eテレでやってるような、盤面を映すだけの、将棋対決映像なんかのイメージが強いゆえに、そう思てまうんやろけど、

将棋士映画をちょっとでも見れば、イメージはガラリと変わるはずです。

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タイトル数は少ないんやけど、そんな将棋士日本映画の、マイ・ベスト・スリー(順不同)を言いますと…。

①王将(1948年製作・モノクロ)②本作③とらばいゆ(2001年)

●将棋対決シーンこそ、この種の映画の見せ場ではあるのですが、

やはり、将棋士人間ドラマとしての、深掘り具合こそ、同じくらい重大でありましょう。

①や、スリーをはずしましたが、「王手」(1991年)「聖の青春」(2016年)、

加えて、邦画唯一の女性棋士もの③も、人間ドラマ性を重視しています。

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本作は、上記に挙げた作品の、人間ドラマ性はもちろん、孤独な男棋士ものが多い中において、

血族の家族のいない主人公なのに、主人公と赤の他人の家族やら、いろんな仲間たちのキズナぶりが、

しんみりしっとりと、感動できる内容になっとります。

一方で、いがみ合う中での、キズナの模索もあり、

その対置・対比描写も、ドラマティックであります。

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でもしか、言うまでもなく、棋士対局シーンが、大きな見どころであり、

本作も、そこんとこは、ハズしてはりません。

単に対局を見せるだけやなく、棋士の心理描写、駆け引き具合の妙、

さらに、心理的イメージ情景シーンや、過去の追想なども取り込んで、

単一な室内劇調の枠を、超えるような作りを施しています。

特に、名人役・クールな加瀬亮との対局で見せる、佐々木蔵之介の心理風景シーンには、目を瞠りました。

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演技陣の中で、ベテラン陣は別にして、ボクの目を引いたのは、主人公・神木隆之介はもちろんやけど、

初の悪女チックな有村架純やったり、いつでも明るい倉科カナやったり、

メーキャップ・VFXを使って、デブちゃんになった、演技派・染谷将太やったり…。

清原果耶ちゃんの、正統アイドルチックも良かった。

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今どきのコミック原作ですが、コミック原作らしいスポ根もの風のノリに加え、

コミックらしからぬリアリティーに、細部を含めて魅せられました。

前編・後編合わせて、4時間以上の大作を、ぜひ劇場でお楽しみくだされ。

ジャパニメーション「ひるね姫~知らないワタシの物語~」

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夢と現実を、シンクロナイズさせたヒロイン映画

「君の名は。」「この世界の片隅に」らを意識した作品だ

http://www.hirunehime.jp

3月18日の土曜日から、ワーナー・ブラザース映画の配給によりまして、全国各地イッセーのロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017 ひるね姫製作委員会

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よく昼寝する女の子ヒロインが、夢を見る。

その夢は、睡眠が途切れても、眠るたんびにつながっていて、

ハートランドとゆう未来社会を舞台に、ヒロインが魔女姫となって、鬼ロボットと対決するとゆうストーリー展開。

でもって、夢と現実がシンクロナイズして、物語が進んでゆきます。

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少女始め、アンダー20歳なヒロイン映画とゆうのは、スタジオジブリ始め、

最近の大ヒットした映画にも、通じているものですが、

昨年ヒットした「君の名は。」(弊ブログ分析済み)や「この世界の片隅に」(分析済み)、

今年ヒット中の「劇場版 ソードアート・オンライン」(分析済み)とも、共通しております。

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但し、本作は、とりわけ「君の名は。」に対して、対抗意識を燃やして、

神山健治監督が撮り上げてきたはずだと、ボクは確信します。

いわゆる、トリッキーとゆうキー・ワードがあります。

フツーの流れでフツーのように、物語を紡ぐんやない、スタイルとでも申しましょうか。

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「君の名は。」は、現在と過去の、2つの年のシンクロでしたが、本作は夢と現実のシンクロ。

して、本作の聖地となる場所は岡山県。

構成を練り上げ、魅力的なナゾがあって、トリッキーがあるんです。

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それでいて、オリジナル・ポイントを打ち出そうと、熟慮のあとが見られます。

東京オリンピックが開かれる、2020年が舞台。

人が運転せずとも、自動で動く新しい自動車システムを、ヒロインの死んだ母が開発して、それを父が継承しているのですが、

そのシステムを巡っての、争奪戦があります。

父が警察に拘束されて東京へ。

さらに、ヒロインが未だ会っていない、自動車会社社長の母方の祖父が、この件に関わっているらしい。

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でもって、ヒロインは、幼なじみの男の大学生と共に、東京へと向かうのです。

後半にある、このロードムービー部には、大阪の道頓堀なんかも出てきて、個人的にはニヤリとしました。

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ヒロインの見る夢のSF世界が、現実の問題解決のヒントになるだけでなく、

本作のネタにも、つながっていく作りです。

2界をいかにつなげるか。

そこに、工夫を凝らしている点においても、「君の名は。」を意識しているのではないでしょうか。

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薄色配色的には、「この世界の片隅に」に通じるかな。

過去シーンでは、モノクロに近い色使いもしています。

ピアノ・チェロ・バイオリンなどのサントラを、適宜に配置し、

ラストロールでは、ヒロインの声優役の高畑充希が、「デイ・ドリーム・ビリーバー」を、日本語詞でカヴァーしてたり…。

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その高畑充希の、初声優ぶりにも注目。

夢と現実の声色の使い分けも、ちゃんとやってはりまっせ。

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さてはて、「君の名は。」と比べて見て、みなさんの評価はいかがなものでしょうか。

ボク的には決してヒケを、取ってるとは思えないのですが…。

いずれにしても、大ヒットしても、おかしくない作品です。

2017年3月16日 (木)

イタリア映画「おとなの事情」

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室内劇映画・群像劇映画の快作だ

7人組に、こだわったとこも面白い

http://otonano-jijyou.com/

3月18日の土曜日から、アンプラグドの配給によりまして、新宿シネマカリテほか、全国順次のロードショー。

本作は、2016年製作の、イタリア映画96分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

いきなりやけど、室内劇映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)をば、思いつくままに披露いたしますと…。

●ベスト⇒①十二人の怒れる男(1957年製作・アメリカ映画・モノクロ)②抵抗(1956年・フランス・モノクロ)③エイリアン(1979年・アメリカ)

●カルト⇒①本作②8人の女たち(2002年・フランス)③12人の優しい日本人(1991年・日本)

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●室内劇とゆうても、イロイロあります。

裁判所のベスト①カルト③、刑務所のベスト②、宇宙船内のベスト③。

そして、真の意味での、家屋の室内劇となった、本作とベスト②。

さらに、室内劇とは申せ、多彩なジャンル作があるんやなー、ちゅうとこに驚かされましたがな。

ミステリーのベスト①、サスペンスのベスト②、SFのベスト③、ミュージカルのカルト②、コメディのカルト③。

そして、本作は、ロバート・アルトマン監督的な、群像劇となりました。

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さらに、本作は、「七人の侍」(1954年・日本)から始まった、“7人”とゆうとこに、こだわった作品となりました。

幼なじみとゆう、夫婦3組と1人の独り者の、7人とゆう設定だす。

そんな7人が、スマートフォンとゆう、21世紀的ツールを、ある種の狂言回し的小道具にしもって、

人間関係のイロイロを、あぶり出してゆくナンチュー、トンデモ・ユニークな、室内劇となっておます。

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21世紀のイタリア男優・女優たちの、室内劇的な心理の綾を織りなすところの、

見事な演技力をば、魅せてもらえるような、快作となっておりま。

21世紀のイタリア映画の、真骨頂を見せてくれはるんだす。

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トランペットなどのサントラ使いも、巧妙さを極めています。

ぜひとも、みなはん、映画館へ見に行ってくだされ。

2017年3月15日 (水)

「わたしは、ダニエル・ブレイク」

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ケン・ローチ監督の、最高傑作となった最新作だ

2度目となる、カンヌ国際映画祭最高賞をゲット!

http://www.danielblake.jp

3月18日のサタデーから、ロングライドの配給によりまして、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、京都シネマやらで、全国順繰りのロードショー。

本作は、2016年製作の、イギリス・フランス・ベルギー合作の100分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒSixteen Tyne Limited. Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve British Broadcasting Corporation, France 2 Cinema and The British Film Institute 2016

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高齢者シニア映画の傑作。

さてはて、かつてもベスト&カルトやらを、披露しましたが、改めて、シニア系映画の、マイ・ベスト・ファイブ(順位通り)を、披露しますと…。

①ベニスに死す(1971年製作・イタリア映画)

②ハリーとトント(1974年・アメリカ)

③本作

④ストレイト・ストーリー(1999年・アメリカ)

⑤老人と海(1958年・アメリカ)

次点:八月の鯨(1987年・アメリカ)

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●ほかにも、「旅路の果て」(1949年・フランス)や「野いちご」(1957年・スウェーデン)なども傑作です。

シニア映画とはいえ、いろんなタイプがあります。

孤独映画①、ロードムービー②、兄弟のキズナ④、老人の執念を描く⑤、群像劇な次点作。

そして、本作は、社会保障制度の中で、老人がどう生き抜いてゆくのかを、リアルに描いた作品。

ベスト・ファイブに挙げた作品の中でも、映画的装飾控えめに、最も生活臭がリアルに出た作品です。

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59歳の主人公といえば、シニア寸前状況ではあるのですが、

シニア映画に選定したのは、働くシニアが当たり前となっている、21世紀的現在状況に加え、

国によって当然違う、社会保障の現状をバックにしながらも、

人間の尊厳を描いた、映画的素晴らしさに、強烈に胸打たれたからです。

そして、シニア映画には、傑作がケッコーあるもんだなあとゆうのんも、

改めて認識することと相なりました。

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妻に先立たれた、59歳の男が主人公。

心臓発作のため、医者から大工の仕事を、止められております。

そこで、日本ではハローワークと、呼ばれるとこに行って、

失業手当をもらえるように、申請するのですが、それが却下されます。

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さらに、パソコンを使う申請もあり、パソコン音痴な主人公は、イロイロやってもうまくいきません。

ほんで、陳情にハローワークへ行って、同じく冷たい仕打ちに遭ってる、母とコドモ2人と出会います。

そして、主人公はその家族に、生活面を始めとして、イロイロと助言サポートし、でもって、交流していくのであります。

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いやはや、貧困社会が蔓延している今、どこの国にでもあるお話ではあります。

でもしか、主人公の人間としての、当たり前の主張、そして尊厳が、ボクのココロを、ディープに打ってくれはりました。

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一般市民のココロの叫びを伝える、主人公の書き置きを、ヒロイン母によって、読まれるラスト・シーンは、

いつまでもココロに残る、シーンでありましょう。

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ケン・ローチ監督の最高傑作だと、ボクはジャッジいたします。

「人気ブログランキング(映画全般)」でも、今のところ、今年の洋画マイ・ナンバーワンにしています。

フツーにありがちな話を、フツーのように紡ぎ、

それでいて、深い余韻とココロにグサリがある、ヒューマン・ドラマ映画の、映画史に残るべくな傑作です。

きっと、「モダン・タイムス」などの、チャップリン映画に匹敵するような、名作になることでありましょう。

「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

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愛する人を亡くした男の、落ち込みと立ち直りを描いた作品

普遍的な男の、ヒューマン・ドラマ映画がココに

http://www.ame-hare-movie.jp

3月11日のサタデーから、ファントム・フィルムの配給によりまして、テアトル梅田やらで上映中。その後、京都シネマ、シネ・リーブル神戸やらで、順次ロードショー。

本作は、2015年製作の、アメリカ映画101分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2015 Twentieth Century Fox Film Corporation, Demolition Movie, LLC and TSG Entertainment Finance LLC. All Rights Reserved.

突然の交通事故で、運転していた妻が死に、助手席の主人公の夫(ジェイク・ギレンホール)は生き残った。

でも、妻の死に全く悲しめない。

一方、会社のボスにして、義父(クリス・クーパー)の忠言から、

冷蔵庫を手始めに、分解しバラバラにし、破壊してゆくのです。

異能人間の姿のように見えるけども、これが立ち直るきっかけとなる、行動になってゆきます。

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また、妻が死んだ病院の自販機が、コーヒーがちゃんと出てこなかったことに、

主人公は自販機の会社に、苦情の手紙を書きます。

そして、その会社の苦情処理担当の、シングル・マザー(ナオミ・ワッツ)と出会い、彼女との交流で、自己回復してゆきます。

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愛する人を亡くして、落ち込む人間が、いろんなことを経て立ち直るとゆうドラマ映画は、これまでに多数作られてきました。

また、そういう映画は、ヒューマン映画として、非常にドラマ映えするスタイルでもあります。

ただ、立ち直るためのきっかけが、いわゆるかつてない奇妙な、タッチやテイストなんであります。

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最後には、マイホームまでぶっつぶす、破壊とゆう行為が、立ち直りのポイントになっていたり、

苦情処理女が、苦情とは何の関係もない、主人公の相談相手役になったりと、特異な設定がユニークながらも、

人が立ち直る前向きドラマとしては、かつての感動作とおんなじテイストを有しています。

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今年の本邦公開作品では、「素晴らしきかな、人生」(2016年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)も、異能スタイルがありました。

芝居がかってはいましたし、現実的ファンタジーとも言える、ユニークな設定でしたが、

本作の、破壊=前向きとゆうスタイルも、インパクト度合いは高かったです。

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タイトルは、死んだ妻のメモ書きメッセージから、そのままきています。

その意味深なとこが、本作のキー・ワードかもしれません。

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妻の死に泣かないのに、そのトラウマにとらわれる、主人公役ジェイク・ギレンホールの役柄は、

メッチャ微妙で複雑なキャラなんやけど、

そこをスイスイとやっちゃう。

ハリウッドきっての“隠れ演技派”やと、ボクは見ています。

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そのお相手役のナオミ・ワッツ。この方も渋い。

自然体なのに、いつも何か印象に残る演技を、披露してくれます。

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サントラ使いについて。

劇中では、ハートのキャッチーなナンバーが流れますが、その使い方も面白いし、

ラストロールで流れるスロー・ナンバーや、ピアノやアコースティック・ギターの愁いある使い方など、

シーンと共に、胸にクルはずです。

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愛する人の死を乗り越えて、主人公が再生してゆくお話。

感動できる、正統系・ストレート系ではないかもしれませんが、

変形とはいえ、そのテイストはおんなじで、ボクの好きな作品になりました。

マイ年間ベストテン候補の1作です。

みなさんもぜひ、劇場へ見に行ってみてください。

2017年3月14日 (火)

「マン・ダウン 戦士の約束」

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戦争トラウマ映画の、新次元を示す問題作

ダークな絵作りが、なんともたまらん作りだ

http://www.mandown-movie.com

3月11日のサタデーから、シネ・リーブル梅田やらで、順次上映。

本作は、2015年製作のアメリカ映画91分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

Copyright ⓒ2016 Man Down, LLC. All Rights Reserved

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戦争トラウマ後遺症もの映画といえば、これまでに大量の作品群があります。

とゆうことで、そんな映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに披露してみますと…。

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●ベスト⇒①ディア・ハンター(1978年製作・以下の映画は指定以外は、全てアメリカ映画)

②アメリカン・スナイパー(2015年・弊ブログ分析済み)③我等の生涯の最良の年(1946年)

●カルト⇒①本作②ハートロッカー(2010年・ブログ分析済み)③ローリング・サンダー(1977年)

●第一次・第二次大戦ものでは、戦争そのものを描く映画が多いですが、

ベスト③はそんな中でも、帰還した戦場体験兵士の、トラウマを入れた映画として、嚆矢的なとこがありました。

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そして、ベトナム戦争後遺症ものの、ベスト①カルト③などで、この種のトラウマものが、様式化されたように思います。

そのベトナムものの流れは、現代の戦争においても応用されて、

ベスト②カルト②やら本作が、生まれているわけであります。

中でも、本作は、ストレートなトラウマものとして、描かれていない点において、目を見張るものがありました。

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戦地アフガンから、アメリカの故郷に帰還した兵士(シャイア・ラブーフ)が、

自らの家族・母子(母役はケイト・マーラ)の危機的な状況に、ヒロイズム的に行動してゆく映画となれば、

どうあっても、ベスト①のロバート・デ・ニーロや、「帰郷」(1978年)のジョン・ボイトのような、ドラマティックでカッコイイ役回りを、想起することでしょう。

ところがどっこい、でもしか…がありまんねん

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ネタバレになるので、その仕組みについては、オフにしときますが、

ボク的には、カルト③や、ベトナム帰りの「タクシードライバー」(1976年・ブログ分析済み)を描いた作品などと、

そのトラウマの質は、おんなじやと思いました。

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わがコドモを主人公が、敵から救うシーンから始まり、

その直後には、軍の上役(ゲイリー・オールドマン)から、何やら聴取されるシーンへとスライドし、

聴取シーンと、戦争派遣への経緯と、戦場でのシーンが、カットバック的に描かれてゆきます。

また、ヒゲの伸びまくった主人公と、ヒゲのない主人公を、混同させるようなカンジで登場させて、

観客に混乱と戸惑いを、意図的に植え付けてまいります。

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いやはや、ヤラレました。

どこからがホンマで、どこからがフィクションなのか、その境界を曖昧にしたこの作りは、

戦争トラウマ映画としては、ボクはかつてないものだと思います。

特に、主人公のトラウマを作ることになった、銃殺シークエンスは、ディープ・インパクトなものになっています。

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さらに、全体的にダークな絵作り、シーン作りが、作品性を重厚かつ、ミステリアスなものにしています。

最後の最後に明かされる、ネタ・サプライズ。

伏線もバチバチにあるので、とっくの昔に分かってるで!とゆう人も、いるかもしれませんが、

決してそのネタが、本作のテーマではありません。

ボク的には、カルト③を、構成を複雑にして、より主人公の心理に、食い込んだ作品だと思いました。

ボクの大好きな、カルト③を超えた傑作です。

2017年3月13日 (月)

「海は燃えている イタリア最南端の小さな島」

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ベルリン国際映画祭金熊賞(最高賞)ゲットのドキュメンタリー

人間ドキュメンタリーの、新たなスタイルを提示する

http://www.bitters.co.jp/umi

3月25日のサタデーから、ビターズ・エンドの配給によりまして、シネ・リーブル神戸やらで、順次ロードショー。

シネ・リーブル梅田は公開中。

本作は2016年製作の、イタリア・フランス合作の114分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ21Unoproductions_Stemalentertainment_LesFilmsdlei_ArteFranceCinema

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本作は、世界三大映画祭(カンヌ・ヴェネチア・ベルリン)の最高賞始め、ほかの部門賞と、

アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞の、いずれかをゲットした、

ドキュメンタリー作品の1作です。

そんなドキュ映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年製作・カナダ作品)②沈黙の世界(1956年・フランス)③東京オリンピック(1965年・日本)

●カルト⇒①本作②ゆきゆきて、神軍(1987年・日本)③華氏911(2004年・アメリカ)

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各作品の受賞項目と、ジャンルを申し述べますと…。

共に、マイケル・ムーア監督作の社会派ドキュ、アカデミー賞ゲットのベスト①と、カンヌ最高賞ゲットのカルト③。

カンヌ最高賞受賞の、ネイチャー・ドキュのベスト②。

カンヌで国際批評家賞の、五輪ドキュのベスト③。

そして、ベルリンでカリガリ映画賞獲得の、人間ドキュのカルト②。

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でもって、本作は、ベルリン最高賞をゲット。

但し、ビミョーにジャンルを特定できない、新たなドキュのタイプであります。

社会派ドキュでもあり、人間ドキュでもあり、また、ユニークな土地ドキュ(本作では島ドキュ)でもあります。

そういうミキシング・タイプは、得てして評価が、低く見られがちなのですが、

本作はそこをクリアーし、独特な映画世界を構築しています。

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本作の監督ジャンフランコ・ロージですが、

本作の前には、人と街・土地の、ユニークな関係性含む群像ドキュ「ローマ環状線、めぐりゆく人生たち」(2013年・イタリア・弊ブログ分析済み)で、

ヴェネチア最高賞をゲットしています。

本作と鑑みると、イタリアの土地、そこに住む人間たちへ、フォーカスして、

社会性なんかも盛り込む、なんてゆうようなスタイルでしょうか5

アフリカからの難民問題とゆうのは、ヨーロッパでは恒常的な社会問題になっているのですが、

 イタリアの小島にも、船に乗って大量の難民・移民が、命がけでやってくるのです。

 フツーなら、その難民たちの実情を、ストレートに描けば、社会派ドキュとして、重厚な仕上がりになるはずなのですが、

 本作はそこんとこも描きつつ、難民たちとリンクしない、島の少年と、その家族の話を、カットバック的に取り上げるのです。2

何とゆうか、これまでにない作りを、わざとのようにやっているように見えますが、

小さなフツーの平和な日常の、その裏側や対極には、トンデモナイ事件が起こっているとゆう、対比的描写をやっているわけです。

それが、どこまで一般の観客の方々の、ココロにくるものなのかは別にして、

ボクは、ドキュの新たなカタチ、映画芸術としてのドキュ映画の在り方を、追求するとゆう点において、

ケッコーその狙いを、おお、そうくるか、なんて思いながら味わえました。

島の医者とラジオDJが、難民と少年の2界を媒介します。

流れるサントラなども、渋い選曲。

見終わって、ウーンとうなれる作品でした。

2017年3月10日 (金)

広瀬すず主演「チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」

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「フラガール」「スウィングガールズ」と並ぶ快作映画だ

広瀬すずのアイドル映画としても、最高潮の爽快作品だ

http://www.cheerdance-movie.jp

3月11日のサタデーから、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017「チア☆ダン」製作委員会

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恋愛ものじゃない。地方ロケもの。学園部活あるいは、みんなで何かを目指そう映画。

そんな括りでの、日本映画の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、思いつくままに、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①フラガール(2006年製作)②がんばっていきまっしょい(1998年)③本作

●カルト⇒①ちはやふる(2016年・弊ブログ分析済み)②書道ガールズ(2010年・ブログ分析済み)③くちびるに歌を(2015年・ブログ分析済み)

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●こういうのんは、これまでにも、弊ブログで何回となくやってきましたが、

今回は、先生、コーチと生徒たちとの関係性の、素晴らしさが、いかほどであるかにこだわって、選んでみました。

カルト①②にも、先生コーチはいましたが、むしろ生徒の自主性に、任せるようなとこがありました。

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一方において、最初はコーチとして、やる気のなさを強調する、

中嶋朋子のベスト②や、新垣結衣のカルト③など、

ガンバル生徒たちに、ほだされて遂には、真剣になるタイプの映画。

対して、最初からメッチャ真剣モードな、松雪泰子のベスト①や、

天海祐希の本作などもありまして、みなさん、どちらのコーチぶりが、お好みでおましょうか。

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やる気のなさを示し、ゆっくりやる気になるのも、ドラマ的には面白いとは思いますが、

最初からストレートに、ナンバーワンを目指そうとやってまう、映画の方が、分かりやすいし、

観客の好感度も高いし、爽快度も高いでしょう。

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そして、本作は、アイドル映画として、ボク的には、久々に胸にきた作品でした。

1980年代の薬師丸ひろ子や、宮沢りえ映画のテイストが、濃密にカンジられて強烈。

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それを魅せてくれるのは、モチ、まずは広瀬すずチャンであります。

コーチ役天海祐希との確執部を含め、他の部員との関係性においても、

試練とキズナを、緻密に見せるところが、かつての淡泊なアイドル映画とは、一線を画しております。

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カルト①で見せた、アイドル性もスゴかったけど、今作はさらに、レベルアップ。

いやはや、ファンにはたまらない、仕上げになっとります。

キャプテン役の中条あやみチャンほかもまた、

広瀬すずと退けを取らない、キリリなアイドル性を演じているので、要チェキだす。

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ホントにあった話が、ベースになった映画です。

その意味では、「フラガール」なんかに、近い作品だと言えましょうか。

福井県の高校の実話なんやけど、天海祐希コーチが喋る「福井地獄」などの、トンデル爆弾発言などがあり、

それに抵抗する広瀬すずの、ユニークな県民的こだわりなど、

随所に、ほのぼのな笑いを醸す点も、コミカルで面白いと思います。

2

大原櫻子ちゃんの「青い季節」に、乗っての特訓ダイジェスト・シーン、

ラストロールで流れる、しんみりバラード「ひらり」などに加え、

ダンス・シーンで流れる、洋楽のダンサブルでキャッチーなナンバーの数々など、

歌ものサントラにも、注目して見てください。

3

本作のようなタイプの洋画では、ボクは「チアーズ!」(2000年・アメリカ)なんかを、思い出したのですが、

でもしか、正直に言いますと、

本作は、「チアーズ!」以上に、痛快で面白い快作でした。

2017年3月 9日 (木)

「第12回大阪アジアン映画祭」続報

ボクが映画祭で見た映画を、軽めに分析します

各映画の公開前には、さらにディープに分析しまっせ

★グランプリ始め、各賞の受賞結果は、下記映画祭ホームページまで

http://www.oaff.jp

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

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☆カム・トゥゲザー(2016年製作・韓国映画・122分)

●韓国の家族映画は、日本の家族映画のテイストと、さほど変わらない仕上がり具合でした。

松竹系映画にも通じるけど、

家族崩壊か復旧かを、ドラマ・ポイントにしたところとか、ブラック・ユーモアなところなどは、

「家族ゲーム」(1983年・日本)やら、「逆噴射家族」(1984年・日本)やら、

「歓待」(2011年・日本・弊ブログ分析済み)やらに、通じる快作でした。

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☆姉妹関係(2016年・マカオ&香港合作・97分)

●女たちの友情もの、疑似家族もの、共同生活もの映画です。

今のところ、ボクの今年の、邦画ナンバーワン「彼らが本気で、編むときは、」(2017年・弊ブログ分析済み)も、疑似家族ものでしたが、

それと比べると、女たちがコドモを育てるとゆう、その種のストレート・タイプながら、

女の友情の感動的なところもあって、出来はともかく、

本作はボクの、大好きな作品となりました。

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☆暗くなるまでには(2016年・タイ&オランダ&フランス&カタール・105分)

●ボク的には、ワケの分からない映画でした。

映画製作メイキング部と、人気俳優や女優やウエイトレスまで、

いろんな人たちの群像劇的ドラマを、ミキシングした映画ではあるのですが、

そのつながり具合が曖昧だと思います。

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☆海の底からモナムール(2017年・日本&フランス・84分)

フランス人監督ロナン・ジレによる、日本映画。

ホラー映画的タッチと、その真逆の純愛映画タッチが、巧妙にブレンディーされた作品です。

桐山漣・三津谷葉子カップルと、前野朋哉・杉野希妃カップルに、

絡む幽霊役・清水くるみチャンの、ホラーチックなアンサンブル演技が、ボク的には怖さをカンジました。

過去とカットバックさせる構成とか、

ハウス系を取り入れたサントラ使いとかにも、妙味を覚えた作品です。

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☆HER MOTHER(2016年・日本・95分)

●日本映画のインディーズ映画・フォーラム部門の1作として上映された1作。

いやはや、驚きました。

裁判・加害者・被害者のスタイルで構築される、いわゆるリーガルものとなれば、これまでは、ある程度の定番とゆうものがありましたが、

本作は、大胆に破壊を試みた、トンデモない傑作です。

未だかつて描かれなかった、加害者と被害者家族との、濃密なやり取り。

クライマックスの面会シーンは、手に汗握る、映画的緊張感に、あふれていました。

ぜひとも、劇場公開してほしい作品です。

「スレイブメン」⇒木曜邦画劇場

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特撮ものと、自主映画メイキングものをブレンド

ヒロイズムの、ユニークなカタチを提示する

http://www.slaveman-movie.com

3月10日の金曜日から、SPOTTED PRODUCTIONSの配給によりまして、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2017「スレイブメン」製作委員会

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井口昇監督の新作です。

ここで、井口監督の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①片腕マシンガール(2007年製作)②富江 アンリミテッド(2011年)③本作

●カルト⇒①ロボゲイシャ(2009年)②卍(2006年)③猫目小僧(2006年)

●「仮面ライダー」チックな特撮ものと、自主映画メイキングものを、絶妙に合体させた本作。

ベスト①カルト①のような、ヒロインであれ主人公であれ、

井口監督流儀の、ヒロイズム映画を、体現する本作。

ホラーイズムなベスト②カルト③の妙味や、エロイズムを披露するカルト②など、

作品性の幅やレンジはケッコー広い、監督さんです。

2
仮面をかぶれば、人を消去できる「スレイブメン」の活躍ぶりが、

自主映画メイキングを、サブ・テーマとして、メッチャなカンジで描かれます。

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自主映画を撮ってる主人公(中村優一)が、

メイド姿の女の子(奥田佳弥子)を主演に、映画を撮ろうとするのを横軸に、

正義の味方「スレイブメン」が、悪人たちと対決するところを、メインとなる縦軸として、

ストーリーは展開してまいります。

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ネタバレしないように言いますと、

全ては妄想の中の物語なのですが、

でもしか、妄想の中のヒーロー主人公が、妄想を超えて、

正義の味方ぶりを、現実的に発揮するのであります。

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いやはや、そのあたりのサプライズは、本作の大いなる見どころとなっています。

ヒロインの隠された心理と、善悪の対決シーンが、微妙に撮られ続け、

そして、最後には、トンデモ・サプライズへと到ります。

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中村優一、奥田佳弥子の2人からして、アイドル映画的な側面も当然ありまして、

最後の最後まで、ハラハラドッキリで、見せてくれはりました。

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陽光を生かした、セピアな配色のシブミ、

予算的にチャッチーなCGやけど、でもしか、そのチャッチーさが、メッチャたまらん作りになっとりますし、

ドラムレスのギャルズ・バンド「BRATS」の、主題歌「脳内消去ゲーム」の、

ハードポップさなど、本作の作品性に合っておりました。

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ほんでもって、「仮面ライダー」などの特撮ものへの、アンチ・テーゼな作りもあって、

一筋縄ではゆかない映画になっておます。

とゆうことで、みなさん、井口監督の独特な世界観を、ぜひともお楽しみください。

「残酷ドラゴン 血斗竜門の宿」⇒デジタル修復版

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アジアの巨匠キン・フー監督の、時代劇アクション

ワイヤー・アクションの創始的映画だ

http://www.shochiku.co.jp/kinghu

3月18日から、シネ・ヌーヴォやらで、全国順次のロードショー。

本作は、1967年製作の台湾映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ1967 Union Film Co., Ltd/ⓒ2014 Taiwan Film institute All rights reserved(for Dragon Inn)

ショウブラザースと言えば、香港映画界のルーツ的映画製作会社ですが、

そこが、1967年に作った時代劇アクションが、本作です。

ワイヤー・アクションの創始的映画であり、

また映画的設定においては、さまざまな創始が見える作品です。

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荒野の一軒宿屋とゆう設定は、ハリウッド映画の西部劇や、

黒澤明の「どん底」(1957年製作・日本)などで、取り上げられていますが、

本作はさらにそんな設定を、先鋭化した作品です。

チャウ・シンチー監督の「カンフーハッスル」(2004年・中国&アメリカ)などへ、大きな影響を与えました。

また、ヒロイン・アクションは、ハリウッドやらではいっぱいありますが、

アジアにおいては、こちらも創始的ではないでしょうか。

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アクション演出が斬新でした。

ワイヤー・アクションはモチ、

スロー・モーション控えめに、アップで瞬間的に見せたり、

イロイロ続く、剣戟アクションの、重厚な作りなど、メッチャハマリましたがな。

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一軒宿屋での、多彩に展開する群像劇、

そしてアクション活劇も、ハラハラドキドキで魅せてくれます。

ラストシーンの、一発キメのストップ・モーションは、映画の余韻を深めます。

サントラ使いも、オリジナリティーを示します。

オーケストラ・サントラもあるものの、

拍子木を大仰に鳴らす、京劇的サントラ使いが、メッチャ印象的な作品でもありました。

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でもって、正義の味方4人が、ラストの方で、敵の大将に向かうシークエンスは、

サム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」(1969年・アメリカ)を思い出しましたが

「ワイルドバンチ」より前に作られた本作。

とゆうことで、いろんなルーツ的作りが、楽しめた快作。

また、映画フィルム的質感が、懐かしくカンジました。

みなさんに、映画館へぜひ、見に行ってほしい作品です。

2017年3月 8日 (水)

「第12回大阪アジアン映画祭」開催中

「第12回大阪アジアン映画祭」(3月3日~3月12日開催)

日本映画「大和(カリフォルニア)」がディープ・インパクト

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http://www.oaff.jp

映画祭初のグランプリが選定される、コンペティション部門には、16作品がエントリーされています。

ボクは、3月7日現在、2本しか見ていないのですが、

また、いろいろありまして、期間中、数本しか見れない状況なのですが、

ボク的には、日本から唯一出品されている「大和(カリフォルニア)」

(やまと・かりふぉるにあ/大和がカリフォルニアと、読ませるように見える、このタイトルはいかがなものか。

「大和・カリファルニア」の方がいいのでは…)が、

グランプリを獲るのではないかと、さっそく見ております

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宮崎大祐(みやざき・だいすけ)監督の、監督の男視点から撮られた、ヒロイン映画なのですが、

これが日本映画のヒロイン映画の、新たな地平を示していました。

監督自身は、こういう時には、女の人はどうするのかを、

女優さんたちにいちいち聞いて、その返答に合わせて脚本を変えていき、

さらに、撮影中に女優を付け回す、ナンチューことを、

ストーカーまがいにやっちゃって、それが功を奏したなんてゆうてはりますが、

最終的には、女っぽい性格だからを、監督は理由にしてはりました。

これはモチ、ジョークですよね。

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何はともあれ、ポイントはあくまで役者さんでありましょう。

監督が1年前からオファーし続け、遂に出演を受けたとゆう、

韓英恵(かん・はなえ)の、キャリア最高の演技こそ、本作の主軸となるところです。

いやはや、スゴイとしか、言い様がありません。

米軍基地のある大和市が舞台。

米軍基地内が、カリフォルニアとゆう設定で、

その基地がある大和市に住む、母(片岡礼子)・兄妹の娘(韓英恵)息子の家族の元に、

母の新恋人の米軍人の、死んだ前妻との娘が、サンフランシスコからやって来るとゆう、

よくありそうでなさそうな展開で、ストーリーは展開します。

ことに、その娘が来日滞在することを、誰よりも嫌がっていた、韓英恵との交遊ぶりが、

本作の大きな見どころとなっています。

さてはて、米軍基地のある都市の、実情を描いた映画としては、

ボクはまず、武智鉄二監督の裁判沙汰にもなった、問題作「黒い雪」(1965年製作)を思い出したのですが、

「黒い雪」が娼婦ヒロインであったのに対し、本作ではヒップホップを歌うことを、陰に陽に目指すヒロイン像。

しかし、どちらも、アメリカナイズへの阿(おもね)りや拘りを意識したところが、ボク的には微妙にシンクロナイズし、共鳴するところでした。

音楽の3要素(メロディ・リズム・ハーモニー)のうち、リズムしかほぼない、ヒップホップ。

それをメイン・フィーチャーした音楽映画は、これまでにもケッコーありましたが、

本作は、アメリカのコピーではなく、もっと奥底に食い込んだ、ヒップホップものになっています。

それをグググイッと体現するのが、韓英恵です。

そして、家族映画としてのところにも、食い入っている点こそが、本作を傑作にしているところでありましょうか。

とゆうことで、キズナ映画、そして、ヒロイン映画の新次元を示す傑作。

公開前にも、さらにディープに分析する予定です。

2017年3月 7日 (火)

メッチャヤラシー韓国映画「お嬢さん」⇒パク・チャヌク監督作品

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メッチャエロイで~、今度のチャヌク監督作品は…

キム・テリ&キム・イニのWキムの、ヤラシさにすっかりやられてもうたが

http://www.OJOSAN.JP

3月3日のフライデーから、ファントム・フィルムの配給によりまして、大阪ステーションシティシネマ、シネマート心斎橋やらで、全国順次のロードショー中。

本作は2016年製作の、韓国映画145分。「R-18+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED

韓国の今や巨匠監督、パク・チャヌク監督の新作です。

とゆうことで、ここで、パク・チャヌク監督の、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

●ベスト⇒①JSA(2000年製作・下記の引用は、指定以外は全て韓国映画)②オールド・ボーイ(2003年)③復讐者に憐れみを(2002年)

●カルト⇒①本作②イノセント・ガーデン(2013年・アメリカ・弊ブログ分析済み)③渇き(2009年)

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南北朝鮮拮抗ものの、歴史的な1作であるベスト①が、確かにチャヌク監督の、最高傑作だと思いますが、

復讐ものベスト②③の、アンビリーバブルな、ディープ・インパクトのように、

衝撃的結末が待ってる作品こそ、監督の真骨頂ではないでしょうか。

カルトでは、さらにその衝撃が、先鋭化した作品を選びました。

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吸血鬼映画の、かつてない衝撃なカルト③。

ハリウッド進出映画でも、ヒッチコック監督的ハットトリックを、示したカルト②。

そして、本作は、監督作品では常にある、ミステリー・サスペンスなタッチを、

日本統治時代の朝鮮を、舞台にした韓国映画が、最近ケッコー出てきている中において、

メッチャな強烈と、監督作品では初めてとも取れる、メッチャなヤラシー感で描き抜いた、

トンデモメッチャな作品となりました。

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何はともあれ、キム・イニのネーさんの、駆け引きあるヤラシー感をベースに、

巻き込まれるキム・テリちゃんの、おぼこいエロイズム。

対して、エロエロエッサエムを、増幅させるべくの、男優たちの演技ぶり。

ことに、いつもながらのハ・ジョンウの、クールイズムには、2人の女優のエロさを、倍増化してはりましたがな。

アラマ、ポテチン。

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本作のように、男たちが女たちに、ヤラレてまう映画ゆうたら、ケッコーありますが、

そんな映画の、マイ・ベスト・スリー(各順不同)も、思いつくままに、ついでにやっときましょか。

①本作②テルマ&ルイーズ(1991年・アメリカ)③バウンド(1996年・アメリカ)

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●イロイロあるんやけど、アクション・サスペンス・トリッキーにやった②③に対し、

トリッキーやけど、個人的には本作は、

女2人の、「アデル、ブルーは熱い色」(2014年・フランス)以上の、ディープなレズ・シーンに、

すっかりヤラレてもうた作品でおました。

その意味では、エロさを求める男の観客には、メッチャたまらん作品かもしれませんな。

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ミステリー映画としても、トリッキーです。

本作は、アガサ・クリスティ以来、綿々と出てきてる、

イギリス女流ミステリー作家の、サラ・ウォーターズの「荊(いばら)の城」が原作になっていますが、

韓国流に換骨奪胎(かんこつだったい・原作をベースに、自らのオリジナルのように作っていくこと)し、

原作のトリッキーとおんなじくらいの、衝撃を与えてくれました。

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騙しの構図で、意図的に展開する、視点を変えた3部構成に加え、

地下室のある、和洋折衷の建物の造形の、面白さなんかも、本作のサプライズに貢献しています。

意外性を旨としてるかのような、パク・チャヌク監督の、真相は分かるか、どうだ?と、観客に挑むようなとこもまた、よろしおま。

ちゅうことで、ミステリアスな、傑作・快作でした。

「ロスト・エモーション」「スイッチ・オフ」

SFラブ・ストーリーの、クールな「ロスト・エモーション」

停電中の山の、サバイバル姉妹映画「スイッチ・オフ」

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http://aoyama-theater.jp/feature/mitaiken2017

共に3月5日のサンデーから、ツインの配給で、シネ・リーブル梅田で上映中。

「ロスト・エモーション」(写真上から3~7枚目)は、2015年製作のアメリカ映画102分。

「スイッチ・オフ」(写真上から8~11枚目)は、2015年製作のカナダ映画101分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 Five Sprocket Productions, LLCⓒCOPYRIGHT

ⓒ 2015 INTO THE FOREST PRODUCTIONS BC INC, / RHOMBUS FOREST INC, ALL RIGHTS RESERVED.

数年前より毎年恒例の、特集上映「未体験ゾーンの映画たち 2017」として、公開されている2本です。

DVD化直行の未公開映画と言えば、なぜ未公開なのかが問題にされがちですが、この呼称だとそれがない。

だけでなく、見れば分かるのですが、全国拡大系の映画として見ても、

なんら遜色のない仕上がり具合を、見せている映画たちなのです。

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「ロスト・エモーション」は、「1984」(1984年製作・イギリス映画)のように、

管理統制化されたクールな社会の、人間らしさを失くした人々の中で、ラブ・ストーリーが紡がれる映画です。

「アイランド」(2005年・アメリカ)や、「ガタカ」(1997年・アメリカ)のような、

無機的なクールな世界観が、たまらん仕上がりになっとります。

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シンセを掛けての薄グリーンの、男女2人の影的抱擁シーンから、やがて激しいセックス・シーンへと展開し、

熱き未来ラブ「フィフス・エレメント」(1997年・アメリカ&フランス)のような、愛の物語へと進むのですが…。

昼と夜の密会のダイジェスト・シーンも、2人のラブの深まり具合を示すのですが…。

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白い上下の、囚人のように画一化された服や、薄ブルーの冷え冷えとした建物造形など、

安藤忠雄が示す建築ほかが、映画のクールなトーンを、最後まで維持します。

ほとんどが日本ロケらしいのですが、

なぜかそれを全く感じさせない作りも、スゴイと思います。

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ハリウッド女優の、ギャラ・ナンバーワンにもなったことがある、

クリステン・スチュワートが、静かな中にも、鬼気ある演技ぶり。

そして、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年・アメリカ・弊ブログ分析済み)の、エキセントリックを排した、

ニコラス・ホルトが、恋のお相手役です。

「アイランド」の、ユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンを、思い出させるような、2人の好演ぶりでした。

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「スイッチ・オフ」は、電気のない山の生活で、サバイバルする姉妹の物語。

しかも、最初は父と3人暮らしでしたが、父は不慮の事故で死んでまいます。

この種の家族ものサバイバルと言えば、今年は「サバイバル・ファミリー」(日本・ブログ分析済み)なんぞが、公開されました。

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でもしか、コミカルな「サバイバル・ファミリー」とは違い、

波乱かつ危機的状況はおんなじなんですが、本作はどこまでも、シリアス・モードを貫いてまいります。

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「ロスト・エモーション」もそうですが、本作も“妊娠”とゆうキーワードが、ネタの1つのポイントになっています。

だから、2本共に見て、そのあたりの相似も、見てもらいたいと思います。

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プロデュースも兼ねた、妹役のエレン・ペイジが、男っぽい演技を披露。

姉役の弱々しい、エヴァン・レイチェル・ウッドとの、対比演技効果もきいています。

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SFラブ・ストーリーと姉妹もの。

共に愛とキズナも描かれる、快作になっていますので、ぜひこの機会に、映画館でお楽しみください。

2017年3月 3日 (金)

「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」

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お馴染みのタイムスリップ系も、紀元前・10万年前へ

アトランティス大陸の謎にも挑んだ、シリーズ第37弾だ

http://www.doraeiga.com

3月4日の土曜日から、東宝の配給により、全国ロードショー。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ動画・ADK・ShoPro

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シリーズが開始して、最初の10回ほどは、コドモ・オンリー向けっぽかったけど、

今や常に毎回、新しいとこを、いくつか付加して展開する、ドラえもんシリーズであります。

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さてはて、今回の新味は、シリーズでは何度か、ドラえもんたちは過去に戻って活躍してるけど、

今作は、10万年前の時代に、タイムスリップするとゆう、とんでもない破天荒なスリップです。4

さらに、南極大陸へと行き、古代のアトランティス大陸の謎に迫るとゆう、

かなりと学術的なところへと、フォーカスしていまして、

家族一同・コドモ向きを維持しつつも、渋い面を見せる仕上げにもなっています。

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10万年前に、女の子が重大なリング(写真上から2枚目で、ドラえもんが手にしてるもの)を、

落としてしまったシーンから、本作は始まります。

それを、10万年後に、氷河探索にみんなで行って、のび太が見つけます。

一体、このリングは何ぞやと探っていくと、10万年前のもので、南極大陸にあったことが分かります。

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ドラえもんのミラクル・グッズで、みんなが南極へ行き、南極の地下へもぐり、トンデモナイものを発見し、

そして、10万年前の南極へと、タイムスリップして、真相を探りに行くのでありました。

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ドラえもんアイテムが、いつものように、頻繁に出てきて、都合のいいカンジで、話は進むとはいえ、

その1つが10万年を超える、ハットトリックになるところなど、思わずうなるトリッキーも披露されます。

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10万年前の地球の造形はどないでしょうか。

別の惑星から来た博士とその娘、マンモス、恐るべきモンスターなど、

誰にでも分かりやすい、あくまで、シンプルなカタチで、設定された世界ではありますが、

いつものように、ハラドキ楽しく面白く見られます。

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ストーリー的流れとしては、写真を、上から2枚目から下へ向けて、ほぼ順番に並べてみました。

写真だけで、ストーリーを想像してみるのも、ケッコー面白いのではないかと思います。

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平井堅のキャッチーなミディアム・バラード「僕の心をつくってよ」なんか、

ドラえもん的セカチュウなノリがあって、

ミスマッチながらも、泣きがカンジられて、ケッコー良かったです。

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ラストシーンの、ドラえもんとのび太が、天体鏡で満天の星を見るシーンは、極上の爽快なシーンでした。

コドモたちにも、ぜひ見てもらいたいシーンです。

いずれにしても、ボクが言うまでもなく、

家族みんなで、一緒に楽しく見に行ける、娯楽作品でありました。

「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」

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「ブリジット・ジョーンズの日記」の、アメリカ版とも言える作り

ヒロイン主導の、ニューヨーク・ラブコメだ

http://www.interfilm.co.jp/amyamyamy/

3月4日のサタデーから、インターフィルムの配給で、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館やらで、全国順次のロードショー。

関西では、4月15日にシネ・リーブル梅田やらで上映。

本作は2015年製作のアメリカ映画125分。「R-15+」指定映画。

文=映画分析研究所 所長 宮城正樹

ⓒ2015 UNIVERSAL STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.

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ラブ・ストーリーを主軸に据えた、ヒロイン映画のNYラブコメとなれば、

これまでに多数の、タイトル数がありますが、

本作もまた、その種の映画の系譜に、ピッタリ当てはまり、

しかもチョロッと、下ネタも入ってるとゆう、大人のラブコメなんです。

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ボク的には、「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズ(2001年・2004年・2016年製作・イギリス映画)を思い出して、そのアメリカ版とも取れましたが、

但し、本作は「フリジット・ジョーンズ」にはなかった、

ヒロインと多岐な人間関係性の中で、ヒロインのココロ惑う心理に、ユニークに入り込んで、面白さを倍加しています。

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「ブリジット・ジョーンズ」と同じく、ぽっちゃりのヒロイン像が、活躍いたします。

そのヒロイン役は、エイミー・シューマー(写真上から2枚目)が扮しました。

日本ではほとんど有名ではありませんが、女優だけやなく、プロデューサーや脚本家もやってるとゆう、才人でありまして、

役柄からも、好感度の高い、とても親しみ深いキャラを、飄々と自由気ままに、演じて爽快です。

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そんな独身ヒロインの、人妻の妹役には、

アカデミー主演女優賞をゲットした「ルーム」(2015年・アメリカ・弊ブログ分析済み)の、

冷静沈着クールなママ役が凄かった、ブリー・ラーソン(写真上から3枚目)が、

ヒロインとの対比でか、真面目な演技。

まあ、ヒロインのボケに対する、ツッコミ系の役と言えるかもしれません。

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さらに、アカデミー助演女優賞ゲットの、ティルダ・スウィントン(上から4枚目)が、

ヒロインにゴシップ記事を強要する、編集長役を、イケスカナサをベースに演じています。

何はともあれ、ヒロインの役柄を、際立たせるための、脇役陣の、ヒロインを凌駕するような演技ぶりは、圧倒的でした。

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取材相手(ビル・ヘイダー)との、ヒロインの恋の行方は、

ヒロインの男への接し方のこだわりが、どう解消されてゆくのかも含めて、

本作の大いなる見どころであります。

「ブリジット・ジョーンズ」並みの、恋の成就も期待できますので、お楽しみに。

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いろんなセリフで、実在の、いろんな映画や役者やミュージシャンが、めまいがするくらい、多数入っています。

とゆうか、セリフ内に、これほどの映画を入れた映画とゆうのは、はっきり言って珍しい。

「ハリーポッター」のダニエル・ラドクリフ主演の、モノクロ映画「犬の散歩屋さん」を、

チビチビ映す、ナンチューこともやってはります。

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さらに、歌ものを中心とした、サントラ使いにも魅了されました。

ビリー・ジョエルの、キャッチーなダンス・ナンバー「アップタウンガール」などは、本作のキモとなるシーンで使われていますし、

ラストロールで、ちょいミチマッチ的に流れてくる、ブルース・スプリングスティーン・ナンバーなど、意外性にもココロそそられます。

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NYラブコメ・ファンや、ヒロイン・ラブコメのファンにはモチ、

何はともあれ、デートムービーや女子会ムービーとして、打ってつけの作品。

「ブリジット・ジョーンズ」に魅せられた方こそ、映画館へレッツラ・ゴーですよ。

2017年3月 2日 (木)

韓国映画「The NET 網に囚われた男」

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脱北ものの定番を覆す、キム・ギドク監督節

朝鮮南北もの映画の、新種の登場だ

http://www.thenet-ami.com

2月25日の土曜日から、テアトル梅田、京都シネマやらで上映中。

3月11日から、神戸アートビレッジセンターでも上映。

本作は、2016年製作の韓国映画112分。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 KIM Ki-duk Film. All Rights Reserved.

今年の韓国映画で、今のところ、マイ・ナンバーワンとなってる作品です。

何はともあれ、これまで多彩に出てきた韓国映画の中でも、

これまでとは違う、異彩・異能ぶりな内容に、驚かされる作品です。

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監督は、韓国の鬼才の巨匠ぶりを示す、キム・ギドク監督。

とゆうことで、ここで、キム・ギドク監督の、

マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①本作②春夏秋冬そして春(2003年製作)③嘆きのピエタ(2012年)

●カルト⇒①サマリア(2004年)②殺されたミンジュ(2014年)③悪い男(2002年)

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●キム・ギドク監督の作品性は、従来の韓国映画の領域からは、考えられないくらいの、逸脱した作りを示し、

ボクらを、いつもグラグラさせて衝撃的。

少年の成長ものベスト②、親子のキズナを描くベスト③、

リベンジものカルト①、ミステリーのカルト②、変形純愛映画カルト③などと、

常にフツーじゃない、韓国映画を、意図的に志向しているようです。

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そして、本作では、朝鮮半島南北拮抗もの映画の、新たな視点を付加し、

「シュリ」(1999年)や「JSA」(2000年)などの名作とは、全く違う、予想もできないスタイルを示します。

脱北もの映画ではあるのですが、従来より作られてきた、その種の映画とは違い、

まさに、覆すような作りになっています。

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映画の脱北ものは、自らの意図が定番でしたが、

本作は、間違って韓国側に入ってしまったことで、スパイ容疑にさらされ、また、脱北者扱いされてしまう、

漁師の主人公(リュ・スンボム)の、数奇な運命を描いています。

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北朝鮮の家族の元へ帰りたい。

けども、それが韓国側には理解されない。

そうこうするうちに、実際のスパイが捕まり、死んだ彼から頼まれて、韓国の彼の娘のとこへ行く主人公。

あれやこれやで、とことん韓国側の狙いに、翻弄されながらも、

家族の元へ帰りたい意志を貫く、主人公の姿は、感動的ですらありました。

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しかし、皮肉に満ちた結末が待っています。

ストーリー的には、写真上から2枚目から、ほぼ順番に並べてみました。

みなさん、写真でストーリー展開を、想像してみてください。

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ほんでもって、リュ・スンボムの哀愁演技、キム・ヨンミンの非情演技など、

役者たちの演技ぶりにも、注目あれ!です。

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ギターの切ない響き、ピアノ、チェロなど、サントラ使いのドラマティックにも、魅了された傑作。

スリリングに満ちて最後まで、目が離せない作品でした。

2017年3月 1日 (水)

韓国映画「アシュラ」

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チョン・ウソンとファン・ジョンミン共演

ワルだらけの映画の、究極の結末とは?

http://www.asura-themovie.jp

3月4日の土曜日から、CJ Entertainment Japanの配給によりまして、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー。

本作は、2016年製作の、韓国映画133分の、「R-15+」指定映画。

文=映画分析評論家・宮城正樹

ⓒ2016 CJE&M CORPORATION, SANAI PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

ほぼ正義なき、アウトローな悪人だらけの映画です。

見る人によっては、気分が悪くなるかもしれませんが、

でもしか、これこそ映画でしか味わえない、強烈無比な世界なのであります。

この種の映画は、「ゴッドファーザー」3部作シリーズ(第1弾は1972年製作・アメリカ映画)などは別にして、

ヒロイズム映画が主流の、アメリカ映画やらでは、あまり見られない作品性ですが、

日本の「仁義なき戦い」シリーズ(1973年~1974年)や、「アウトレイジ」シリーズ(第1弾は2010年)など、ケッコーあることはあります。

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韓国映画的には、ワルだらけ映画は、おそらく初めてではないやろか。

日本の「仁義なき戦い」と、クエンティン・タランティーノ監督映画、

例えば「レザボア・ドックス」(1991年・アメリカ)なんかを、ミキシングしたようなテイストで、

ワル映画のとてつもない世界を、披露してくれたのが、本作なのであります。

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少しは正義の味方に位置する、刑事役チョン・ウソン。

善玉と悪玉演技を、見事に演じ分けるファン・ジョンミン。

この2人の共演ぶりが、恐るべき終末のラストへと、導いてまいります。

ファン・ジョンミンは、弊ブログで、かつて披露いたしましたが、

ここで、チョン・ウソンの、マイ・ベスト&カルト・スリー(各順不同)を、披露いたしますと…。

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●ベスト⇒①私の頭の中の消しゴム(2004年)②本作③MUSA-武士-(2001年)

●カルト⇒①本作②愛のタリオ(2014年)③グッド・バッド・ウィアード(2008年)

●チョン・ウソンの魅力は、ベスト①カルト②のラブ・ストーリーであれ、時代劇ベスト③や西部劇カルト③であれ、

常にカッコイイ・ヒロイズムを、意識した演技ぶりであります。

悪であれ善であれ、変わらないクールイズム・ヒロイズムを、示したのが本作でしょう。

ベストでもカルトでも入る、彼の名演技ぶりを、お楽しみください。

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韓国の架空の都市を舞台に、凄まじい2派の戦いぶりが、ディープ・インパクトに披露される本作。

チョン・ウソンの多彩なアクション、ファン・ジョンミンの強烈至極な極悪ぶり。

2人の演技対決に、最初から最後まで、目が離せません。

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監督は、ベスト③も監督したキム・ソンス。

大仰をキモにした、演出ぶりの醍醐味はモチ、

アクション演出、俯瞰映像などの映画的撮り方、

エレキ・バイオリン・弦楽オーケストラから、K-フォークな歌ものまで、多彩に繰り出すサントラ使いなど、

ベスト③で示した映画監督ぶりを、さらに倍化したような手腕を発揮しています。

とゆうことで、韓国映画版「仁義なき戦い」に、ココロ震える快作でした。

2月に見た年間ベストテン級映画

●外国映画

◆「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」(イタリア映画/5月20日公開)

http://www.zaziefilms.com/jeegmovie/

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◆「わたしは、ダニエル・ブレイク」(ケン・ローチ監督作品/イギリス映画/3月18日公開)

http://www.danielblake.jp

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◆「未来よ こんにちは」(イザベル・ユペール主演/ミア・ハンセン=ラブ監督作品/フランス映画/3月25日公開)

http://www.crest-inter.co.jp/mirai/

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◆「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」(ナタリー・ポートマン主演/アメリカ映画/3月31日公開)

http://www.jackie-movie.jp

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●日本映画

◆「3月のライオン」(神木隆之介・有村架純・倉科カナ・加瀬亮・伊藤英明・豊川悦司ら出演/大友啓史監督作品/前編3月18日・後編4月22日公開)

http://www.3lion-movie.com

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●全ての作品は、後日弊ブログで、分析いたしますが、

2月は、ヨーロッパの作品に、素晴らしい作品が多かったようです。

今のところ、今年の洋画マイ・ナンバー・ワン&ツー級の作品だった、

「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」と、「わたしは、ダニエル・ブレイク」。

ヒロイズム映画の、ヒューマニズム的新次元を示した「…鋼鉄ジーグ」。

ハリウッド映画で、未だかつて示されなかった、領域に入った大傑作です。

「人気ブログランキング・映画全般」でも、ベストワンにしてる「…ダニエル・ブレイク」。

そして、女流監督と名女優が組んだ、ヒロイン・ヒューマン映画の傑作「未来よ こんにちは」。

イザベル・ユペールの演技は、今やまさに、神ワザ的次元に入っています。

さらに、アメリカ映画からも、ヒロイン映画「ジャッキー」を選出いたしました。

ナタリー・ポートマン。

今年のアカデミー賞主演女優賞は、残念ながら、獲れませんでしたが、

主演女優賞をゲットした、鬼気迫る「ブラック・スワン」(2010年製作・アメリカ映画・弊ブログ分析済み)に対し、

毅然としたストレート演技ぶりに、ココログラリと震えました。

さて、日本映画。

今どきのコミック原作の「3月のライオン」は、前編・後編合わせて、4時間以上にわたる大作ですが、

将棋士ヒューマン・ドラマとして、とにかく、見せ場多彩に見せてくれます。

今年のゴールデン・ウイークを大いに、にぎわせそうな作品でありましょう。

(選=映画分析研究所 所長 宮城正樹)

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